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Col de la Traversette トラヴェルセッテ峠

(⇒ハンニバル伝説の候補の峠一覧ハンニバル峠の候補)  (⇒★トラヴェルセッテ峠 トレッキング・ガイド★)

No.:総合順位
  (-N:追加)
登山峠n000-5
トンネル情報はこちら


Hight(m):標高 2950(2947)m
Alpenpasse:峠名
Valley/Tal:谷名・地名
Traversette -Col de la トラヴェルセッテ峠
Country:国>県>谷> Fr/It:フランス/イタリア国境
Route-no,
Place:場所
(Motorway=高速:Tunnel=トンネル)
(Map-page-address:*1)
●大分水嶺(東=Poポー川源流〜(地中海:Adriaアドリア)。西=Guill〜Durance〜Rhoneロ−ヌ川〜(地中海)
・Mt.Visoモン・ヴィーゾ(モンテ・ヴィーゾ)山(3841m)の北5km
・Col de Agnelアグネル峠の約7km東北東
・バルスロネッテ東

(75-ha80)
Montgenevre、(Roche Ecroulee)
−(Pian del Re)
IzoardVars
Agnel
Closed/Maximum grade(%)/etc :
道路閉鎖時期/勾配/条件
・自動車道路ではない=登山のみの峠
・この付近の自動車道路はアニュエル峠であり、ケーラス地域(St.Veran)〜ヴァライタ渓谷ルートとして、アニュエル峠が後で出来たと思われる。
・自動車トンネル建設の希望は地元にはある。
Impressions:感想:
峠両側の集落・歴史的役割
  ・成立要因推測など

●ここがBC218年(2200年以上前)、ハンニバルが象と越えた「最有力候補の峠」です

  詳細はこちら参照 (Googleマップでルート確認

 ■記述者:C・ドニナ(1792年)、ケンブリッジ(1830年)、Cトール(1925年)、ギャヴィン・デ・ビーア(1955年)
・BC218.10月末に、Embrunアンブラン〜デュランス川沿い〜Guillestreギュレストレ〜Guilギル渓谷〜Chateau-Queyrasシャトー・ケラース:はだか岩〜(岩を火と酢で砕いて道を造り)〜この峠〜(前年の雪と新雪で立ち往生したが、雪を削り小道を造った)〜Saluzzoサルッツォ〜トリノのルートを通過したと推測している。
・2万人のアフリカ・スペイン歩兵、6千人の騎兵、象17頭が峠を越えた(1.8万の歩兵、2千人の騎兵、象22頭を失ったと想定される)
西側から望むトラヴェルセッテ峠
【西側から望むトラヴェルセッテ峠
『ハンニバル アルプス越えの謎を解く』】

 ■解説:
・ギャヴィン・デ・ビーア(1899-1972:大英博物館自然史館長)の『ALPS and ELEPHANTSハンニバルの象』「渡った川、時間、風景等の検証」は説得力がある。
・多分ハンニバルはこの付近で一番容易で標高も低い★「ラルシュ峠」を越えようとしたが、標高の高いあまりに厳しい地形の危険な峠を越えた。これは案内人の謀略・裏切りで渓谷を通過し襲撃され、気象条件から峠での大量の凍死があったためだろう。

traversette-tunnel-Italy-Side
【トンネルのイタリア側入口】
traversette-tunnel-France-Side
【トンネルのフランス側入口】
buco-di-viso
【トンネルの断面図】

●トラヴェルセッテ峠のトンネル(1480年開通)情報概要。<★トンネルの詳細情報><★サルッツォ紀行
(海抜2882m:Buco di Viso(イタリア語)/Monte_Viso_tunnel(英語))


HumbertII
【Humbert_II:Viennois】
Philip VI
【Philip_VI:France】
・1349年、Vienneヴィエンヌのドフィーネ公(HumbertIIウンベール2世:(在1333-49:1355死)=神聖ローマ帝国側の諸侯)は、財政難と男子継承者不在の為、世襲領地と称号をフランス王(Philip VIフィリップ6世(在1328-50))に売り渡した。

・1449年:ヴィエンヌの大司教は、異議申立てをしたが1449年に屈服しフランス王に領土を引き渡した。
 =トンネル建設の約30年前、峠の西側はフランス王国領のドフィーネDauphine地域。

