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【ヨーロッパ・アルプスのハイキング地図】 【国別地図】 【日本語ガイド本】 |
●「ハンニバルと象」がこの地(推定)を進軍した当時の状況など。●前のポイント「Glandage」← 【●ハンニバルの有力推定ルート】 →●次のポイント「Serres」
<ここまでの経緯> 約4カ月前スペインを出たカルタゴの軍は、ローヌ川〜ドローム川を経由し、この峠の直前「ガ渓谷」で奇襲に会い、歩兵2千300人、騎兵400、象8頭を失った。 <この地のハンニバル> ・ハンニバル軍は、あの狭い「ガ渓谷」で襲撃され多数の死者を出します。まだ耳に残る悲鳴や、泣き声で不安であった戦士たちも、この峠の平坦な道の見晴らしが利きだすにつれ、平静になったでしょう。 ・体制を立直し、襲撃した山岳族アプロゲスを殺し、生き残ったものも敗走させて追い立てます。 ・この地点を通過できた行軍の規模は、グランダージュ村の数とほぼ同じ、歩兵3.5万人、騎兵7.6千騎、象26頭。 ・Glandageグランダージュ村を東に7-8kmの道程(標高差約700m)のところにグリモーネ峠はあります。さらに東のLunel川、国道N75まで約5km、高度差300mほど、それほど険しい峠ではないのです。 ・峠の東、平野に向かっての眺めのよい下りの峠道。はるか遠方にはアルプスの山並みも見え、あの先がイタリアなのかと思ったことでしょう。 ・軍と荷役の動物、馬の群れは峠を越え、敵の出撃基地であった下の平野の町を目指して進みます。 ・着いてみると住民は戦利品の約束に釣られてすべてで払っており、誰もいなかったので、この町を獲得し、今すぐに役立つものも数多く手に入れます。 その中には多くの荷役動物や馬やそれらの御者、さらに数万人の自軍の3日分に十分足りる穀物と家畜が含まれていました。 十分な食料が確保できたことは、兵士や馬・象などの心身をも安らませます。 ・特筆すべきことは、以降しばらく、敵に自然な形で敬意を払わせ、その結果、アルプスに登る際に、軽率に攻撃を仕掛けてくる者は誰もいなかったようです。 ・ハンニバルが、このグリモーネ峠付近を通過し、Lune川、Buech川流域の町で野営したのは紀元前218年10月12日-13日頃。イタリア国境の峠越えまで残12日。 ・翌日の丸1日[アルプスを登り出して3日目]軍は休息を取り、再び行動を開始します。(G-p77)
【グリモーネ峠周辺の推定ルート地図(緑ルート)】 <当時の人口規模と近隣の町> ・この下の平野で数万人の兵士が3日分の食糧を確保できたとのことです。 とすると、(最低必要食料/日=25ton=約5万人*500g/1日1人当り食料・・・200人規模の村の約1年分=250倍)と仮定すると、600人規模の村の全食料を占拠したことになります。 ・さらに攻撃してこないばかりか、敬意を払ったとなると、備蓄食料にさらに余裕のある・・・1000人以上の規模の町だったと思われます。
・・・現在この付近の大きな町といえば、グルノーブル(40万人)、ディ(4千人)、シストロン(6千人)、ガップ(3万人)・・・ と、Gapガップと同程度の人口がこの周辺にあったこととなります。今この周辺にはそのような町はないので、当時このBochaine一帯を仕切っていた豪族などがいたのでしょうか。 −−−− <注1:国立社会保障・人口問題研究所の統計情報(世界人口:紀元前〜)によると、西暦元年で世界の人口は200〜400百万人。 http://www1.ipss.go.jp/tohkei/Popular/Popular.asp?chap=1 これは現人口に対して、1/30〜1/15となります。 参考に、当時の日本(弥生時代)の人口を見ると60万人(=1/200)。 AD750年(奈良時代)に559万人(=1/21)となっており、農耕が進んだためか、急激に人口が増加しています。> <峠越えの史実・根拠> ●紀元前218年に、ハンニバルが象とアルプスの峠を越えたというのは本当なのでしょうか? なにをもって史実というのでしょうか?・・・・ など、皆さんもマユツバ?と思っている方も多いと思いますので、ここに整理してみました。 ●前のポイント「Glandage」← 【●ハンニバルの有力推定ルート】 →●次のポイント「Serres」 ・・・皆さんの想定、推測情報などありましたらお願いします。 ・Gavin de Beerギャヴィン・デ・ビーア 『ALPS and ELEPHANTSハンニバルの象』時任生子訳:博品社(G-page) ・John Prevasジョン・プレヴァス『HANNIBAL CROSSES THE ALPS ハンニバル アルプス越えの謎を解く』村上温夫訳:白水社(J-page) ・Hans Baumannハンス・バウマン『ハンニバルの象つかい』大塚勇三訳:岩波書房:(H-page) ・The Green Guide:『French Alps』2001 Michelin:(M-page) |
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