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Cibiana
【6d74.jpg:No-39パン屋の壁絵と、キバナフジ(マメ科)

Cibiana di cadoreチビアーナ村
<壁絵3:Pianezzeエリア>

Cibiana-Murales壁絵祭
村で唯一のホテル・レストランのこの宿の料理、そしてワインにも大満足です。
ここのエリアの作品は最近描かれたもので、色は鮮やかなのですが・・・

ドロミテ:Pelmoペルモ・エリア】  
[北村 峠一].(Kitamura)      


 このPianezzeピアネッツェ・エリアは村の北西部にあり、その壁絵は1991-2002年と、3つのエリアの中では最も新しいものです。【●作家:作品名:などのURL
Cibiana-murales-map Cibiana-murales-map【Pianezzeエリアの地図】  【Pianezzeエリアの作品一覧】

 壁絵の紹介の前に、僕たちが泊まったAlbergo Remauroホテル・レマウロは、地図の(52)の右側の建物です。この村で唯一のホテル、同時に唯一のレストランなのです。その最上階の右端が僕たちの泊まった部屋、トリプルベットで最近室内を改装したばかり。清潔そのものの満足できる部屋、それ以上に納得したのがここからの眺めです。
Cibiana 【5d03.jpg:朝の逆光の中に、村の教会と、Monte Terza Grande(2586m)などの山並が】

 東の窓からは、朝日の澄んだ冷たい空気の中に、村の集落と教会の塔が見下ろせます。さらに谷の先、30kmほど先にそびえる山脈はMonte Terza Grande(2586m)、Monte Brentoni(2548m)など、昨年ちょっとおびえながら通過した、フリウリ州との境。Vigo-di-Cadoreヴィーゴ・ディ・カドーレの東側の山なのです。

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【5d11.jpg:Albergo Remauroホテル・レマウロ。この村で唯一のホテル・レストラン。最上階の右端が僕たちが泊まった部屋】
 南の窓から見下ろすと、そこには2枚の壁絵が見えます。北の道路に面した絵は、屈強な親父と、ちょっとひ弱な息子風の若者が、真っ赤な鉄をハンマーで打っています。この家は鍛冶屋だったのでしょう。一方西の壁絵は。肌もあらわな若い女性がテラスで山を見ているのです。このホテル・レマウロの泊り客がくつろいでいる情景でしょう。

 さらに窓から身を乗り出して西の方角を見れば、このドロミテの山の形は、モンテ・リーテ山頂から南に見た山並、サッソルンゴ・ディ・カドーレ(2413m)を中心とした岩山なのです。

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【5d08.jpg:部屋から見下ろす民家の壁にも、朝日を浴びて壁絵が楽しめる】 【5d09.jpg:No-40:鍛冶屋】 【5d10.jpg:No-51:観光客】

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【5d07.jpg:西の風景:村の通り通りと、Sassolungo di Cibiana(2413m)の山並





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【61b9.jpg:猫が小鳥を狙っている。
どこかで見たことのあるだまし絵】


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【61b6.jpg:礼拝堂の門番犬。
1642-1913年:ORA et LABORA】
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【5d12.jpg:道路の左下にNO-48:Paolo-Scarpa:Al-Masteler(1995年作)/No-49:Feliks-Szyszko(PL):Riorno-del-Varsuoi(1995年作)
道路右にNo-52:Gina-Roma:Chi-Riede-A-Zubiana(1997年作)】


 Pianezzeの集落に入る角に礼拝堂があり、そこにまるで門番のように白い犬が居すわっています。僕たちを危険人物と思ったのか、この付近の犬としては久しぶりに、数回吠えました。ヨーロッパの犬はめったに吠えないのです。そのように躾けられ、レストランなどでも食べ物をねだる事もなく、テーブルの下にじっとうずくまり、間違ってしっぽを蹴飛ばしても意に介さないのは、感心します。

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【61b1.jpg:この左の路地を登って、Pianezzeの集落に入っていく】

 そんな彼がつながれている礼拝堂の入り口の石に書かれているのは、「1642-1913:ORA et LABORA」。かつてこの地に修道院があったと想定できたので、内部をもっと見たいと思ったのですが、あまり近づくと犬に申し訳ないので遠くから見るだけに。代わりに、お堂の奥の家の壁に猫かれている「小鳥を狙っている猫」のだまし絵。揺れそうなカーテンや、倒れそうな花瓶まで、見ている人を楽しませるカットをビデオ撮りします。

