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Cavalese
【g268.jpg:ホテル・サンヴァリエの部屋から、Pieve公園と西の山を見る】(F)

Cavaleseカヴァレーゼ(2)

3泊した「Hotel San Valierホテル・サンヴァリエ」のこと、過去に起きた大事故など・・

イタリア:トレンティーノ・アルト・アデイジェ州】【ドロミテ】[北村 峠一].(Kitamura)      

Cavalese
【g339.jpg:ホテル・サンヴァリエの正面】(F)

●この宿の独特なシステム・・


 インフォのお姉さんが「イタリア語が通じないだろう」、と親切に電話で予約までしてくれた宿。でもさすがに3☆、Hotel San Valierホテル・サンヴァリエのメガネをかけ、なかなかセンスのある美人フロントは英語がぺらぺらでした。

 パスポート処理などの手続きもすぐに終わり、他の宿ではあまりない、このホテル独特の清算システムを教えてくれました。それは、客は食事時、常に小さなカードを持参するのです。そこには「11eur/6eutr/3.5eurなどの欄がありHBに含まれないワインなどを追加した時、金額相当の個所にボーイがマークするのです。チェックアウトの時に、そのカードを提示し、ホテル側のメモと照合し精算するという仕組みなのです。

 部屋はごく一般的なサイズと設備でした。シャワーのみしかないのは仕方ありませんが、なかなか温度が上がらないのです。この3泊中、暑い湯が出たのは1回だけ。昨夜まで泊まったオーストリア・エルマウの宿の安さと快適さには、比較にならないほどのものでした。オーストリアってどうしてあんな品質なのに安いのでしょう? イタリアより生活レベル高そうなのに。

ヨーロッパアルプスのハイキング地図
【ヨーロッパ・アルプスのハイキング地図】
  【国別地図】  【日本語ガイド本】

●初日のディナーは・・


 ここの給仕長は茶目っ気があります。でも写真から想定できるでしょうか、ちょっと癖もありそうですね。3日間観察していて、なんといっても大変なのは、この60〜70人も収容できそうな食事ルームの中を、動き回っているスタッフは彼一人だけなのです。

 初日、夕食の時間7:30にレストランの入口に行きますが「あと5分待ってくれ」と、ドアを開けないのです。イスに座って待たせれば良いのに、何か理由があるのでしょうか。数分待って開いたドアの正面のテーブルの上には、セルフサービス(バイキング)スタイルのような食材が並んでいます。

SanValierのシェフ
【ホテルSanValierの給仕長】
 今日は土曜日、ということは一般的に旅行客が今日から泊まり始める日。このホテルのやり方を皆さん知らないのです。で、全員そのテーブルの前に行列し、「このホテルは野菜料理がメインなのだろう?」 と思っているかのように、手に持った皿に野菜サラダ類、ピザ、団子のようなものまで大量に盛ってから、給仕長の指定する自分のテーブルに向かうのです。

 僕たちも状況がわからず、これがメインかと勘違いし多量に盛り付けました。どれもオイル系で調理されていて・・はっきり言っておいしくない。他のテーブルのイタリアの人たちは、すぐにお代わりに立つほどでしたが。

 ところがかなり時間がたって、給仕長があらためて今日のメニューを持って、注文に来たのです。前菜とメインそれぞれ3種の中から1つ選ぶいつもの方式で。

 ということで、写真の左3つが私の食べたものでスープとビーフ。妻はリゾットと生ハムを注文したのです。スープまではまあすんなり胃に入ったのですが、ビーフはかさだけ大きく硬いのです。今日はほとんど歩いていませんから、あまりお腹が空いていず・・そこに来てはっきり言っておいしくない。まあHB(2食)で一人50eur(8500円)ですから・・量は多いけれど味は期待してはいけません。オーストリアの料理が懐かしいですね。

