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tre-cimeの岩と、ゲンティアナとナデシコ科(?)の花

Tre-Cime-di-Lavaredoトレチメ・ディ・ラヴァレード/Drei-Zinnenドライ・チネン -2

Rif.Lavaredoラヴァレード小屋(2344m)、
 Forc-Lavaredo-Paternsattel峠(2454m):
トレチメは、なぜか北側の岩壁面が正面とのことです。

 ぱらぱらと降りだした水滴に、ゲンチアナもその花びらを閉じ始めます。この過酷な自然界で生き残る知恵を身近に感じます。【●峠DB
[北村 峠一].(eu-alps)      


 12:15頃アウロンツォ小屋を出発、約600mでトレチメの岩が分かれて見え始めます。左からZinnen-k(2736m)、Occide-Le-Westlオッチデンターレ=西(2973m)、Grande-Groseグランデ(2999m)=大、Pic-La-Kleineピッコラ(2792m)=小。

 この岩山、意外に小さく感じたのです。この撮影した場所の海抜が2314mほど、グランデの頂上までの差が685m、距離が500mほど。東京タワーの倍ほどの高さを50度以上の角度で見上げているので、十分大きいのです。が多分、前回濃霧の中 ここを歩いたとき、霧の切れ間から見えた山のシルエットから、全体像を勝手に想像して「もっと巨大なものがそこにあるはずだ」と思い込んだのでしょう。

 マリア像がある小さな礼拝堂にも、あっという間に到着。前回「再度来てトレチメの山を見たい」との願いがかなったことに感謝します。

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【110.jpg:左に小さくアウロンツォ小屋。小屋から数100mで、トレチメの岩が分かれて見える。左からZinnen-k(2736m)、Occide-Le-Westlオッチデンターレ=西(2973m)、Grande-Groseグランデ(2999m)=大、Pic-La-Kleineピッコラ(2792m)=小】

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【126.jpg:約1kmでS.Ma.Ausiliatraceの礼拝堂。谷をはさんでCadini-di-Misurinaミズリーナ山群の針の嶺・峰】

 寒さに震えながらの前回と違い、雲の動きにそって日のさす風景は、花を撮影しながらの余裕のハイキング。半月ほど前にやっと雪解けしただろう道の脇には、色とりどりの花がいっせいに咲き競っています。

 毎回のことなのですが、どうも花の名前は覚えられません。色から索引する図鑑を作ろうとして、整理しだして中断。毎回こうやってWebページを編集するときになって、また初めから勉強しなおし・・・進歩がありませんね。【●花の図鑑へ

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【146.jpg:ピンクの花?】 【1c5.jpg:ケシ科の黄色の花(パパヴェル・ラエティクム Papaver rhaeticum リシリヒナゲシ)】

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【156.jpg:?】 【148.jpg:キク科の花、?、?】

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【169.jpg:アブラナ科?の花】 【183.jpg:セリ科の花:シシウド属 (アンゲリカ sp. Angelica sp. )】


 Rif.Lavaredoラヴァレード小屋(2344m)が右手に見えて来ます。前回はこの小屋の前まで来て、「蟻が小さなのぞき穴から象を眺める」ような天候だったのです。今回はこんなにもくっきりと。トレチメの山の形も、先ほどからはかなり変わってきて、ほとんどみな続いているように見えます。あの右肩のSattel(峠)の先まで行ってみます。

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【196.jpg:Rif.Lavaredoラヴァレード小屋(2344m)が右手に見えてくる】

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【1b3/1b7.jpg:ラヴァレード小屋の先にあった案内地図。今回は1→2→3への途中まで】 【1e3.jpg:トレチメとゲンティアナ(ゲンティアナ・ヴェルナ Gentiana verna スプリング・エンツィアン:春リンドウ)】

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【1e1.jpg:ラヴァレード小屋を下に見て登ると・・・もうすぐ峠になる】

 110mを登り、13:10頃Forc-Lavaredo-Paternsattel峠(2454m)に到着です。ついに念願かなって、トレチメ・ディ・ラバレードの奇岩の北側の景色を見ることができました。この右側にあるMte.Paterno/Paternkofel(2744m)親爺山はアルプスの大分水嶺のはずです。こんなきれいな眺めの場所は同時に、国境でもめる場所なのです。

