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Via Mala
【g916.jpg:Viamala-Schluchtヴィア・マラ峡谷はヒンターライン川の難所:観光客がバスで立寄る】

Via Malaヴィア・マラ峡谷〜Val-Ferreraフェッレーラ渓谷

「上の道」から「下の道」へ・・発電のためのトンネル水路・・

スイス:グラウビュンデン州】[北村 峠一].(Kitamura)      


●Oberhalbstein/Surses渓谷:Lai da Marmoreraマルモレーラ湖(1680m)・・


 宿のおばさんが「歩いて行くのか」と冗談を行ったJufユーフへは、このBivioボヴィオから直線で約5km、3時間で行けるのです。ところが車ではぐるっと大回りをして約90km、峠道を3時間近くと、ほぼ同じだけかかるのです。まずは3日前に来た道をThusisトゥージスまで戻ります。

Marmorera
【v757.jpg:材木を運ぶトラックが行きかう Marmorera】


【Bivioビヴィオ〜Thusisトゥージス〜Jufユーフのルート・・クリックでGoogle地図】
 Oberhalbstein/Surses渓谷も3日前とは逆に走ると眺めも違い、Marmoreraのダム湖も大きく眺められます。

Marmorera
【v759.jpg:Marmorera湖】
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●Thusisトゥージス・・


Thusis
【v767.jpg:Thusisの町】

 ちょっとこの町のCoopに寄り、今日行くユーフにもしスーパーなどなかったらとバナナ(4本)、チェリー(400g)、水(3本)を非常食などのために購入。絵葉書(12枚)も。町を出てHinterrhein(後ライン)川の作る切り立った渓谷の一般道に入って行きます。次々とトンネルが続き・・

Thusis Hinterrhein
【v775.jpg:Thusisの町の南のロータリー】 【v776.jpg:Hinterrhein川に沿った道は切り立った渓谷を行く】

Hinterrhein
【v780.jpg:Hinterrhein川に沿った道:トンネルだらけ】

ゼプティマー峠周辺の地図
【ゼプティマー峠/ユリア峠+マロヤ峠を通るのが<上の道>、シュプリューゲン峠通過が<下の道>:周辺の地図】
Via Malaヴィア・マラ地図
【Via Mala部分の地図:クリックで拡大】
Via Mala
【g912.jpg:Via Malaヴィア・マラは深い谷】
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●Via Malaヴィア・マラ峡谷・・


 たくさんの観光バスや乗用車が止まっています。Via Malaヴィア・マラの峡谷です。ここは古代ローマからの街道で、このHinterrheinヒンターライン川の深く刻まれた場所、ヴィア・マラはレトロマン語で≪schlechter Weg悪い道≫を意味しているとおり、悪名高い難所でした。

 数世紀に渡って「Untere-Strasse下の道(シュプリューゲン峠を越える道)伝いの交通が発達出来なかった主な原因がここだったのです。先ほど下ってきたのが「上の道Obere Strasse」で、ゼプティマー峠へ旅人たちは向かったのです。

 しかし1473年、ヴィア・マラ峡谷の険しい峡谷に石造りの橋が建設されます。これにより「下の道低=Splugenpass峠経由」の通行量が増え、「上の道=Septimer峠経由」の重要性は落ちていきました。

 ゲーテが1788年6月にここを通過し、そのとき描いたVia Malaのスケッチは、ちょうどこの場所からの景色。すでにアーチの石橋が建造されていたのがわかります。

Via Mala
【ゲーテが1788年6月に描いたVia Malaのスケッチ:by Wiki

 1818-1821年にスイスの技師Richard La Niccaが、今ある国道に近い道を建造したとのことです。

 さらに1967年には高速自動車道路が出来ました。高速道路はトンネルを通過してしまうので、こんな風光明媚な名所も、前回2001年に走ったときには気づきませんでした。  ○http://de.wikipedia.org/【wiki/Via_Mala】

Via Mala Via Mala Via Mala
【g917.jpg:Via Malaヴィア・マラは深く峡い谷】 【g919.jpg:Via Malaヴィア・マラ峡谷にかかる橋】 【g920.jpg:Via Malaヴィア・マラ:Hinterrhein後ライン川川】


ヨーロッパアルプスのハイキング地図
【ヨーロッパ・アルプスのハイキング地図】
  【国別地図】  【日本語ガイド本】
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●Andeerアンデーア・・Roflaロッフラ湖(1080m)・・


 国道を走ると、高速道路に誘導する標識だらけです。でももうまもなく分岐するはずなので・・注意しながら走っていると・・Andeerアンデーアの先で素晴らしい色の湖がありました。

Andeer Andeer
【g921.jpg:Andeer】 【v795.jpg:Andeer湖】
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●Val-Ferreraフェッレーラ渓谷・・Ausserferreraアウサーフェッレーラ・・


 そしてやっと分岐、かなりわかりづらい、何でも無い交差点と橋を越えて、Val-Ferreraフェッレーラ渓谷に入ってきます。

Val-Ferreraフェッレーラ渓谷 Val-Ferreraフェッレーラ渓谷
【v799.jpg:Val-Ferreraフェッレーラ渓谷】 【v805.jpg:Val-Ferreraフェッレーラ渓谷】

