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Zoppe di Cadoreゾッペ・ディ・カドーレ(2)
 モンテ・ペルモ(3168m)を求めてハイキング。Rif.Talaminiタラミニ小屋へ、そして優しい怪峰も見たのです。

ドロミテ:Pelmoペルモ・エリア】   [北村 峠一].(Kitamura)      


 Yさんがさきほどの町で入手したパンフレットに、この先の、山の向こう側へのハイキングルートらしいものが書かれています。その地図を頼りにもう少し林道を車で行き、さらにハイキングしてモンテ・ペルモの見える場所を探してみることにします。(16:00頃)

Zoppe di Cadore
【d96.jpg:森の十字架】
帰りの写真を利用したため、一部左右反転してある
【301.jpg:林の道はあまり展望もきかない】

 パンフレットに載っている登山道は、なぜか途中で消えました。一本しかない林道もすぐに狭くすれ違いの出来ないような道に変わり、そこから先は歩いたほうが良さそうです。しかしそのルートもいつの間にかペルモ山と反対の方角に向かい、林の中で見通しもあまりきかない場所に入ってきてしまいます。

 やはり山では正確な地図を使わないといけません。さてどうしようかと考えていたとき、MTBのサイクリストたちが通りかかります。
「モンテ・ペルモがよく見える場所を探しているんだが」「この道はペルモとは反対方向。ゾッペの村の付近か、M.Riteモンテ・リーテ山に登るといいよ」

 次の日、モンテ・リーテ山の頂上にあるメスナーの「雲の上の博物館」で切符を売っていたお兄さんが、この黄色の服のサイクリスト。パドヴァの学生で夏の間このゾッペでバイトをしているとのことでした。

Zoppe di Cadore Zoppe di Cadore Zoppe di Cadore
【3e4/3e9.jpg:道を聞いたサイクリストの若者たち。「雲の上の博物館」でもまた会う】 【d92.jpg:ユリ科の花●アルプスの花へ

 今いる場所はRif.Talaminiタラミニ小屋(1582m)の近く。廃屋になっている小屋に到着【●峠DB】すると、東側の展望が開けます。多分この大きな雲のかかった山はM.Antelaoアンテラオ(3263m)でしょう。 (旅の後でやっと入手した『佐貫亦男のアルプ日記』の中で、「裏山からアンテラオを見た」(p49)と書いているので、彼もここまで来たのかも知れません。)

Zoppe di Cadore Zoppe di Cadore
【352.jpg:Rif.Talaminiタラミニ小屋】 【d37.jpg:今は廃屋になっていて、売り出しの紙が張ってある】

Zoppe di Cadore
【394.jpg:東の遠景:左はM.Antelaoアンティラオ(3263m)だろうか。とすると右はフリウリとの境の山】


Zoppe di Cadore付近map Zoppe di Cadore
【周囲のmap】 【佐貫亦男「ゾッペの知り合い」p57-59:ボルトロットさんとペルモ山】

 もしかすると反対側の林の中からペルモ山は見えるのでは?と林を分け入ると、思ったとおり隙間から、逆光に輝くM.Pelmoモンテ・ペルモが見えています。約1時間かけて来た甲斐がありました、左のSpalla-Sud(3061m)、右Spalla-Est(3024m)の両肩の間の雪渓と、うっすらと雲はかかっていますが、あそこが頂上(3168m)です。カンポロンゴ峠から遠くに見えた形とは、まるで違います。

 ただし、佐貫亦男がゾッペで知り合ったボルトロットさんの写真(『佐貫亦男の旅の回想―アルプスとドイツを旅して50年』p57-59)の撮影地点は、もっと高い位置からです。方向はほぼ合っているのできっととモンテ・リーテ山から撮影したものではないでしょうか。

Zoppe di Cadore Zoppe di Cadore
【362.jpg:木立ちの隙間から、逆光に輝くM.Pelmoモンテ・ペルモ(3168m)】 【d93.jpg:のSpalla-Sud(3061m)、右Spalla-Est(3024m)の両肩と雪渓】

 帰り道、雲が切れ見晴らしが利くようになってきました。南に開けた谷の向うに見えているのは、左手にSasso di Toanella(2430m)とBosconeroボスコネロ・エリアの山並、右手にMonte Schiara(2585m)などSchiaraスキアラ・エリアの山並でしょう。明日はM.Riteモンテ・リーテに登ろうと思いますから、素晴らしい景色が期待できそうです。

Zoppe di Cadore
【d98.jpg:左の板状の山:Sasso di Toanella(2430m):拡大、正面:Monte Schiara(2585m)、右:Castello-di-Moschesin(2499m)】



 午後6時、2時間あまりのハイキングからゾッペの村に戻ってきました。そして村の入口付近から、今度は晴れてはっきり見えるモンテ・ペルモを観察できます。 逆光ですが両の肩だけが見え、まさにつり橋のようです。 花を引き立てる山、それほど恐ろしげに感じない山に変わっています。

Zoppe di Cadore    Zoppe di Cadore
【d38.jpg:ゾッペ村からはペルモの頂上は見えない】  【Mさんからの写真:ドイツ出版の本:Geosser Alpen Strassen Fuhrer(旧19版)から 

 Mさんから送っていただいた写真は、たしかにもう少し高い位置から撮影したものです。周囲を見回してもそのような場所が近くに無いので、きっと脇の山の中腹から、木立ちをぬって望遠で、苦労して撮ったものだろうと思われました。
 私もその場所を探そうと、村のはずれのカーブあたりまで戻り、斜面を登ったりしながらアングルを探しました。やっと撮ったかなり構図も類似の一枚は、ガードレールから思い切り手を伸ばし、木を避けて撮影したもの。逆光気味でしたが良いアングルでした。

Zoppe di Cadore  Zoppe di Cadore  Zoppe di Cadore
【da4/db0.jpg:ラン科、シシウド(セリ科)の花がペルモ山を引き立てる・・●アルプスの花へ】【右:cda2.jpg:ガードレールから思い切り手を伸ばし、木を避けて撮影。逆光気味だったが良いアングルだった。クリックで拡大】

白川義員[ゾッペ村とペルモ]
【白川義員の『アルプス』[ゾッペ村とペルモ]】
 帰国後、白川義員の『アルプス』の写真集を図書館でやっと探し、その[ゾッペ村とペルモ]の写真と比較しました。教会の位置などからみて、彼の撮影場所は少し右下からでしょうか。きっと斜面を少し下った、木立のないところに陣取り、朝日が昇るのを待ったのでしょうか。

●<近隣のWeb-Site> ・・(Link集:ドロミテ案内も参考に)
 ○http://www.cmclz.191.it/comuni/zoppedicadore.html【Comunita Montana Cadore/Longaronese/Zold、Common of Zoppe di Cadore】
 ○http://www.marcomilani.com/calendar.htm【Sasso di Toanella(2430m)のカレンダー】
 ☆モンテ・ペルモが見えるサイト【馬場平之助のイタリア探検隊が行く】
 ☆Google画像検索【Googleで「pelmo」を検索】


 この怪しい と同時に優しくも見える山、モンテ・ペルモを観察できる情報を頂いたFさん、Mさん、松味先生、ありがとうございました。

(後日撮った色々な方向からのペルモ山の写真分析は、Staulanza -Forcellaスタウランツァ峠のページで紹介してあります)

<すでに6時過ぎ、急いでチビアーナ峠を越え、宿を予約してあるChibiana di Cadoreチビアーナ・ディ・カドーレに向かいます・・・>

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