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Nassfeld-Watschigeralm

Nassfeld-Watschigeralm ナスフェルト峠のヴァッチゲール・アルム
 いやー絶対お勧めです、この宿から眺め、部屋、食事。【●峠のDBへ

 峠からオーストリア側に入ってすぐ東の林道を分け入って。山の麓、豊かな緑、白い山、鏡の池、山小屋、そして真っ赤な夕焼けが。
[北村 峠一].(eu-alps)      

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【ナスフェルト/プラ
モッロ峠】

 ナスフェルトの峠のすぐ北、礼拝堂の横に「HOTEL」のちいさなカンバンが見つかります。対向車が来たらすれ違えるかな、と思えるような細い林道。時々登山客も下りてくるので慎重に登っていきます。正面にあの真っ白く光る岩山をめざし、左右に濃い緑の林と薄い緑の牧場・アルム・・・こんな風景がオーストリアの代表的な眺めなのです。
 山の上にしては立派なレストランがあり「GASTHOF:ガストフ」と読めたので「泊まれるのか」とそこのボーイに聞きます。「棟続きの建物、1階がHOTELの受け付け」とのことです。

 こんな山の宿は・・・と思っていたら、これがまた素晴らしく近代的なHOTELでした。各部屋はJRのスイカのような非接触型のカードを、入口キーにかざすだけ。室内もスィートルームといわれても十分なほど。木目と漆喰の室内は落ち着き、サニタリー(バスルーム・トイレ)も広くゆったり、ベランダからの眺めも。114Eur(≒1.6万\/2人/夕朝食付)はちょっと高いなーとは思ったのですが、ここはお勧めと言えるでしょう。
 まだ4時過ぎ、夕食は6時半からなので、少しあたりを散策してみましょう。

Nassfeld-Watschigeralm
【298.jpg:正面(東)の真っ白に光る山はGartnerkofelガルトナーコーフェル山(2195m)。その手前に山小屋に行って見ます】

Nassfeld-Watschigeralm
【2a6.jpg:左(南西)がNassfeld峠方面とKarnische-Alpenカルニッシュ・アルペン。スキーゲレンデがイタリア国境の山全体に広がる。右(北)の谷はGailゲール川の渓谷。そのむこうに広がる】

Nassfeld-Watschigeralm 【301.jpg:山小屋は燃料の薪ですっかり囲まれている】
 宿から数分の場所がこの景色です。オーストリア側のGailtalゲール渓谷が見下ろせ、その先はLienzリエンツの町や、グロスグロックナーの方向のはずです。 谷の右にはGartnerkofelガルトナーコーフェル山(2195m)が午後の日に反射し、イタリア国境Karnische-Alpenカルニッシュ・アルプスの北斜面は、ちょっと逆光ですがスキーコースが全体に広がっています。ここに宿を取ってよかった・・・皆さんもこんな気持にすぐなるでしょう。

 山小屋の壁には、これから夏に向かうのに、たくさんの薪が積み上げられています。暖房の要らない時期は短く、ほぼ年中ストーブにこの大きな木が赤く燃えているのでしょう。山小屋の西壁面一杯に「Watschiger Einkehralm(ヴァッチゲール牧場小屋)」さらにプレートには「Watschigeralm. Schutzgebiet der Alpenblume Wulienia 1638m」とあります。自然保護地区で、高山植物の採取禁止、標高は、さっきのナスフェルト峠から約100m高いのです。

Nassfeld-Watschigeralm
【376.jpg:山の湖に写るスキーゲレンデの山と
スキーリフト】


Nassfeld-Watschigeralm
【308.jpg:Watschigeralm Schutzgebiet der Alpenblume Wulienia 1638m。峠から約100m高い】

 山小屋の庭では、山から降りてきた人がお茶をしています。さらに先に行くと灌漑用に作られた池。ナスフェルトの峠にもありましたが、こういう高い場所に水を蓄えることで牛たちと、乾燥時の牧草の育成などに供えているのでしょう。

Nassfeld-Watschigeralm
【313.jpg:山の灌漑池に写るカルニッシュ・アルペンと山小屋】

 風がまったくない湖面は、周囲の山を写して絵のようです。水の中の黒っぽい点をよく見ると、おたまじゃくしです。黄色や紫の花たち、水の中の卵から孵ったばかりの生き物たち、水に映る谷を隔てた緑の山と、スキーゲレンデ・リフト・・・絵になるなー・・・

 と、ビデオを回していると、初老のご夫婦がちょうど山から下りてきます。挨拶で会話が始まります。日本語で「おたまじゃくし」と言うと、ドイツ語では「フロッシュ・キンダー(Frosch Kinder)カエルの赤ん坊」と教えてくれました。ドイツ語に「おたまじゃくし」という単語はないのでしょうか。

