ヨーロッパ アルプス 峠ドライブ紀行 TOPに戻る
前ページに戻る1997年の旅へ
前ページに戻る2018年の旅へ
前ページに戻る松味利郎「壁絵」へ
   count
 ○『ヨーロッパ壁絵めぐりの旅:壁絵美術館へようこそ』(Kindle版)
 ○『ヨ−ロッパ壁絵デザイン』東方出版 2003
 ○『旅 ヨーロッパ壁絵街道』京都書院1997
 ○『アルプスの谷 壁絵街道京都書院 1992
 ○『チロール壁絵の里』京都書院 1992
 ○『壁絵のある家』(1)西ドイツ:京都書院1988
 ○『壁絵のある家』(2)スイス・オーストリア:京都書院 1988
 ○『壁絵のある家』(3)ポルトガル・イタリア:京都書院 1989
 ○『壁絵のある家』(4)北イタリア:京都書院 1990

Stubaitalsutシュトバイタール(オーストリア:チロル州)
 Fulpmesフルプメスにある壁絵「大きなクリスマス飾り」の疑問と調査


テルフェス村フルプメス村の位置・調査ルート
<2014.2.21記述+2.23修正追記+2018.6.26-27調査+2021.1.18追記>

1997.7.2-3:この20kmにも及ぶシュトゥーバッハ渓谷・・・美しい村々が点在する・・を旅した。

●2013年疑問点の提起

・2013年7月にシュトバイタールに行かれた「旅するうさぎさん」は、よく似た壁絵を、隣村のフルプメス村で撮影してこられ、不思議な点を書かれています。

<「2013年 チロルアルプス花紀行 憧れの農家民宿で過ごす1週間 【14】シュトゥバイタール壁絵探訪(フルプメス、テルフェス、ミーダース)」> 
http://4travel.jp/travelogue/10848101
 <村の中のたくさんの写真は、見ごたえがあります>


松味利郎先生、「チロール壁絵の里」(京都書院1992年出版)>のP.70に、テルフェス村で撮影した「大きなクリスマス飾りのある住宅(1907年建造)」の写真があります。
もしかするとこれは、「フルプメス」の誤植では?
という疑問点でした。

●2014年疑問点の比較

このふたつの壁絵「大きなクリスマス飾り」を、比較してみました。(松味先生と、旅するうさぎさんの映像をお借りしました)

●まず建物を含めた全体像を比較します。
usagi-matumi01
【左:テルフェス村(1992年出版)、右:フルプメス村(2013年撮影)】

 ふたつはよく似た壁絵ですが、大きな違いで気づくのは、
・建物の構造が違っている・・左の家は左側が木壁。窓の位置関係・サイズが異なる。屋根の張り出し長が違って見える。
・絵がかなり異なる・・左の家の木壁部分。右の絵は上が広い。窓部分に絵がある。中央下の人物の有無。左右の植物の位置。その他詳細部が多数個所。

●さらに、屋根中央にあるプレートを比較してみると、
usagi-matumi02
【左:テルフェス村(1992年出版)、右:フルプメス村(2013年撮影)】

・左は4行で、1907年のみ「Aufgestellt von Johann Mair Schmirdmeister im Jahre 1907」(1907年にJohann Mairという鍛冶屋マイスターによって建てられた)。
・右は5行で、1907年と1997年の記述「Aufgestellt von Johann Mair Schmirdmeifter im Jahre 1907 、neu errichtet 1997 von Manired Dreindl」(1907年にJohann Mairによって建てられ、1997年にManired Dreindlによって再建)とのことです。

・90年も経って描かれた壁絵、当然、絵の作者は違うので、詳細な画風も違って当たり前ですね。
・さらに移築されたことも考えられるし、調査時の情報ミス、誤植と言うことも考えられます。
・隣り合っているテルフェス村とフルプメス村、当時の村の境などわかりませんが、その絵の民家の再建の様子や、Johann Mair氏、Manired Dreindl氏 などのことについてもっと調べると、いろんな歴史やお話が見えてきて、面白いでしょうね。

・次回、この谷を訪れるときの楽しみにしましょう。⇒⇒⇒

●2018/6/26-27現地調査

Matrei-am-Brennerマトライ・アム・ブレンナーに5泊していて、周辺の谷を訪れた。
・2018/6/26(火):
 ⇒Unterbergtal-Stubaital:Mutterbergalmウンターベルグ谷-シュトバイ谷:ムッターベルグ・アルム(1751m)★谷先端
 Stubaital:先端のMutterbergalm からリフトで(Top of Tyrol へのリフトは休止)Bergstation2600mまで。
 ⇒Gamsgarten(Stubaier-Gletscher)ガムスガルテン(シュトバイ氷河)(2620m)▲リフト+ハイキング
 中間駅2300mまで歩いて下る。途中、雪が3ヶ所に残る。南斜面にアルペンローゼ咲き誇る。  Talstationまでリフトで。
ノイシュテフト のリフト乗り場の駐車場で、車中昼。