 路地を登って、Pianezzeの集落に入っていきます。

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【6136.jpg:左No-54:中No-37:坂の下に礼拝堂の鐘の塔が見える】 【6d76.jpg:斜面の牧草地に咲くシレネ・ブルガリス(ナデシコ科))】

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【6145.jpg:No-55?】

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【6147.jpg:No-46?】 【6156.jpg:】 【6152.jpg:】

 他のエリアに比べ、ここの作品は年代が新しいこともあり色が鮮やかです。描かれている絵の中には火事のシーンなどもありましたが、パン屋や鍛冶屋など活気もあります。さらに斜面の牧草地に咲くシレネ・ブルガリス(ナデシコ科)や、庭に黄色く垂れ下がる「キバナフジ(マメ科)」なども多く、この集落は暗さをあまり感じないものでした。
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【6d73.jpg:火災のシーン】 【6184.jpg:】

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【61a2.jpg:No-44:】

 集落から国道に戻った壁面に、白馬と夫婦が描かれた絵がありました。庭先にはゴム手袋をしたおばあさんが、野菜の手入れをしています。絵を見ているとそのおばあさんが
「ボナセラ:こんばんは」と声をかけてきます。イタリア語のできない私は、
「この絵の女の人はあなたですか」と英語で質問しますが、当然意味は通じていないでしょう。でもおばあさんが言っている発音「Emigrazione」は、パンフレットに書かれているNo.50のスペルでした。
「この村には、楽しい絵がたくさんあっていいですね」と言って別れましたが、後で辞書で「Emigrazione」を調べると「移民」の意味でした。

 おばあさんの兄弟なのか、この家の元の住人なのか、遠い国に移住していったことを描いているのでしょう。以前旅した、フランスアルプス、モンテ・ビーゾの山懐の村、Ristolasリストーラでは、南米にたくさんの村人が移住したということでした。同じように貧しい寒村のこの地でも、わずかな身の回りの物だけを持ち、異国の地に移り住んだことを描いたのでしょう。残念ながら、あまり楽しいお話の絵でもなさそうでした。

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【6190.jpg:No-50:移住】 【6198.jpg:庭仕事のおばあさんが、声をかけてくれる】


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【156.jpg:初日の夕食。ステーキ、生ハム・メロン。夕日に光る山を見ながら】
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【6d75.jpg:村の西はずれから、村の中心と、東のピエーヴェ方面を望む】

 3泊したこのチビアーナ村、このホテル・レマウロともお別れです。旅のベースキャンプに、この村のこの宿は実に便利、そして快適でした。
 毎日、今晩の食事は何だろうと楽しみに宿に帰ってきました。夕日に焼けたドロマイトの光る岩山を見ながら、Yさんと3人の楽しくおいしい時間でした。この夕食もついて一人一泊36Eur(4800\)と、シーズンが早かった(6/14-16)せいもありますが、絶対皆さんへお勧めの宿です。さらにここのハウスワイン、グラスで1.05Eur(140\)なのですが、やはり地元でしか飲めないおいしさでした。
 アルベルゴ(ホテル)・レマウロのマダム、本当にありがとう。また機会を作ってゆっくり遊びにきたい村です。
●ドロミテ・エリアで利用した宿紹介】   【●絵に関連するURLなど
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【5d34.jpg:2日目の前菜:ペンネ・トマトソース、クヌーデル、ポタージュ】 【6d83.jpg:3日目前菜:ラザニア・スープ、マカロニ、ペンネ】 【6d84.jpg:3日目:生ハム・チーズ、ズッキーニのフライ、ナス炒め、チキン】 【6d89.jpg:ホテル・レマウロのマンマ】

Cibiana-Murales壁絵祭●Cibiana di cadore チビアーナ村<Muralesムラーレス:壁絵祭-URL>


 このMasarieマサリエ・エリア、Sottoソット・エリア、Pianezzeピアネッツェ・エリア 3エリアの作品名と、その画家に関するURL、Chibianaチビアーナに関するURLをできるだけ集めてみました。何かの参考になれば。

●絵に関連するURLなど
●Wall-Painting アルプスの壁絵・壁画も参考に】(link+book=51件)



