Nassfeld-Pass/Passo di Pramollo ナスフェルト/プラモッロ峠(1530m)
イタリア側の峠道は、もろそうな岩肌にトンネルを掘った、大変険しい道。【
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峠の上には大きな用水池が作られ、オーストリア側は豊かな緑が広がっています。
[北村 峠一].(eu-alps)
【ナスフェルト/プラモッロ峠:
イタリア側は険しくカーブだらけ
。冬季も閉鎖】
カソン・ディ・ランツァ峠は悪路で断念し、ポンテッバの町まで引き返しますが、あの「アスファルトの舗装道路」と説明してくれたカフェの娘に、わざわざクレーム(?)のためには立ち寄らず、北のオーストリア国境のナスフェルト峠に直行します。
山道に入るとすぐに、勾配もかなり急な登りに入ります。橋の付近には、高速道度から登ってきたと思われる若者が、バイクを停め休憩しています。この峠の連続するカーブ・勾配・風景などはバイク乗りたちにとっても興味ある道なのでしょう。
【1e9.jpg:谷にかかる橋が高速道路から来た道との合流点。バイク乗りたちもこの峠に向かってくる】
ポンテッバの町の歴史によると、1342年には市が開かれ、教会も1504年には作られたとあります。が、これはCanaleカナーレ渓谷、Fellaフェッラ川に沿った道の話。Travisoトラヴィーゾ経由の道がオーストリア・フィラッハにつながり、
古代ローマ時代からの街道
として栄えたからなのです。
一方このナスフェルト峠のルートは、岩だらけの急な傾斜面。岩にトンネルを掘り、橋を築いて作った、本当に険しい峠道。トンネル掘削の近代技術がなかった頃のこの道は、急な斜面に足場を切ってあるだけの実に危険な道。車も通過できるほどの峠道は、20世紀になってからだろうと思われます。(1485-87年のパオロ・サントニーノ
『中世東アルプス旅日記』
筑摩書房・古書
にもこの峠のことは出てきません。
1600年代に書かれた絵
には、一部峠と思われる川のルートが記載されています)
そして現在でも11月〜4月の間、この峠のイタリア側は閉鎖されます。オーストリア側はスキー場があり通年通過可能なのに、イタリア側がこの状態なのは、道路整備にかける予算の関係もあるでしょうが、一般的に
アルプスの峠の勾配は、海に近いイタリア側のほうが急で、かつ岩肌ももろいところが多い
ことも影響しているのでしょう。
【220.jpg:この峠道は、岩山にトンネルと橋を築いて作った、本当に険しい道。トンネル掘削技術がなかった時代、このルートは危険なルートだっただろう】
【209.jpg:岩肌を切り刻んだ道。落石を考えるとこんな風にトンネルにせざるを得ない】
【227.jpg:南のイタリア側の谷を見る。深い谷だ】
くねくね曲がる峠道から時々見えるイタリア側の谷は、肥沃とはいえない山肌と、急で狭い渓谷。あまり整備が行き届かない幅の狭い道が続きます。峠の標識「PASSO-PRAMOLLOプラモッロ峠 1530m」が現われ、山岳ホテルが現われると国境です。【
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【238.jpg:1530mの峠に到着】
【287.jpg:日本で調べていた宿、Al Gallo Forcelloはここ(左)だった。峠の湖に面したところだがちょっと道路に面しすぎ?】
峠の上には灌漑用の大きな池があります、雪解けの水を何年もかけて貯めたのでしょう。
さて、今晩の宿はどうしようかと考えます。旅の前にWebで調べた宿「Al Gallo Forcello」はこの左の建物でした。明日の天気も良さそうだし、国境の山の眺めもなかなかなので、明日この付近の山を少しハイキングしてみようと思います。今4時前、この宿は湖・岩山の風景はいいのですが、やはり見下ろしが出来る、緑の多く見えるところは・・・?と少し付近を探します。
【272.jpg:峠には大きな湖がある。灌漑用だろう。向かいの岩山、こんなドロマイトの岩肌がフリウリの山だ】
【247.jpg:天気もいいし、せっかくなので眺めの良さそうな・・・あの先の集落?に行ってみよう。宿があれば・・・】
オーストリア側はいくつものスキーゲレンデが広がり、明るい緑が一杯です。雪が遅くまで残る北斜面、生活するには厳しい自然も、レジャーを考えた産業にとっては宝なのです。
ちょっと先、礼拝堂の横の細い道が、向うに見える傾斜地の建物群に続いています。
<この峠周辺のWeb-Site>
・
Skiarena Nassfeld
【大規模なスキーリゾート案内】
・
Al Gallo Forcello
【峠にある★★★HOTEL】
・
Alpenhof Plattner
【峠から東に1kmほどの★★★HOTEL】
<あそこのアルムに宿を決めます。夕日、光る岩山、真っ赤に燃えるケルンテンの山並み・・・>
●ご意見・お問い合わせ・情報・何でも・・・「峠の茶屋・掲示板」(eu-alps)でお待ちしています。
旅のGET