 妻はそれぞれ半分ほどしか食べられませんでしたが、責任を取ってサラダだけは食べきりました。(サラダとリゾットはあっけに取られて撮影を忘れました) 2人ともデザートは断り、さらに翌日分の料理を選択する時、妻は前菜を断ったのです。

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【g218.jpg:初日夜:入口のテーブルから野菜食中心のバイキングスタイルか、と勘違いし・・多量に取ったら、すべて脂っこい。私はスープとビーフ、妻はリゾットと生ハムだったが・・】

 ワインはボトルのみで、選んだのは11eur+3.5eurマークがついているもの。14.5eur(約2000円)で、あの持参のカードに給仕長がマークするのです。なぜか水はテーブルに自動的に付いてきました。水は通常有料なのですが、最近どこの村でも裏山の取水地管理を良くすることで、安心して水道水が飲めるようになるところが増えたことも影響しているのでしょうか。

 室内には自転車愛好家のような団体客が20人ほどと、4〜6人のグループが3組、それに2人カップルの40人ほどでしたが、例の給仕長が一人で注文をとり、料理やワインを運ぶというスーパーマンぶりを見せていたのです。時にはテーブルで雑談まで。

 ところが我々が食事を終え、席を立とうとした頃、さらに30人ほどのビジネスマン・ウーマン風のグループが入ってきて。あのテーブルの脂っこいインゲンやピザのようなものに行列・・ここのホテルはなかなか流行っているようです。そして給仕長はますますめまぐるしく動き回るのです。

Cavalese
【g264.jpg:ホテル・食事室の様子:2日目は閑散・・】
 そこであのマーク・カードが役立つのです。団体客の一人が「注文した、いやしない」というトラブルが以前どこかであって、改善策として始めたアイデア・システムでしょう。そしてきっとこのアイデアは、この給仕長が導入したに違いありません。

●2日目のディナー・・


 マンゲン峠、カルドナッツォ湖などをぐるっと走ってきた夕方、今日はセライア湖一周を歩いてきましたし、ちょっと昼寝も出来、町の散歩・買い物もしましたから食欲が出てきました。

 自転車の賑やかな団体客は今日はいません。数組だけの静かな室内、イタリア人は一週間単位で宿を取るようなレジャーの仕方はあまりしないのかもしれません。そしてやっぱり人数が少ない分、サラダの盛り付けテーブルには、昨日に比べて少ししか並んでいませんでした。

 昨日のワインと小ビール。前菜のパスタとマメのスープは例のとおりボリュームがあってお腹が膨れる。ターキーは初めてあっさりしていてまあ良かったのです。妻は昨日に懲りて前菜なしでしたが、冷肉・ツナソースは口に合わないとかで、私の料理をちょっと試食。その分ディザートの小ケーキとピーチを平らげました。

Cavalese
【g260.jpg:2日目夜:前菜(パスタとマメのスープ)、昨日のワインと、小ビール。スープは相変わらず大ボリューム。ターキー、冷肉ツナソース、ディザートの小ケーキとフルーツ=ピーチ】

●珍しく日本のニュースが流れ・・


 部屋に戻りTVを付けたところ、なにやら「アキハバラ」と言っています。画像を見ると何か事件があったようで・・担架で運ばれる人が写り、docomoのロゴも見えましたが、すぐに違うニュースに代わってしまいました。

 その1時間ほど後、もう一度だけ同じ映像が見えたのですが、どうやらテロなどではない風で安心ししました。・・イタリア語がわからないため、何があったのかは帰国まで不明のままでした。
 (秋葉原通り魔事件:2008年6月8日に東京・秋葉原で発生した通り魔事件で、7人が死亡、10人が負傷)

 以降の旅行中に流れた日本のニュースは、約1週間後の「岩手・宮城内陸地震」の、国道の橋が倒れた映像だけと、やはり地球の反対側のことは、あまり話題にはなりません。

●3日日・・


 朝食後、上の写真に写っている2つ先の席の、太ったにぎやかなおじさんが話しかけてきました。
「あんたの車のナンバーの「HH」はドイツ・ハノーバだが、だがそこから来たのか? 俺はその町を知っているが・・」  「いえ、ミュンヘンからレンタカーなので・・」と。ドイツ系の2夫婦でこの宿を基点に観光している方でした。「今年は天気が悪くて・・」と残念がっていました。