サルッツオ公爵ルードヴィコ2世
【Ludovico_II:Saluzzo】

・建設当時、峠の東と南エリアはサルッツオSaluzzo公爵Ludovico IIルードヴィコ2世(在1475-1503)の領地(神聖ローマ帝国)。峠の北側はサヴォイエ公国領。

・小国サルッツオSaluzzo地域は、周囲をサヴォワ王国領に囲まれ、フランスとの力を得たバランスで独立を保っていた。西のドフィーネ・エリアと、サルッツオ・エリアとの大きな交易のためには、アルプスのトンネルが必要であった。


フリードリヒ3世
【フリードリヒ3世:神聖ローマ帝国】
ルイ11世
【ルイ11世:France】
・トンネル建設は、峠西側のフランスはLouisXIルイ11世(在1461-83)の時代であり、ルイの主導でSaluzzoサルッツオ侯爵が建設との記録ある。(アブリエスのパンフから)

・神聖ローマ帝国の皇帝FriedrichIIIフリードリヒ3世(在1452-93)も、サルッツオ侯爵に工事遂行の勅許証を授けた。

・1480年:モンヴィーゾトンネルは、トラヴェルセッテ峠の頂上(2950m)から68m下に、長さ75mのトンネル(海抜2882m)で、1478年から始まり1480年に開通した。アルプスで最初に掘られたトンネル。

・1494-1525年:フランスの国王3人はこのトンネルを通過した。

・1525年:フランツI世(在1515-1547)と3千人の兵士も通過した。



【DauphineとMARsat Saluces公爵領の境にトンネル。紫色はサヴォワ領。緑点線は現在の国境で、アルプスの高い山脈】
・1548年:しかし小国サルッツオは結局、1548年にフランスに占領された後、1601年にサヴォアに譲渡された。


【ガリレイ】
ガリレオ・ガリレイGalileo Galilei(1564-1642)がこのトンネルを通過した記録がある。



 −−−
<参考>
・1450年:約80km南東にあるTenda tunnelテンダ(タンド)・トンネルは、「1450年にトンネル建設を始めたが、完成することはなかった」との情報がある。
トラヴェルセッテ・トンネル開通より30年も前で、当時テンダ峠の両側はサヴォワ公国でしたから、神聖ローマ皇帝の許可は不要だったのでしょう。
しかし、サルッツオ公爵は隣国サヴォワ公国のトンネル工事開始も、皇帝許諾のための材料に使ったと推測できます。


<関連サイト>
http://www.quotazero.com/【峠とトンネル通過の記録と写真】
http://www.snow-fr.com/【峠をトレッキングした写真など。トンネルの情報もある】
http://www.peplums.info/【映画「Hannibal, l'ennemi de Rome」(Richard Bedser, 2005年)の解説】
http://www.legart.it/【トンネル図説】
http://it.wikipedia.org/【wiki/Buco_di_Viso】

<注:小サンベルナール峠近隣にも「Col de la Traversette」という2383mの峠があるらしい>

<通過日:YYYY.MM.DD(Site)。旅の記録・写真へのLINK>
★Kitamuraは峠頂上は未到達

<参考地図>
トラヴェルセッテ峠付近:1/10万  トラヴェルセッテ峠付近:1/2.5万
【n0005-10map(左):1/10万】【6047-map(右):TOP25(1/2.5万)のTraversette峠付近 Mt.Viso(3841m)とTraversette峠の直線距離は約5Km】●クリックで拡大
−−−−−−−−−−−−
<フランス側:峠隣接の参考情報>
2019.6.23(X19):Abries(3泊)⇒Grand-Belvedere du Viso⇒★Viso小屋(2460m)⇒It:Agnel峠〜Ostana(3泊)
Viso小屋(2450m) Viso小屋(2450m)
【Refuge du Visoヴィーソ小屋:⇒★クリックで表裏。案内の標識】

2007.6.19(T-Site):Abries(4泊)⇒Grand-Belvedere du Viso⇒★峠1.5時間手前(海抜約2440m=Viso小屋との分岐)で、靴が壊れ断念・・など⇒Vars峠〜It:Montgenevre峠〜Verbania
トラヴェルセッテ峠を見る
【峠へ1.5時間、Viso小屋へ15分の分岐。正面右の岩山付近が峠。⇒★クリックで拡大360度】

2002.6.19(O-Site):Ristolas(3泊)⇒★モン・ヴィーゾ大展望台Grand-Belvedere du Viso(2133m)まで(-1) ・(-2)⇒It:Sestriere