 どこまで登ってきたのかとの質問に、「あの白い岩山の左にある小高い頂上まで。片道1時間半だ。眺めは最高。オーストリア側やイタリア国境、スロベニア国境のアルプスも見渡せた、素晴らしいよ」と。明日早くに、あそこに登ってみましょう。この天気なら大丈夫でしょう。

Nassfeld-Watschigeralm
【331.jpg:山から下りてきた老夫婦に所要時間を聞く。池のオタマジャクシのドイツ語は?・・・蛙は Frosch. フロッシュ、フロックス、フロキシー・・・】

 ここが僕たちの宿「Alpenhof Plattnerアルペンホフ・プラットナー」三ツ星のHOTELです。泊まった部屋は左上の角で、ベランダからの南と西の展望が楽しめます。ただし山の中ですから、夕方以降、外は真っ暗。「夜の町に繰り出したいあなた」のお気に召すか?は不明です。

Nassfeld-Watschigeralm
【380.jpg:このAlpenhof Plattnerの★★★HOTELに宿を決める。僕らの部屋は左上の角】

Nassfeld-Watschigeralm
【391.jpg:左(南西)ナスフェルト峠からずっと右に山全体にスキーゲレンデが広がる。ちょうど右上の角が部屋のベランダ】


 夕食の時間6時半、20人以上のお客さんが次々とこのレストランに集合です。 サラダ、果物、パンなどは、右にあるカウンターで。飲み物は・・・白と赤のワインをまず頼んで・・・メニューを見ながら、さてどれにしようかと考えます。

 ドイツ語・イタリア語だけしかないメニュー。頼りになるのは、メモとして持ってきた料理名の数カ国対比表。ハーフボード(セットの料理)はスープ、メイン、デザートです。メインメニューは3-4種類、僕たちはなんとか、シュニッツェル(カツレツ)と串料理らしい単語をそこに見つけました。

Nassfeld-Watschigeralm
【3b7.jpg:ホテルのレストランも周りの山々が見える】

 すでに暗くなり、室内は窓からの遠景を楽しむためか、ランプのゆれる明かり中心で、ほとんど照明を灯けません。ビデオに写った料理の色はあまりはっきりしませんが、味は納得です。ワインもいつの間にかお代わりとなり、夕餉が進んでいきます。

 宿のマスターや奥さん、料理人たちもこのレストランの一角で一緒に夕食です。泊り客たちも、この宿主催のトレッキング客や、毎年来る顔なじみなのでしょうか、挨拶に行ったり、明日の山歩きの相談をしたりしています。8時過ぎ、お腹が膨れた僕たちは、そのチロル民族衣装の奥さんと、Alpenhof PlattnerのWeb-Siteに登場するご主人、プラットナーさんに挨拶して部屋に戻ります。(Almferien-Hohepunkteをクリックで登場)

Nassfeld-Watschigeralm
【3a5.jpg:ハーフボードの料理。スープ、シュニッツェル、串。いつも食べ始めてから撮影を思い出すので・・・】

 この夕焼けです。冷えてきたせいで発生した雲の間から、「天使のはしご」(雲と雲の間から延びる光の筋)が降りてきました。しばらくすると西の遠い山に日が入り始め、あの雲に・・・濃い、薄い、赤く焼けた、暗い灰色、遠く濃い青の、白い筋の・・・本当にいろいろな色の雲が、ベランダから見る西の空一杯に広がります。
 東の岩山ガルトナーコーフェルはどうなっているのか、と・・・廊下に出てガラス越しに見ると・・・紫と灰色の大きな縞が見事です。

Nassfeld-Watschigeralm nasfeld-pas
【453.jpg:西の夕焼けは素晴しい迫力】 【433.jpg:東のGartnerkofelガルトナーコーフェル(2195m)の山が夕日で縞ができてきた】

 遠く西の山、イタリア国境からグロスグロックナーのタウエルンのアルプスまで、赤く焼けた空と、黒い山の輪郭のコントラストが輝きます。少し寒くなってきたベランダ、ジャンバーを羽織ってデッキチェアーから身を乗り出して、いつまで眺めても飽きません。

 いやー・・・絶対お勧めです、この宿。

Nassfeld-Watschigeralm
【417.jpg:左はイタリア国境(Karnischeカルニッシュ・アルプス)、低いところはゲール渓谷、右にGailtalerゲイルターラー・アルプス】

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【444.jpg:左はLienzリエンツ方面なので、低いところに見える遠い山はGrosglocknerグロスグロックナー方面と思われる。右遠くはTauernタウエルン・アルプスだろう】


<明日は晴れるでしょう。あの山の鼻まで1時間半・・・・>
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