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fedaiaフェダイア峠

Passo di Fedaia/Fedala
フェダイア/フェダラ峠 (2057/2047m)
 カナツェイからファッサ渓谷を登りきると、ドロミテ最高峰のマルモラーダ氷河の水をたたえたダム湖が現れます。【●峠のDBへ

 この異様な静けさを、何とかしなければならないのですが。
ドロミテ:Marmoladaマルモラーダ・エリア】  [北村 峠一].(Kitamura)      

 車内で続くこの沈黙は10年以上のアルプスドライブでも異常、1カ月の長旅こんな風に押し黙っていることは危険です。こういうときは無理しても駄洒落などを言うべきなのですが、さっきもちょっと話し掛けたのですが無応答なのです。

 妻の状態が変です。2つ手前のCulacクラック峠(2018m)、直前のSellaセッラ峠(2244m)とも車内から出ようとしません。どうも気分を害しているときの状況。確かに駐車するとき「危険だからあまり崖に寄らないで」「大丈夫」と言って、いつもどおり斜面ぎりぎりに停めましたが、それだけが原因ではなさそうです。いつもの走行中のビデオ撮りも、地図を見てのナビも、さきほどから休止です。
canazei
【37.jpg:Canazeiまで降りて左折。正面のなだらかな 岩肌がマルモダーラだろう】

fedaia
【061.jpg:峠に到着】

 実は私のほうもおかしいのです。2244mの峠から一気に1465mのCanazeiカナツェイまで降りてきて、耳の奥がジーンと鳴っています。つばを飲み込んでも、口を大きく開いてあくびをしても、肩を回して大声を出しても<助手席の妻も驚いて反応するかと思ったのですが>、運転中にできる耳鳴り対策はこんなことぐらいですが、全然直りません。

 雲がかなり濃く雨が近づいてきているので、カナツェイの町には立ち寄らずFassaファッサ渓谷を上流に向かいます。10kmほど走りダムの堰堤が見えるところで車を停めます。高度が上がったことで少し耳も治ってきたので、歩けばさらに回復するだろうと外に出ますが、ここでも妻は車内で休むと言います。数分後、さらに1kmほど移動、峠の標識の前に到着です。【●峠のDBへ

 ドロミテで一番高いマルモラーダ(3342m)の北斜面氷河の真下、おみやげ屋の前には車やバイクの客などがたくさん居ます。誘いますが、またも妻は車から降りる気がしないとのこと、一人撮影に外に出ます。

 峠のカンバンは確かにここにあるのですが、地図によるともっと先、山が張り出したあたりに峠の場所があるのです。ダムに沿った道路はずーっと水平なので、両方に峠の標識があってもおかしくは無いのですが。

fedaia
【d38.jpg:正面にMarmoladaマルモラーダの北斜面の氷河。フェダイア湖はダム湖】

 「本来の峠はダムの上流のはず」とダムサイトを2kmほど走ると案の定、ここにも峠の標識があります。が、なぜか標高は書いてないのです。付近はまだ雪が大量に残り、小さなおみやげ屋は閉まっています。停まる車やバイクも、下流のダムサイトの「峠」よりずっと少なく、分家のみやげ屋のオヤジの作戦に、本家のオヤジが負けたように思えます。
「この峠の標識に『海抜2057m。本来の分水嶺はここ』と書くだけで客が増える」とアドバイスしたくなります。

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【127.jpg:湖(左側)の東側:ここが本来の峠。残雪がこの峠のあたりにも。北の山はLa-Mesola(2733m)だが、天気が怪しくなってきた】

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【114.jpg:峠の北側:マルモラーダの岩だけが見える】

「頭痛と寒気」をはじめて妻が口にしました、そしてここでも車内で休むと言います。峠道の揺れで車酔いしたのか、風邪を引いたのか。一方私は、妻が怒っているのではないのだとわかり、耳鳴りもほぼ消え快調になってきました。

 雪渓に上ってダムや周囲の山などを撮影しますが、確かにここは眺めがいまいち。 遅い雪がやっと解けた小石の中から、あまり見たことが無い花、肌色の茎がちょっと気持の悪い、たんぽぽのような黄色の花を見つけます。帰国後調べると、Tussilago Farfara:日本名「フキタンポポ」というキク科の植物でした。日本にも外来種で来ていたんですね。【●花の図鑑へ(黄色の花)】

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【112.jpg:峠のライダーも寒そうだ】 【d45.jpg:雪がまだ残っているから寒いのだけれど】 【d44.jpg:こんな雪解けの岩の間からたんぽぽのような花が咲いている。茎の色が少し気持悪いが=Tussilago Farfara:日本名「キク科フキタンポポ」】

 雨がぽつぽつと当たり始め車にもどりますが、妻の状態は相変わらずよくないようで、早々に峠を引き上げます。東への下りは16%というかなり急勾配のジグザグ道、車酔いにはつらいでしょう。