<イタリア側:峠隣接の参考情報>
2019.6.25-27(X19):Ostana(3泊)⇒★Pian del Re(2020m)/★Lago-Fiorenza湖(2150m)/Pion da Charm〜La Draio de Peiro Groso(1635〜1840m)/Crissolo⇒トリノ

2007.6.14(T-Site):Crissolo(3泊)⇒★峠・トンネル目指すも、峠25分手前、トンネル15分手前(海抜約2800m)で残雪多量のため断念
峠を見上げる
【峠25分手前、トンネル15分手前(海抜約2800m)の兵砦付近からトラヴェルセッテ峠を見上げる】

渓谷側を見おろす
【峠25分手前、トンネル15分手前(海抜約2800m)の兵砦付近から渓谷側を見おろす。ガスが次々と上がってくる】

 ⇒2007.6.15:★王の平地Pian del Reピアン・デル・レー(2020m)など⇒Fr:Agnel峠〜Abries(4泊)
Pian del Re Pian del Re
【王の平地Pian del Reピアン・デル・レー(2020m)から見る峠の位置(矢印)。前日登った峠ルート(赤の線、点線は山陰)】【Pian del ReからのM.Viso。ここがQui nasce il Po(ポー川の源流)】


<★読者の方からの峠通過情報:写真はクリックで拡大します>
【2019/09/15:nobusa(相川)さん情報提供】

 ・2019.9.15(日)13時=現地時間(=日本時間9/15(日)20時)「トラヴェルセッテに着いて、下山しました」とのメールをいただきました。ピアン・デル・レーに着いてメールされたと思われます。
 ・2019/09/15(Sun) 22:49:おかげさまで峠越えができました。 トラヴェルセッテまでの最後の峠越えはかなり急な箇所で、歩いていても怖くなるほど。 どうやってハンニバルが象と馬を動かしたのか想像がつきませんでしたね。
 ・2019/09/16(Mon) 01:16:今回は9月14日、山小屋最後の日に間に合ってラッキーでした。 1日ズレていたらピアンデルレからクリッソーロ までのバスも止まってしまうタイミングでしたので。 草木を楽しむなら北村さんが行かれたように6.7月が良いかもしれません。 フランスよりもイタリア側からの渓谷の景色が素晴らしかったです、特に早朝がいいですね。 ピアンデルレの山小屋の食事はこれまた美味しくて。いろいろノウハウ、写真も溜まりましたので、後日まとめて提供させてもらいます

   
【フランス側から峠に向かう途中の道】【峠頂上まであと20分程度。左に傾いているので歩きにくい】【峠頂上まであと数分。道ではなく傾斜がきつい崖の道】

   
【峠頂上、フランス側から登りイタリアを見下ろす】【頂上からViso山を見る】【峠頂上の標識】


【2003/08-10:Mundbergさん情報提供】
●2003年8月、Mundbergさんから峠に登って来た(フランス側から)という便り、さらに10月にはイタリア側のPian del Re(2020m)から峠を観察してこられたとの連絡があり、写真も提供いただきました。   <整理の都合上、フランス側(西)からイタリア側(東)に向けて写真・地図を並べています>
トラヴェルセッテ峠  トラヴェルセッテ峠  トラヴェルセッテ峠
【023-1:峠から約1kmのフランス側から見上げる】【6043rd:峠頂上からフランス側を見る】【4019:Traversette峠の標識】

トラヴェルセッテ峠  トラヴェルセッテ峠
【023-3:峠頂上の岩】【023-5:峠頂上からイタリア側を見下ろす】

トラヴェルセッテ峠  トラヴェルセッテ峠  トラヴェルセッテ峠 
【024-1:イタリア側に若干下る】【024-3:イタリア側のトンネルの場所】【024-3:イタリア側トンネル入口】