 時間があったので・・Telfesテルフェス村とFulpmesフルプメス村にある類似の壁画について 調べることに。

 まずフルプメスに、続いてテルフェスに行くことにする。
---
・フルプメスのスーパーの駐車場に置き、インフォへ。HPの写真見せたら、すぐに分かったのか?
  ミュージアムとか、近隣の場所を地図にマークしてくれる・・が、歩いて見るが・・判らない。
【Marktgeinde市場自治体とTiroler-Kippenmuseum(バーン通り)】【ロココの絵と透かし彫りのある古い農家(ヘレンガッセ通り)】【教区教会の司祭の家(バーン通り)】

  あきらめかけていたが・・大きな教会(Pfarrekirche Fulpmes-Heiliger Vitusフルプメス教区教会-聖ヴィート)の向かいの建物・・その庭の手入れをしていた奥さんが・・写真を見て直ぐに教えてくれ、地図に場所をポイントしてくれました。
  この建物(現在地)を確認したら、この教会Pfarre FulpmesのPriester/Pastors Haus司祭の家でした・・ありがとうございました。

  そのポイントへ・・すぐ分かる。隣が大工事中。写真、ビデオ録り。

【キルヒ通りとシュメルツヒュンテンガッセと通りの交点にある建物】


【あの建物と壁絵「大きなクリスマス飾り」。後の山はマリアを祀った聖地山、Serles(約2700m)】


【壁絵「大きなクリスマス飾り」の部分】


--- 続いて テルフェス村へ向かいます。
ところが道路工事中で迂回・・細い道に・・壁絵なさそうな行き止まり。(どうやら、テルフェス村の西にある集落に登って行ったようだ)
今日はあきらめ・・帰路に。

【テルフェス村の西の集落からフルプメス帆面に戻る】


【フルプメスの教区教会の塔が見える】


・2018/6/27(水)
昨日のTelfesテルフェス村 へ あの壁絵があるか探しに。
・・村のセンターは狭く、工事中だらけ。駐車場もない。 やっとバス停に停め、周囲見るも・・?
 村の品のいいおばあさんに写真見せるが、わからない、フルプメスではないか・・との返事。

【Telfes駅と電車】



⇒結論:★あの建物は・・
⇒背景の山などから、再建でテルフェスから移築したのではなく、当初から「フルプメス」の建物だったと思われます。

⇒フルプメスの鉄道駅は町のはずれのテルフェス寄りにある。松見先生が取材した状況は不明ですが、多分インスブルックから電車で駅まで行き、観光協会の方が車などで出迎え、現地に案内されたのでは? 地名の誤植はそんなところから発生したものと推定します。

⇒住所・場所は、Kirchstrase 13, 6166 Fulpmes, オーストリア にあり、
緯度経度は 47.151928, 11.350194 (https://www.google.co.jp/maps/で入力すると表示)
Google-mapでは、 https://www.google.co.jp/maps/ で、表示されます。
----
<参考URL>
https://de.wikipedia.org/wiki/Fulpmes
Fulpmes Wandmalereiフルプメスの壁画【壁画=Wandmalerei/Murals】
https://de.wikipedia.org/wiki/Telfes_im_Stubai
Telfes Wandmalereiテルフェスの壁画

●ご意見・お問い合わせ・情報・何でも・・・「峠の茶屋・掲示板」(eu-alps)でお待ちしています。EU-ALPS.com  旅のGET旅のGET

ヨーロッパ アルプス 峠ドライブ紀行 TOPに戻る
前ページに戻る1997年の旅へ
前ページに戻る2018年の旅へ
前ページに戻る松味利郎「壁絵」へ
 
 ○『ヨーロッパ壁絵めぐりの旅:壁絵美術館へようこそ』(Kindle版)
 ○『ヨ−ロッパ壁絵デザイン』東方出版 2003
 ○『旅 ヨーロッパ壁絵街道』京都書院1997
 ○『アルプスの谷 壁絵街道京都書院 1992
 ○『チロール壁絵の里』京都書院 1992
 ○『壁絵のある家』(1)西ドイツ:京都書院1988
 ○『壁絵のある家』(2)スイス・オーストリア:京都書院 1988
 ○『壁絵のある家』(3)ポルトガル・イタリア:京都書院 1989
 ○『壁絵のある家』(4)北イタリア:京都書院 1990


ヨーロッパアルプスのハイキング地図
【ヨーロッパ・アルプスのハイキング地図】
  【国別地図】  【日本語ガイド本】