●「ハンニバルと象の峠 紀行」
紀行の開始地点・・・この地(推定)を進軍した当時の状況など。
【赤色:ドローム川に沿ったハンニバル軍推定ルート】
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●カルタゴの将軍ハンニバルと象が越えた峠
●有力推定ルートのIndex
・前のポイント=001:ハンニバルの生誕〜ローヌ川着(サン・ジル付近)
・前のポイント=002:「ローヌ渡河+渡河戦」(タラスコン付近)
・前のポイント=003:「ハンノの分遣隊ルート」(アヴィニョン付近)
・前のポイント=004:「島」 (エーグ川)(オランジュ付近)
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・直前のポイント=005:ドローム川に沿いアルプス方面に(ロリヨール付近)
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★このページ=006a:ドローム川〜アルプス方面に(Crestクレス付近)(2002.6.12紀行)
<006:ドローム川沿い〜アルプス方面に(Dieディの前まで)(2019.6.19紀行)>
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・次のポイント=007:Dieディの町
<この地に到達時のハンニバル軍の推定状況>
・BC218年10月9日〜12日頃「ローヌ川を離れ、ドローム川に沿って進軍。アルプスの麓まで残り3日。
・「島」からブランクスの案内人が進路を案内する。
・軍の規模は、歩兵3.8万人、騎兵7.7千騎、象37頭(G-p49)。
・軍の荷物を運ぶ「駄獣」は、7-8千頭+民間人1-2千人。
・一日の行軍距離平均14km
●ガリアの種族とその場所
【ガリアの種族とその場所。 クリックで拡大】
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●ローヌ川を離れ、ドローム川に沿い〜この地まで
・「島」でブランクスから軍の再装備(食料・武器を新しいものに・防寒着・靴提供)を受けた。
・ブランクスは、アロプロゲス連合や敵からの襲撃を避け、安全にアルプスの麓まで行軍できるよう案内人を出した。ハンニバル軍の後部も護衛した。(G-p33-54)(P-p306=第3巻49)
・ローヌ川に沿ったこのLoriol s-Dromeロリヨール付近から、推定されているルートは大きく2つに分かれます。
最有力は「トラヴェルセッテ峠ルート」で、ここから東に向かう支流、Dromeドローム川に進む道(G-p60)。
次の有力は「クラピエ峠ルート」で、さらにローヌ川を行き、約20km北でIsereイゼール川に沿うルートです。
⇒多分ブランクスの案内人は下図のようにドローム川(Drome/Drona)に沿い、ディ(Die/Dea/Dea Augusta)に向かうことでガリアのアロプロゲス族Allobrogesの領地を通過せず進軍したでしょう。
【最有力推定ルート(緑ルート)】
・その方向には、プレアルプス(アルプス山脈につながる中程度の高さの山地)で、当時この地は、ウォコンティ族(ゴールの諸部族のひとつ)の勢力範囲でした。(G-p58)
・平坦な地方を通っている間、大きな戦闘はなかった。ブランクスの山岳ガイドに護衛を提供してもらったことも大きい。(J-p116)
・ハンニバルが行軍したであろうルートは、後の「古代ローマの時代の街道<Valence/Valentiaヴァランス〜Vapincurn/Gapガップ〜Brianson/Brigantiumブリアンソン〜Torinoトリノ>」の道に沿っている。(SN-P.177-)
⇒ハンニバル軍の道案内したブランクスの使者も、この「アロプロゲス領に入らない」ルートで、当時でもかなり人の行き来の多かったと想定される「このトリノに向かう街道」を案内したのではなかろうか。
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●ガリアの種族とその場所
・当時の推定地図
○Allobrogesアロプロゲス族【 イゼール川の北。現代のリヨンとジュネーブの間のガリア人】
○Segalauni/Segovellaunesセガラウニ/セゴヴェローヌ族【ヴァランス周辺(アッロプロゲスの南、カヴァレスの北)のローヌ渓谷に位置するガリア人】
○Tricastiniトリカスティーニ族【ローマ時代に、現在のサンポールトロワシャトーの近くにある現代のトリカスティン地域に住む小さなガリア族】
○Cavariカヴァリ族【ローマ時代の現在の都市アヴィニョン、オレンジ、カヴァイヨン周辺(ボークリューズの西部)に住むガリア人】
○Voconces/ラテン語 Vocontiiヴォコンティ族【プレアルプに定住したガリア人の連合体】
○Tricorii/Tricoresトリコリイ族【南アルプスに住むナルボンヌゴール出身のケルト人-リグリア人。「3つの軍隊」の意味】
■参考資料:
本:Polybiusポリュビオス著 『ポリュビオス 歴史〈1〉』城江良和訳:京都大学学術出版会(P-page)
本:Gavin de Beerギャヴィン・デ・ビーア著 『ハンニバルの象 ALPS and ELEPHANTS』時任生子訳:博品社(G-page)
本:John Prevasジョン・プレヴァス著『ハンニバル アルプス越えの謎を解く HANNIBAL CROSSES THE ALPS』村上温夫訳:白水社(J-page)
本:Hans Baumannハンス・バウマン著『ハンニバルの象つかい』大塚勇三訳:岩波書房:(H-page)
○https://penelope.uchicago.edu/Thayer/E/Roman/Texts/Polybius/3*.html【Polybius/歴史第3巻】
○https://omnesviae.org/#【OmnesViae:Roman Routeplanner:Google-Mapsにポイティンガー図を展開】
本:新潮文庫:『ローマ人の物語「すべての道はローマに通ず」上:No.27 p.177〜』塩野七生:(SN-page)
本:The Green Guide:『French Alps』2020 Michelin:(M-page)
<〜D9のルートをさらに南下・・・GRIGNANの城内で宿を見つけました・・・・>
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