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Bled/Blejsko-Jezeroブレッド湖

Bled/Blejsko-Jezero
ブレッド湖-2
 灼熱の湖畔。ここは地中海の海岸でもないのに「エーゲ海の法則」をなぜか守ってしまいます。

 たそがれ時のベランダと、翌朝のアルプスを眺める散策、快適な気温です。が、冬は「クソ寒い」ようですね。
[北村 峠一]      


 エメラルドの絶景を、ビールやワインで少しほろ酔い気味の下り道、耳にさわやかなコーラスが聞こえて来ます。信じられないような美しい、すんだハーモニーはどんな美女たちが歌っているのか、すごく興味があります。あのポストイナで深夜聞いたコーラスは、結局その美女たちを見ることが出来なかったのです。
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【266.jpg:はりのある、美しいハーモニーの音源を見ると!】

 で、その木立ちのむこうを見ると、なんと立派な体格の、かつてのほっそりした美女たちがそこにいました。大きな期待と夢、そして現実。でも数人が集まると自然に出てくるこのコーラス、この国、旧東欧の国民的な誇り、素晴らしさと言えます。

 猛烈な暑さです。6月半ば日曜の昼下がり、皆さん水を求めて湖岸で遊ぶのです。 水の滑り台でキャーキャー言いながら遊ぶ子供たち。光る肌をさらに焼こうと日光浴をする若い娘たち。湖に張り出した枝にロープをかけたり、飛び込みをする若者グループ。しばらく行くと、ボートレースのゴール付近の岸辺や、遠浅の砂浜は、家族連れの人たちで大賑わい。その人びとが寝そべって日光浴しているすぐ横を、長袖をまくりあげ、長ズボンにトレッキングシューズの僕たちは歩いて行くのです。

bled bled bled【269.jpg:水の滑り台は、子供ばかりか大人たちもはしゃいで】 【271.jpg:この猛烈な太陽は、若い娘たちの肌を真っ赤に焼くのでは?】 【288.jpg:ターザンごっこ?多分高校生ぐらい】
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【274.jpg:豪快に湖に飛び込む娘】

 湖の周囲は、ずっとそんな風景が続いています。ピランの海でも見た、あの美しい胸を見せてくれる若い娘たちもたくさん。村上春樹(『遠い太鼓』講談社文庫p75-)の「エーゲ海の法則」・・・<ギリシャの島では、北欧からの旅行者同士は、そんなぽろっと出した胸に、全然気づかないという顔をする>・・・の気持で、その寝そべったあいだをさっさと通過します。なぜか少し前から「ビデオカメラなんか持っていないよ」と、ウエストポーチの中に入れてしまっている自分も見つけました。本音はやっぱり「地元の、ゾルバ系ギリシャ人」のように、純粋な好奇心でじっくり見たがっていたのです。そして「Webサイトに掲載して、みなさんにも」・・・残念です。

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【2b7.jpg:西の湖岸。ずっとむこう目を凝らすと】


 ブレッド城の対角線の位置から見る、城と教会のアングルです。遠くに見えるのはオーストリア国境のKarawankeカラヴァンケ山脈。ヨーロッパアルプスの東の端、Hachstwhlハックトゥィル山(2237m)などにまだ雪も少し残っています。

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【2d1.jpg:小島の教会と城を見る角度は、この付近がいい。左むこうはカラヴァンケ山脈、一番高いのがHachstwhl(2237m)か】

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【2d2.jpg:島には聖マリア教会以外にも、いくつもの建物が。右に渡りのボートが止まっている】

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【304.jpg:バロック様式の聖マリア教会。
願いをかなえようとする人たちで、
しょっちゅう鐘が鳴っている】
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【ブレッド湖の最高の展望地は、城と島を組み合わせた2地点?】

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【2e4.jpg:手漕ぎのゴンドラが何艘も、
聖マリア教会のあるBlejski-Otok
ブレッド島に】
 さらにホテルVilla-Bledヴィラ・ブレッド、ユーゴスラヴィアの建国者、チトーの別荘だった付近からの眺めもなかなかです。あの島の船着場、何艘もの手漕ぎボートが着き、教会の鐘の音が鳴りつづけています。
「鐘を7回鳴らして、1つだけ心の中で願い事を唱えると必ず叶う」との言い伝え、一人旅の女性が多いように見えますが、本当に願いがかなうのかもしれません。

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 ガイドブックには「湖一周は、ゆっくりで3時間」とありましたが、城に寄り、ビール・ワインを楽しんだ散策は、猛暑も手伝い、結局5時間近くかかってへとへとです。夕食はスーパーで食糧を買って、部屋のベランダで食べることにします。

 風呂でさっぱりと汗を流した後の、涼しくなった空気を感じるベランダのテーブルです。隣の庭では、家族総出で大きな木に登りサクランボを取っています。ベビーカーを引いたカップルや、素晴らしく美人の娘と手を取り合った若者や、二人連れの自転車が下の小道を行き交います。・・・ビールとワインをまたもゆっくりと飲みながらの夕餉・・・スロベニア最後の夕暮れ・・・徐々にたそがれ、すっかり暗くなるまで・・・