 この日、西の隣村カステッロ・ディ・フィエンメに軽いハイキングに出かけ、2時頃ホテルのフロントでで鍵を貰おうとすると、出てきたのは昨日までのあのメガネ美人ではなく、南米風の普通の娘。ちょっと残念だなと思いながら、部屋の番号を言うと・・ なんと鍵と同時に、韓国の青いパスポートを僕たちに渡したのです。すぐに、
「いや僕たちは日本人」と返したのですが・・あんなふうに間違えられるのは、いろんな意味でやばいですね。

 パスポートを預けたのはコピーを取るためでしょう。コピー後、返すキーボックスを間違えて入れたのです。日本人と韓国人を間違えるのは仕方ないとしても、部屋を間違えるなんてセキュリティに問題ありです。それにしてもその韓国人って、私に似ているのでしょうか、夕食時に会えるだろうと楽しみにしていました。

 ところが夕食時、最初から最後の客まで見ていましたが、韓国人らしい人は見当たりません。素泊まりかもしれませんが、正解(?)ですね。今日は実に人が少ない、僕たち以外には子供2人を連れた5人グループと、若者1人、仕事らしい2人連れのみ。静か過ぎるのも寂しいものです。

 給仕長に「あの自転車の団体客はいないんですね」というと、
「そうなんです、今日はこれだけと少ない。僕はラクですけどね」とサラリーマンの本音が返ってきました。

 今日はビール(大+小)。注文しておいたパスタ、鳥は量だけ多くて脂っぽい。妻が珍しいからと注文したウサギは、古いのか、ちょっと硬いし塩辛い。この宿のメニューは人が急に増えても対応できるもの中心で、手をかけない料理ばかり。ちょっと古いオイルを使っているのか、脂が口に残ります。味より腹一杯食べさせる作戦(?)のようです。

Cavalese
【g334.jpg:3日目夜:ビール(大小)、パスタと鳥、妻が頼んだウサギは、ちょっと硬い】

●宿情報:イタリア:トレンティーノ・アルト・アディジェ州・トレント県(TN): Cavaleseカヴァレーゼ
<Hotel San Valier(Aurea) サンヴァリエ(アウレア)(☆3)>

・2008年6月7日-10日朝、3泊利用。
・Lavaze峠からManghen峠/Rolle峠への途中。
・かなり高級なAureaアウレアホテルと同一経営。イタリア人の団体客が多い。
・ツインルーム、ハーフペンション(夕・朝付)(100eur(約17千円/2人)
・公園に面した部屋、シャワーから熱い湯はほぼ出ない。
・大食堂。料理は量はあるが油っぽい、夕・朝とも。
・地下にプールがあり、1階のフロア・ガラスから見下ろせる。
・ドロミテ南部の各地への基点になりうる。
・駐車場は建物の前・横。
 →私のお勧め度:2.5
 【●イタリアで利用した宿紹介
http://www.hotelsanvalier.com/

・住所など:Via Marconi 7,38033 Cavalese / TN
  Tel.: +39 (0) 462-341285 Fax: +39 (0) 0462-232776
Email: info@hotelsanvalier.com
Google地図

●出発日の朝・・


 その翌日の朝食は僕たちとあの5人家族だけで、やはり韓国らしい人は見えません。

 チェックアウト時にはあのマークしたカードを見せ、宿側のメモと比較して・・3泊のHB分300eurと、飲み物25.10eur(ワインボトル+ビール3)。観光地ですから、まあこんな額なのでしょう。

 宿情報をいつものようにまとめましたが、評価は悪いです。

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Cavalese
【g331.jpg:パン屋の看板と、その遠方に見えるのがチェルミス方面の山】(D)