 そしてちょっと変わった雪山に見とれているうちに、Ausserferreraアウサーフェッレーラの村に入り・・村人を一人も見ないまま、あっという間に村を出てしまいます。この村の風景は、上流(南)からのほうがいいですね。

Ausserferrera
【v809.jpg:Ausserferrera村

Ausserferrera Ausserferrera
【g315.jpg:帰るときに撮影したAusserferrera村全景】 【g316.jpg:Ausserferreraの教会】

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●Punt-Martegn、水力発電のための水路トンネル・ルート・・


 見晴らしの効かない、川にそって林が続く渓谷を走っていると、Punt-Martegnのバス停。そして対岸にむかう橋がありますが、どうやら発電設備のためらしくその先は行止まりです。

Punt-Martegn
【v818.jpg:Punt-Martegnのバス停と、対岸への橋】

Punt-Martegn
【v826.jpg:Punt-Martegn:来た方向は林の間の川沿いの谷】

Punt-Martegn Punt-Martegn
【v817.jpg:Punt-Martegnのバス停】 【v832.jpg:Punt-Martegnの発電設備は山の中、トンネル入口】

【左:Leiダム〜Punt-Martegn〜Sufers〜Rofla〜Thusisの水ルート。右:Marmoreraダム〜Tinizong〜Burvagn湖〜Tiefencastel〜Thusisの水ルート】
 地図から、水力発電のための水路トンネルのルートを図に描いて見ました。
 イタリア内にあるLago di Leiレイ湖(1931m)の水は、スイス領にあるダムで堰き止められ、まずこのPunt-Martegn(1413m)にトンネルで送られ、山中にある発電設備で約500mの落差で発電されるのでしょう。

 さらにその水は山を貫いたトンネル水路でSufersスファーズ湖(1401m)に送られ、Roflaロッフラ湖(1080m)へ落差320mで発電、さらにThusisトゥージスの東のCampi(671m)まで山中をトンネルで誘導され発電(落差400m)されるのだろうと、地図から想定しました。

 さらに調べていくと、朝出発してまもなく見たLai da Marmoreraマルモレーラ湖(1680m)の水も、トンネル水路Tinizong(1232m):落差450mで発電され、川を経てBurvagn湖(1117m)に蓄えられ、落差300mほどでTiefencastel(829m)に。さらにすぐ下流で取水(824m)され、Thusisの東のCampi(671m)へ落差150mで発電のため送られていると想定しました。

 こんな風に今日走ったルートは、水力発電のための山の中の水路トンネルに沿ったルートだったことがわかります。水資源を有効に使った設備と運用は、温暖化対策としても素晴らしいものと感心します。
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●Innerferreraインナーフェッレーラ・・イタリア国境隣接の渓谷・・


 Innerferreraインナーフェッレーラもまた、数軒しか民家が無さそうな村。1軒ガストホフらしい表札は見かけましたが、村に人の動きが見られず、きっと泊まっても僕たちだけでしょう。そしてやはり南からの風景の方がいいですね。

Innerferrera
【v839.jpg:Innerferrera】

Innerferrera Starlera付近
【g316.jpg:帰るときに撮影したInnerferreraの村全景】 【g313.jpg:帰るときに撮影したStarlera付近】

 さらにフェッレーラ渓谷を遡り、地図でイタリアにギリギリ近づいたStarlera付近あたり・・その渓谷の道の前方で、谷が合流しているのですが・・両側から巨大な岩が迫ってくるような谷間に・・そしてイタリア国境の脇は長いトンネルで通過するのです。

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●Val-d'Aversアーフェラス/アヴェルス渓谷・・


 放牧も難しそうな大岩だらけの地形を過ぎてしばらく、あたりが開けて、アルムが広がりはじめます。そして道路工事をあちこちでやっているVal-d'Aversアーフェラス渓谷に入ってきました。

Avers-Campsut Avers-Campsut
【v850.jpg:Avers-Campsut:ここにも宿らしい建物が・・でも人は見ません】 【v857.jpg:Avers-Campsutの村の前で道路工事の足止め】

<関連するサイト>

http://de.wikipedia.org/【wiki/Oberhalbstein】
http://de.wikipedia.org/【Lai da Marmoreraマルモラーレ湖ガイド】
http://www.thusis.ch/【ThusisガイドとViamalaガイド】
http://de.wikipedia.org/【wiki/Via_Mala】
http://www.picture-newsletter.com/【ViaMalaの写真と解説】
http://www.andeer.ch/【Andeer】
http://ipicture.mobi/【Val-Ferreraの写真】
http://en.wikipedia.org/【wiki/Innerferrera】

<関連書籍・地図>

ヨーロッパアルプスのハイキング地図、ガイド洋書  山渓など:日本語編

<ヨーロッパ・旅・・・>



●スイスのワイン検索


<Jufユーフの宿はやっているでしょうか・・ちょっと心配になってきました・・>

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