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【147.jpg:峠の東は急激な下り。少し雨がぽつぽつ始まる】 【d46.jpg:Malga-Ciapela付近。リフトがある。雨がかなり降り出す】

峠一周の高度と不快グラフ 【ドロミテ中心域一周の標高と不快感グラフ。高くなると(赤)頭痛。低くなる(緑)と圧迫感】

【青の線を反時計回りに一周ドライブ】
 まだ午後2時を少し過ぎたところですが、いつに無く疲れきってきました。旅に出て5日目、時差もあり疲れが出てきたのでしょう。

妻もこんな状況なので、本来ならこの付近で宿を見つけたいところです。ところが今朝、途中のLa-Villaラ・ヴィッラで宿を予約してきてしまったのです。一周して戻ってくるからと、途中で宿を予約することも今までに無いこと、すでに朝からこの不調を予感していたのかも知れません。
 
宿までまだ半周、峠も2つ越えなければならないのです。

 そういえば車が動きだしてから、妻の調子が少し良くなってきているようにも見えます。標高が低くなると回復する(?)。 峠に近づき標高が高くなると頭痛と寒気、これは高山病かも知れません。

 一方私は、高度が上がり峠に着くと快調になり、峠から下るに従い耳付近の感覚が悪くなってきます。峠を下ると耳鳴りやくらくら感を感じるのは、2年前のフランス・アルプスの時にもありました。耳のどこかがおかしい(?)のかも知れません。

 1000m近い高度を短時間で何度も移動することで不調になる、それも2人が逆のパターンで。まだ1週間、これから3週間もの長い旅をどうするのか、さらにこれからの峠制覇(?)に、ものすごい問題点が見えてきました。

<ドライブ・列車・航空機などでの、気圧の変化と不快・病気>
●高山病(低酸素症)
 ☆http://www.lirung.com/infofile2/file010hight/【低酸素症(高山病)のしくみ、症状、対処法など:2,400m以上でなることが多いが、それ以下でも急性高山病になることがある・・など】
 ☆http://www.jata-net.or.jp/anshin/igaku5.htm【高山病:登山との関連:2000m以上で。登山電車でも】
 ☆http://www.mediac.com/travel/012.html【急性高山病:標高3545mユングフラウへの片道2時間の登山電車でも。ほとんどの人がめまいなどの症状を。空気中の酸素が麓の3分の2。男性より女性の方が弱いようだ。急激に血糖値が低下、角砂糖が・・】
 ☆http://www.big.or.jp/~arimochi/alpine.qa.etc59.html【高山病に関するサプリメント・・などの話】

●航空性中耳炎
 ☆http://www.forth.go.jp/tourist/useful/07_tyuzien.html【航空機で、列車でトンネル、車で山に・・原因(急な気圧変化、鼓膜両側の圧力差)、症状(耳が詰まる感じ、痛み)、治療(つばなどで耳管を開ける、バルサルバ法)、予防(風邪予防・・)、航空性歯痛、腹痛(腸内ガスの膨満・圧迫痛)・・・など、図説もある】
 ☆http://www.jal.co.jp/jiten/dict/p145.html【航空機の客室与圧調整の話:人間は急激な高度変化(気圧変化)に対応できない。現在の大型ジェット旅客機では,飛行高度が7,500mくらいまでなら機内を地上と同じ気圧に,高度12,000mでは高度2,000m内外の気圧状態を保つようになっている。】

●その他
 ☆http://www.the-naguri.com/higashi/higashi05.html【気圧と酒:気象病・・低気圧の通過による健康への影響】
 ☆http://www.qantas.com.au/international/jp/travel_info/health_care.html【乗り物酔い(視覚と体の平衡感覚のバランスが乱れる)、時差の不調、血液循環と筋弛緩(長時間同じ姿勢・・エコノミー症候) ・・】
 ☆雪目・雪眼炎【紫外線に目がさらされて10時間ぐらいして発病】

[ドライブ注意事項など]も参考に。
<周辺の関連サイト>
http://www.summitpost.org/【Marmolada Groupマルモラーダ群の解説】


<海外運転の注意事項>

 ドライブ関係(国際免許・借/返の場所・レンタカー予約等)
 ドライブ・ルートの検討・旧東欧などへの乗り入れ
 ドライブ関係(ロードマップ:道路+山+街地図+ガイドブック
 ドライブ関係(事前準備・給油 等)
 レンタカーを借りる当日/返却時
 海外ドライブの違い
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 ドライブ関係(ロータリと道路標識)
 フランス・恐怖の右優先ルール
 ドライブ関係(峠ドライブ・シュミレーション)
 ドライブでの気圧の変化と不快・病気
ドライブ・道路標識・自動車保険など+Link集

<宿にたどり着こうと、さらに下ってRocca-Pietoreロッカ・ピエトーレ(1143m)、そこから旧道を通ってファルツァレーゴ峠(2105m)へ。ますます・・・>
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