Alpe Cermisアルペ・チェルミス

●カヴァレーゼで過去に起きた大事故:ゴンドラ事件、ケーブルカー事故・・


 過去にこの町に関連して起きた大事故をメモしておきます。一つ目が40年ほど前の「Alpe Cermisアルペ・チェルミスの、ケーブルカー大事故(1976年:42人死亡)」。次が10年前に起きた「米軍機のゴンドラケーブル切断による大事件(1998年20人死亡)」です。

<Cavalese ケーブルカー大事故(1976年)>

・1976年3月9日スキーリゾートのCavaleseで、ケーブルカーのケーブルが切れ、ケーブルカー事故として最悪の、15人の子供を含む42人が死亡した。
・犠牲者のほとんどはドイツ人(ハンブルグ)だった。
・キャビン船室は山の斜面を200m落下し、その上に大量のワイヤーが落ちた。唯一14歳の少女1人だけが助かった。
http://en.wikipedia.org/
http://www.valdifiemme.it/

 後者は、ゴンドラのケーブルの下を潜り抜けるアクロバット飛行をしながら、そのアメリカ兵パイロットは計器異常だとしらを切り、一審が無罪になったのです。時の大統領クリントンがいかに金銭保障をしたとしても、イタリア人をはじめとする犠牲者、そしてこの町の人たちは怒ったでしょうね。

Cermisチェルミス・ロープウェイ切断事件

<米軍機、Cermisチェルミス・ロープウェイ切断事件(1998年)>

・1998年2月3日14:13、 NATOのAvianoアビアノ基地(ベッルーノ東25km)から離陸したアメリカ海兵隊軍用機は、カヴァレーゼ[Cavalese](1000m)とチェルミス[Cermis]山(2229m)を繋ぐロープウェイのケーブルを切断。80m以上落下し、20人の犠牲者を出した。
・犠牲者はドイツ人8、ベルギー人5、イタリア人3、ポーランド人2、オーストリア人1、オランダ人1の計20人。
・米大統領クリントンは直ちに金銭保障を約束した。
・事故を起こした軍用機EA-6B Prowler(電子戦機:非武装の作戦機)は、承認されている高度である2千フィート以下で飛行したと証言。しかしイタリアの法廷でなく、米軍法廷で行われ、1999年3月の1審ではパイロットを無罪にしたので、イタリア国民の怒りを買った。
EA-6B Prowler ・しかし当時のフライトレコーダの破壊行為が見つかり、1995年5月に再審が行われ有罪となった。

http://rhein-zeitung.de/【1999.3.5-topnews-cavalese:ドイツ語→日本語訳
http://en.wikipedia.org/【wiki:Cavalese cable-car disaster】
イタリア・オンライン


<関連するサイト>

http://www.serfon.it/Cavalese/【Cavaleseの歴史的写真】
http://www.enrosadira.it/【Cavalese各種Link集】
http://www.visitfiemme.it/【Cavalese:Val di Fiemme】
http://www.dolomiti.it/【Cavaleseガイド】
http://www.romeartlover.it/Vasi59a.htm【Basilica di S. Sebastiano 町の守護聖人:聖セバスティアヌス 】
http://en.wikipedia.org/【wikipedia:1998年のCavaleseのケーブルカー事故情報】
http://www.dolomitisuperski.com/【Dolomitisuperski-Fiemme渓谷の観光ガイド】
http://it.wikipedia.org/【wikiのCavaleseガイド】

<関連書籍・地図>

ヨーロッパアルプスのハイキング地図、ガイド洋書  山渓など:日本語編

<関連HOTELなど>

【Hotel-Club:イタリアのホテル】  hotel 海外ホテル予約

<ヨーロッパ・旅・・・>



●イタリア ワイン検索

<カヴァレーゼから、南にあるマンゲン峠とその周辺を・・>
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