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Cresta
【g951:Avers-Crestaクレスタ(1960m)の古い家】

Aversアーヴェラス谷の村々・・Crestaクレスタなど

この谷のヴァルザーは南から移住してきた・・

スイス:グラウビュンデン州(GR)】[北村 峠一].(Kitamura)      


●ヴァルザー人の谷・・


 Walser(ヴァルザー人・ワルザー人)は、スイスのヌフェネン峠、フルカ峠、グリムセル峠の3つの峠で囲まれた上部ヴァリス、ローヌ川の深いゴムス渓谷に6世紀頃に住み着きました。彼らは財産を一人の後継者に継ぎ、他の子供は新天地を求め未開のアルプス各地の谷に分散移住していったといいます。

 このAveresアーフェラスの谷にも、13世紀の末に大量に移住して来たようです。推測ではスイス・ヴァリスの地から、モンテローザのアルプスを越え、アオスタ・グレッソネ渓谷の地に移住したグループが、図で推測されているように南からAversに入ったようです。

 古代ローマの時代からこのAversは南北を結ぶ街道で、荷役の人たちがかなり住んでいたはずです。宿泊する場所も必要ですし、ロバや馬を交替させる駅の機能も必要でした。当然農耕し食糧生産も行っていましたから、かなりの人口がこの谷にいたはずです。
Vall-Lei-map
【Aversアーヴェラス谷の村々を下流から上流に】

 ところが新たに移住して来た多量のヴァルザー人は、耕地面積も広げ、荷役などの権利も広げ、今まで居住していた種族を追いやるほどの勢力となったようです。

 さらに彼らは北に拡大移住し、ダボス付近にまで広がって行きました。これらの移住は14世紀半ばには終わったといわれています。

ヴァルサー人の移住ルート
ヴァルサー人の移住ルート

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●Aversアーヴェラス谷の村々を下流から上流に・・


 今回のAversアーヴェラス谷の滞在は4日間。ユーフ村に泊まり、そこから分岐している主要な谷に順次入り、車両の入れないところから少しだけ奥にハイキングしたのです。ですから幹になるAverserrheinアーヴェラス・ライン川の村々は、何度も通過したわけです。以下に順次下流から上流に向かってその村の写真を載せて見ます。

 そしてその村から南に別れた支流を遡ると、いずれもアルプスの大分水嶺の峠を経てポー川流域に入り、Soglioソーリオ村マロヤ峠の南のブレガリアの谷に通じています。このルートを使ってヴァルサー人は新開地アーヴェラスの谷に移住して来たのでしょう。

 Avers谷の案内サイトによると、2010.1.1現在の住人数は177人だそうです。

●Avers-Campsutカンプスート(1679m)・・Val di Leiレイ谷入口・・


 InnerferreraインナーフェッレーラまでのVal-Ferreraフェッレーラ渓谷から、イタリア国境ギリギリを走るトンネルを越え、Val-d'Aversアーフェラス/アヴェルス渓谷に入ってすぐ、右にダム湖Valle di Leiレイ渓谷に行く分岐があります。その先にAvers-Campsutカンプスートの集落が・・

Avers-Campsut Avers-Campsut
【v980:Avers-Campsutの西からLei谷(ダム湖)への登り口】 【v857.jpg:Aversの谷は工事中だらけだった。Campsutの村の前で道路工事の足止めに】 Avers-Campsut
【v860:Avers-Campsutの西から。Vewkauf direkt ab Hof、Kaseチーズ直販所の表示もある。谷の先にJupperhorn(3155m)、Mazzaspitz(3164m)の雪山が見え出す】

 Avers-Campsutの東からの眺め。左上にLei湖にいく道がある。

Avers-Campsut
【g988:Avers-Campsutの東からの眺め。左上にLei湖がある】

●Avers-Crotクレート(1715m)・・Val Madrisマドリス谷入口・・


 このAvers-Crotクレートの分岐を右に行くと、Val Madrisマドリス谷に向かう。左に急激なカーブを上がって行く途中、「VALSARヴァルザー」という宿の看板がある。Crotの集落のすぐ東からは、Madrisの谷とLei谷の間の国境の2600-3000mクラスの雪山が見事にみえる。

Avers-Crot
【v868:Avers-Crotの分岐。右に行くとMadrisの谷】

Avers-Crot
【v882:Avers-Crotの東からは、Madrisの谷とLei谷の間の国境の2600-3000mクラスの雪山がみえる】

●Avers-Crestaクレスタ(1960m)・・谷の中心地・・


 初日、ユーフの直前のJuppaユッパで長時間の道路工事閉鎖のため、このクレスタまで戻ってきて、時間をつぶしました。次の日、昼食のパンなどを調達に。そして渓谷巡りの後にも再度立寄って・・

Avers-Cresta
【v886:急な傾斜を曲がるとAvers谷の中心地、Crestaがみえてくる。右がHotel-RestourantのCapetta】

Cresta
【g964:村の入口には木造の古い小屋がいくつか:ヴァルザーをイメージできる建物】

 町の中心、バス停もある広場に面して、歴史的な木造家屋と、由緒ありそうな古い邸宅があります。その正門上部には1739年建造のプレート(紋章)もあって絵になります。
「Cresta」は、スペイン語の「西洋の紋章の頂に輝く飾り」の意味もあるとか。【●旅の絵本

Cresta
【g955:バス停のところには歴史的な木造家屋と、由緒ありそうな古い邸宅】

古い邸宅の紋章の意味は?