<Cibianaチビアーナ関連のサイト>


 ○http://www.messner-mountain-museum.it/【Cibiana di Cadore, il paese dei Muralesを14ページにわたり紹介】
 ○http://www.magicoveneto.it/Cadore【Cibiana/Murales:30枚以上の絵画を紹介】
 ○http://www.stellablucadore.it/【Murales:9枚紹介】
 ○http://www.barpostavenas.it/【Murales:7枚紹介】
 ○http://www.dolomiti.org/【I "murales" di Cibian】
 ○http://www.dolomiti.it/【壁絵の紹介】
 ○http://www.affresco.com/【affresco.com】
 ○http://www.remauro.it/【IL PAESE CHE DIPINGE LA SUA STORIA 】

 ○http://www.remauro.it/【HOTEL RISTORANTE REMAUROホテル・レマウロ:Via Pianezze 16,32040 Cibiana di Cadore (BL),Telefono 0435 74004,Fax 0435 74294 】


 翌朝、4日間ご一緒したYさんを、最初合流したベッルーノの駅まで送ります。


●Longaroneロンガローネの悲劇 (Diga del Vajontバイオントダム災害)〜

●Longaroneロンガローネ(Diga del Vajontバイオントダム)


1960年に竣工した(アーチ式コンクリートダム:262mの堤高は当時世界一、総貯水容量168,000千m3だった)が、1963年10月9日に犠牲者2000名以上を出す地すべり・溢水災害を引き起こし、放棄された。


【左:ロンガローネ村の対岸に見えるダム。右:1963.10.9の地すべりと津波被害エリア】

<Longaroneロンガノーネ関係URL>
 ○http://ja.wikipedia.org/【wiki/Longarone】
 ☆http://www.jca.apc.org/wsf_support/messages/2376.html【1963.10.9前後のロンガノーネの災害状況】
 ☆「ロンガノーネの悲劇」【ウェス・正美さん:旅行記】
 ○http://www.uwgb.edu/dutchs/EarthSC202Notes/masswast.htm【ダムと氾濫エリアが図説されている】
 ○http://fun.supereva.it/vajont.freeweb/vajont.html【Longarone 1963 Vaiont】
 ○http://web.ticino.com/rudaz/osoppo_it.html【ダム風景】
 ○http://www.manigrasso.it/【Longarone災害状況の写真】
 ○http://www.longarone.net/【Longarone村のサイト】
 ○https://www.elicriso.it/it/stragi_compiute_uomo/vajont/【Longarone村の災害】


cibiana-belluno-map
【CibianaからBellunoへのルート】

Bosconeroボスコネロ・エリア」 に沿ってPiaveピアーヴェ川に下り、Longaroneロンガローネを通過します。

 この町のすぐ東の対岸にはダムがそそり立って見え、ここで1963年に「ロンガローネの悲劇」が起きたのだとYさんから教えてもらいました。

 Vaiontヴァイオント川のダム上流で大きな地すべりが起き、その勢いでダム津波の水があのダムを飛び越え、ちょうど対岸にある、ここロンガローネ村に2,125人もの死者を出す山津波が発生したのだとのことです。

 予測できそうな位置関係、まさに人災のように思えます。

 ⇒★アオスタ州にある「La Diga di Beauregardボールガールダム」の解体も、この大事故が大きく影響してのことでしょう。

【★⇒2013年通過時の記録はこちら
  


●Bellunoベッルーノ〜

Schiaraスキアラ・エリア」をピアーヴェ川に沿って下り。Bellunoベッルーノの駅へ。Veronaヴェローナへの列車を見送ります。(ここまで55km)

 ベッルーノの駅で、数日前の深夜、ホテルのお兄さんとなにやらひそひそ話していた女性が、大きな荷物を持ち、同じ長距離電車に乗り込むのに会いました。・・・・・・あのフロントのお兄さん、頑張って結婚資金をためているのではないか(?)と推測・・・・・・そう思って見ると、彼女も若々しく、幸せそうな表情でしたね。

 そして僕たちは、ドロミテの南西部のローレ峠、アルペ・ディ・シーウジなどに向かいます。

bellunod
【d04.jpg:ベッルーノからVeronaヴェローナへの列車】

<以上でドロミテ編-2(南東部)を終わり、続いてドロミテ編-3(南西部)を始めます・・・>

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