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【206.jpg:Forc-Lavaredo-Paternsattel峠(2454m)に到着。北にMte.Paterno/Paternkofel(2744m)親爺山、Dreizinnen-hutteドライチネン小屋(2405m)の方向。ここがアルプスの大分水嶺。東の谷の先はアウロンツォの方向、西にトレチメの北岩壁面】

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【595.jpg:左にPic-La-Kleineピッコラ(2792m)=小、Grande-Groseグランデ(2999m)=大、Occide-Le-Westlオッチデンターレ=西(2973m)のトレ・チーメ=3つの頂き、Dobbiacoへの谷方向のBullkopfe(2852m)などの山、右にDreizinnen-hutteドライチネン小屋(2405m)】

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【338.jpg:Dreizinnen-hutteドライチネン小屋(2405m) がさらに北のほうに見える。約1時間かかる】

 いくつかのガイドブックでは、この「北側からの眺めが正面」のように書かれています、北からの眺めのほうが均整が取れているということでしょうか。ずっと北の先に小さく、Dreizinnen-hutteドライ・チネン小屋(2405m)の赤い屋根が見えています。さてあの小屋まで往復するか、トレチメをぐるっと一周して戻るか、それともここで引き返し来た道を帰るか・・・時間的に悩むところです。

 ドライ・チネン小屋のほうから歩いてきた、大柄のカップルにちょっと聞いてみます。
「あの小屋から来たのですか?どのくらいかかりますか?」
「ドライ・チネン小屋から来たんだが、我々の足で25分。多分日本人なら40分かかるね」
 そのドイツから来たと言う青年、確かに2m近い身長とたくましい体、彼女のほうも筋肉質です。でもちょっと言い過ぎたと感じたのか、
「日本人はいいエンジン持ってるんだけどね」と、冗談ぽく、自動車にたとえて言葉を添えてきました。

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【374.jpg:トレチメの北壁面とゲンチアナ(ゲンティアナ・ヴェルナ Gentiana verna スプリング・エンツィアン:春リンドウ)】
 小屋を往復すると往復2時間弱、一周するとさらに必要なので、引き返すことにします。その前に少しだけ北のほうからトレチメの岩を眺めることにします。

  ⇒【●2011年の旅で、一周しました
  ⇒【●Tre Chime di Lavaredoトレチーメ・デ・ラバレード一周:峠情報

 トレチメの岩の形を見ながら、2-300m北に散策です。あたりには光るような青色の小さなゲンチアナ・・この花の名は覚えているのですが、ピンクがかったこの花はなんと言うのでしょう?ナデシコ系のようにも見えるし、ゲンチアナの色違いのようにも・・・     【●花の図鑑へ

 時々ぽつぽっと水滴が体に当たってきます。暗い雲がかかり、急に寒い感じがします。すると、付近で花びらを開いていたゲンチアナがみな花弁を閉じ始めます。過酷な気温や天候の中に咲く花たちは、こんな風に開き加減を調節して虫の来るのを待つんですね。

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【360.jpg:Mte.Paterno/Paternkofel(2744m)と、右のトレチメの方角】

 13:40 雲行きが怪しくなってきたので、急いで引き返します。アウロンツォ小屋14:30。まだ雨は降ってきませんが、ここまで来れば駐車場まですぐ。体も冷えたし・・・あ、昼食べてないですね。ということで、暖かい具沢山のスープをゆっくり、小屋のレストランで飲みます。

 15:00 車に戻ろうと小屋を出たところで、大雨になります。傘は持っているのですが・・・スコールのような雨、横殴りの風も・・・

「なるべく高いところに駐車したほうが、登りには楽だろう」と思ったのが間違い。小屋からこの土砂降りのなか、急な登り道をほとんど走るように、5分くらい?、息をきらせて車まで戻ります。傘はさしていましたが、背中、両腕、ズボンまでしっかり濡れてしまいます。前回同様今回も、(土砂降りで)ほとんど何も見えない有料道路を急いで下ります。

<トレチメディラヴァレード関連のWebサイト>
 ○http://www.republika.pl/cykloid/str/dolomity/12sie.shtml【ポーランドの若者の旅:サイクリスト+クライマー】

 ○http://www.worldwar1.com/itafront/trecime.htm【La-Grande-Guerra:トレチメの山と第一次大戦】


<サン・アンジェロ峠から北に・・・今日はオーストリア・カルティッシュの村に泊まろうと決めます・・・>
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