・書かれている文章は、
THEODOSSIO FVM PER VOLONTA DI DIO FECCE FARE A
推測ですが・・
 古代ローマ帝国の皇帝「テオドシウス1世:Flavius Theodosius(347-395年):(在位379-395年)=テオドシウス大帝」に捧げて1739年に作られた邸宅という意味ではないでしょうか?

 彼は東西の分裂ローマ帝国を一時的だが統一し、カソリック教を国教に定め、他の宗派を排撃したことから教徒に賞賛されてきました。

 このAversの地はヴァルザー人が多く住み、かなり敬謙なカソリック教徒であることなどからの推測です。
Cresta
【g963:古い邸宅の入口には紋章がある】

Cresta Cresta
【g934:古い邸宅の東の面のアップと・・】 【g948:遠景。この付近の屋根は石葺きが多い】


Cresta
【g939:村の360度:北側を見上げる】

Cresta
【g941:村の360度:南側を見る】

  佐貫亦男『チロル日記』に出てくる、美人「Jufer-Anneliユーファ・アンネリ」の娘オルガの墓碑を探しに・・
 屋根が特徴的な形で、あちこちのパンフレットにも登場する独特の村のエーデルワイス教会の墓地に2度も足を運びましたが・・見つかりませんでした。

Cresta Cresta
【g926/g129:あちこちのパンフにも出てくる村のエーデルワイス教会】

Cresta Cresta
【g930/g130:ユーフ出身のかつての美人「Jufer-Anneliユーファ・アンネリ」の娘オルガの墓碑を探すが・・】

Cresta Cresta
【g929:東のユーフ方面を見る】 【g922:村の花たち】【●アルプスの花たち

●Avers-Purtピュルト(1921m)・・


 クレストのすぐ東Avers-Purtにも、ガストハスらしき家がありました。

Avers-Purt
【v895:Avers-Purtにもガストハウスらしき家がある】

●Avers-Am Bachアム・バッハ(1988m)・・


 このAm Bachアム・バッハですれ違った車はなにだろうと思っていたのですが・・アスファルトを敷く車だったのです。この車が熱いアスファルトを敷いた直後・・3時間も完全に全面通行止めになったのです。

Avers-Am Bach
【v903:Avers-Am Bach】

Avers-Am Bach
【v912:Avers-Am Bach】

●Avers-Juppaユッパ(2004m)・・Bergalgaベルガルガ渓谷入口・・


 最初30分後に通過できると言われ、下の駐車場で時間つぶし。ところがその時間になって戻ると、アスファルトが冷えないからあと1時間半・・クレストまで戻って時間つぶしした思い出の地・・ Bergalgaベルガルガ渓谷へのハイキングでは、ここに駐車して歩き出します。

Avers-Juppa
【v915:Avers-Juppaの村に入る】

Avers-Juppa
【v937:Avers-Juppaすぐ下の広場で30分間時間つぶし・・西方向。右正面はMazzaspitz(3164m)山だろう】

Avers-Juppa
【v928:Avers-Juppa:東とBergalga渓谷方面。右の山はTscheischhorn(3019m)、真ん中の山はJuferhorn(2967m)の前山、Wengahorn(2849m)だろう】

Avers-Juppa
【v964:Avers-Juppa:翌日ユーフ方面から見下ろした風景】

●Avers-Podestatsch Husポデスタツフス(2046m)・・


 ユッパのすぐ東にある集落だが、Podestatschは統治者/市長などの意味から、国/地域の議長の家などがあったのだろうか?

Avers-Juppa
【v959:Avers-Juppa】

●Avers-Jufユーフ(2126m)・・


 ユーフ村の紀行に。

Avers-Juf
【g971:Avers-Juf:2126m】

<関連するサイト>

http://www.avers.ch/【Aversガイド】
http://www.gemeindeavers.ch/【Aversガイド:Avers谷の2010年の住人数は177人】
www.hikr.org/tour/post9440.html【Tscheischhorn(3019m)の登山案内】
http://www.picswiss.ch/【Podestatsch Husの家などAversの風景】
Booking.com

<関連書籍・地図>

ヨーロッパアルプスのハイキング地図、ガイド洋書  山渓など:日本語編

<ヨーロッパ・旅・・・>



●スイスのワイン検索

<Bergalgaベルガルガ渓谷へのハイキング・・>

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