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【左:325.jpg:今日の夕食はテラスで。暑かった日中も、夕暮れ時は涼しくなる。明日昼の分も含め:ハム・サラダ(470\)、ビール(100\)、トマト(140\)、カンズメ(390\)、キューリ(\30\)、パン(160\)、ケーキ(160\)】

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【上:339.jpg:夕暮れ時の南・西側の山を見ながら、ゆっくり飲むビール・ワインはなんとも嬉しい】

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 翌朝、今日もすばらしい青空です。食事前、宿の近くの牧草地まで周りの山を見に行きます。Julijske-Alpeユリアン・アルプス、Karawankeカラヴァンケ山脈、Kamnisko-Savinjske-Alpeカムニシュコ・サヴィンスキー・アルプスの360度の眺めです。

 今日はトリグラフ(トリグラウ)の山をほぼぐるっと一周し、スロベニア最標高峠のVrsicヴェルシェッツ峠(1611m)を越え、Predilプレディル峠でイタリアに抜けるつもりです。昨日隣のおばあさんが指差した山の方向には、さらに高そうな山も見えています。トリグラフ(トリグラウ)山はどんな形に見えるのかも楽しみです。

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【384.jpg:(左)南〜(右)西側のJelovicaの山々。中央のくぼみの先がボヒニ湖方面。その右にユリアンアルプス】

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【395.jpg:(左)北〜(右)東側のオーストリア国境の山々。左半分はKarawankeカラヴァンケ山脈、一番高いのがHachstwhl(2237m)か。右方向の山脈はKamnisko-Savinjske-Alpeカムニシュコ・サヴィンスキ・アルプス】

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【3b5.jpg:西の山を拡大。左の二つの山のどちらがトリグラフ(トリグラウ)(2864m)の山だろうか。おばさんは右を指差したように思えたが、左のほうが高そうだしWebの写真でも左に似ているし?】

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【3b9.jpg:東の山を拡大。このきれいな三角はGrintavec山(2558m)のようだが。右下の教会の塔、多分5km先のRadovljicaの町。】


【ブレッド周辺の山脈と主峰。R907の地方道は眺めがよい】

●Sobe(プライベートルーム)
 Stojanovic-Janja
 (ストヤノヴィッチ・ヤニャ)のこと
  (Najem-Dvoposteljne-Sobe**)
 ・住所:Finzgarjeva 23a,SI-4260 Bled -Slovenija
 ・tel-+386-4-574-4545
 ・宿代:6288Sit≒3800\/2人
 ・朝食:2200Sit≒1300\/2人
  部屋はきれいだし、安いし、言うことなし。
 朝食代(2200Sit≒1300\/2人)のみ、この宿に直接払うしくみです。手持ちのトラールは、5000Sit(≒3000\)札とコインだけ。そしておばさんは、お釣りが無いと言います。え?そんなことってあるんだ。「じゃーユーロで」というと、待ってましたというような大喜びの表情。この国のユーロ信仰?やはり価値が高い通貨なのです。

 このソーベ「Stojanovic-Janja」の読み方は「ストヤノヴィッチ・ヤニャ」だと言います。カタカナでメモ用紙に書いているのを見たおばさんが、またも息せき切って持ってきたものは、宿の寄せ書き帳でした。そして「これは何と書いてあるのか」と聞きます。

bled 【3c7.jpg:このパンが美味しい】
 そこには『1999.12.xx。寒い寒い雪の道を、インフォメーションで教えてもらってこの宿に来た。旅行中に靴は破れ穴があき、2重に履き重ねた靴下もすっかり濡れ、冷たくなってこの宿に着いた。・・・冬のスロベニアは、「クソ寒い」ところだ。』
などと日本語で1ページ、びっしりと書いてあります。一文一文英訳し、説明します。痩せた若い男の子が書いた、詩のようにも読めるその文章には、おばさんも、朝食をいっしょにしていた若いカップルも、満足そうでした。

 ただし『クソ寒い』のところは、『本当にいい所』と訳してあげましたが。

●ブレッド湖に関連する人びと

Titoチトー/本名Josip Broz (1892〜1980)
 【世界歴史文化年表:写真と略歴】
サイバー・ユーゴスラヴィア歴史研究省
 【JTさん:チトーのパルチザンチトーのユーゴなど】
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●Bled関連のサイト
観光ガイド
sloveniaholidays.com
 【Hotels/Rooms/Pensions/Apartments/Tourism on the farm/CampsなどSobe宿の情報も】
 bled 【132.jpg:もう早くも暑い日差し。真っ赤なユリはスロベニアを思い出させる】

<宿の奥さんの薦めは「主要道(R202)より、R907の道のほうがずっと眺めがいい」とのこと。なるほど山のよく見える、自然一杯の田舎道でした・・・・>
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