<Mundbergさんからの便り・・・「峠の茶屋」掲示板から>
●[1234] Traversette峠 投稿者:Mundberg 投稿日:2003/08/16(Sat)
 kitamuraさん、今晩は。
 8月12日に、Traversette峠(2947m)へ行ってきました。La Roche Ecroulee(1787m)の駐車場に車を停めて、
11時10分に出発して、車に戻ったのが17時35分でした。車があるので、イタリア側に降りずに戻ってきました。
雷雲が接近していましたので、少し急ぎました。実際、車に戻ったら、どじゃぶりの夕立が襲ってきて、まさに、
危機一髪でした。いや、疲れました。
 峠は、Belvedere du Viso(2133m)からかなり行かないと(2700m付近まで)見えてきません。Refuge du Visoへの
分岐点(2450m付近)からは、峠は見えません。峠が見えてきてからがきついのです。こんな峠を、もし雪のある中、
越えたら、さぞハンニバルも大変だったと想像がつきます。
なお、分岐点を越えてから峠までの間に、湧き川、エーデルワイス、アルプスカモシカ等に出会いました。
 標識では、往路がBelvedere du Visoまでが1時間30分で、Belvedere du VisoからTraversetteまでが2時間30分で、
計4時間です。復路は、TraversetteからLa Roche Ecrouleeまで3時間10分となっています。往復で7時間10分です。
 しかし、この所要時間は、山歩きに慣れている人の所要時間と思われます。山歩きに慣れなていない人は、もう
少しかかると思われます。夏は夕立がつきものですので、朝早く出発することがお勧めです。

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●[1285] Pian del Re 投稿者:Mundberg 投稿日:2003/10/24(Fri) 00:58 
 Kitamuraさん 今晩は。
 10月19日にTraversette峠のイタリア側の登山口である Valle del Poの最奥部 Pian del Re(「王の平地」
とでも訳すのでしょうか)(2020m)に行ってきました。天気は快晴で峠まで登るには最高だったのですが、日程の
都合で辞めました、悔やまれます。写真は撮ってきました。ハンニバルのアルプス越えの時期とほぼ同時期なの
ですが、2950mの峠付近には、雪は全然ありませんでした。
スイスの峠もSusten,Gd.St-Bernardを除いて、まだ閉まっていませんでした。
(10月20日は天気が悪く、高地では雪が降ったみたいで、各地で閉鎖があったようです)。

 今回、Pian del Reへは、TorinoからPinerolo、Bibiana、Bagnolo、Barge、Paesanaを経由するルートで行き
ました。BargeからPaesana間のちょっとした峠を越えると、突然、写真(4044)のようなMt.Visoが現れます。
東側から見るMt.Visoはまさにピラミッド形で、この東側からの姿が一番Mt.Visoらしいと思います。

 Crissoloまでの道は良いのですが、CrissoloからPian del Reまでの約8Kmは大変です。車一台分の道幅しかなく
カーブが多いのです。日本なら当然カーブミラーが設置してあるところですが、一台のカーブミラーもありません。
スイスあたりですと、一定の時間ごとに一方通行とするところですが、それもありません。退避場所は設置して
ありますが、できるだけ対向車が来ないことを祈るしかありません。
 また、混雑時、Crissoloからの進入が禁止されたり、午後からの進入が禁止されたりするようです。その場合は、
Pian del Reまで徒歩ということになります。
トラヴェルセッテ峠  トラヴェルセッテ峠
【4044:Paesana(614m)La Colletta付近からのMt.Viso山】【n0005-30map】

<峠付近の花:花の写真図鑑へ
<2007.6.19:フランス側の花>
トラヴェルセッテ峠挑戦 トラヴェルセッテ峠挑戦
【h953.jpg:青系の花 【d280.jpg:白系の花

トラヴェルセッテ峠挑戦 トラヴェルセッテ峠挑戦
【d253.jpg:黄系の花 【d269.jpg:赤系の花

<2007.6.14:イタリア側の花>Pian del Re
Traversette
【d876.jpg:左から、シレネ・アカウリス(ナデシコ科)、ゲンティアナ・ヴェルナ(リンドウ科)とビオラ・カルカラタ=白スミレ(スミレ科) 、カルタ・パルストゥリス(キンポウゲ科)、ゲンチアナ・コキアナ(リンドウ科) ●花の図鑑へ

Traversette
【d937.jpg:青・白系●花の図鑑:青色へ  ●花の図鑑:白色へ

Traversette
【d935.jpg:黄系:●花の図鑑:黄色へ

Traversette
【d877.jpg:赤系:●花の図鑑:赤色へ
 

<峠付近の宿情報>
 ○付近の宿検索

booking.comBooking.Comヨーロッパ:アルプス山脈エリア・宿予約

EU-Alps 峠の茶屋:
掲示板:問合せなども
EU-ALPS.com
旅のGET:
旅のGET
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