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Bohinjsko-Jezeroボヒニ湖

Bohinjsko-Jez.ボヒニ湖
 たそがれ時の絵のようなシーン、湖畔のオートキャンプが私の理想なのですが・・・

 インフォメーションの女の人の態度など・・・ちょっと疑問です。
[北村 峠一]      


 <Slap-Savicaサヴィカ滝の記述を先に書いたので、前後しますが>

postojna-bohini-map
【赤は大分水嶺、緑は走行ルート】
 2泊したポストイナを発ち、ほぼ大分水嶺に沿った山道でB.Sedoloボヒニ・セドロ峠(1307m)を越えると、ドナウ川の源流Sava-Bohinjkaサヴァ・ボヒニ川のあるTriglav トリグラフ(トリグラウ)国立公園に入っていきます。そこにあるスロベニア第二の湖がBohinjボヒニ湖(海抜523m)です。

 すでに1時を越えお腹もへってきたので、目の前に見えた湖畔に近いホテルに車を停め、テラスに座ります。ここは国際学会の会場になっているのか、海外からのお客さんを前に挨拶や説明が行われたりと、英語があちこちから聞こえてくる国際的観光ホテルでした。

 混んでいるせいか、なかなか注文に来ません。 時間つぶしに周りに座っている人たちを観察すると、大きなパラソルで暑い日差しを避け、お金持ち風のお年寄りたちが、昼からステーキなどの食べ物、冷たく美味しそうなビールをジョッキーで飲んでいます。僕たちもぐっとビールにしたい気持ちですが、宿を決めるまで「もう少しの我慢」とこらえます。

 やっと来たウエイトレスに、この湖の名産という「黄金のマス」を注文します。サイズで値段は決まるというので「大きいのか?」と、6-70cmほど腕を広げてを聞きますが「それほどではない」と笑っているだけ。サイズ指定はなぜ出来ないのでしょう、それとも言っていることが理解できなかったのでしょうか?

 焼くのに時間がかかっているのか、なかなか来ません。あまりに大きいのが来たらどうしようかと思っていたのですが、出てきたのは40cmほど(40cm*40Sit=1600Sit≒960円)。けっこう食べごたえのあるボリュームでしたが、お腹もすいていたし味も淡白でなかなかです。

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【107.jpg:「黄金のマス」、サーモン、サラダ、ポテト】 【343.jpg:ボヒニ湖の桟橋から見えた料理前の「黄金のマス」】

 この湖付近で2泊しようと考えています。スーパーで夕食の材料など買い、朝食だけの安い宿を見つけようかと。食後、インフォメーションに宿の情報を貰いにいきます。

 ここで、オヤ?と感じたのです。案内所にいた50歳ほどの女の人の態度。妻が「この付近で泊まりたいのですが」と聞くと、パンフレットを投げるように渡し、特に用事があるわけでもないのにむこうを向きそっけない。

 で僕の方から、その資料のいくつかのホテルと民宿(Privateプライベート/Sobeソーベ)の場所などを聞くと、普通に応対してくれます。一瞬この人は、日本のおばさんが嫌いなのではないかと感じたのです。自己主張の強い日本の一部のおばさんを思い出したからです。でも考えてみると、このスロベニアの山に日本の団体客や、おばさんたちって来ませんね。

 貰ったパンフレット・価格表を見ながら、車で湖の周りをいくつか探します。民宿(朝食つき14Eur≒3300円/人程度)で湖が眺められそうな場所は見つからず、いくつかのホテルも場所・建物など気に入った宿が決まりません。

 山の散策に便利そうなホテルに切り替え、フロントで価格を聞くと8900Sit(≒5300円)/人。「え!」と一瞬高いなーとつぶやいたら、「たった40ユーロなのに!」とカウンタの人が返してきます。昨日までの宿が2人2泊で20000Sit(≒12000円)だったのに。が、このホテルは夕食も付いた価格でした。 民宿レベルでも3300円、ホテルの設備と食事代で2000円アップの計5300円/人は確かに安いのですが、どうも以前の円高の時の感覚が残っています。この三つ星Hotel-Zlatorogツラトルクはまず1泊だけたのみ、状況で連泊することにします。

 4時を過ぎていましたが、7時の夕食時間までに片道1時間半というSlap-Savicaサヴィカ滝に行ってってみることにしました。

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【湖の右下がインフォメーション。湖の左にHotel-Zlatorog。
 左隅がSlap-Savicaサヴィカ滝】

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【129.jpg:プライベートの宿(SOBE)や、ペンションへの案内板】


−−−−−−−
 滝までの山歩きは、往復・急いで2時間半でした。ちょうどホテルには数台のバスが到着し、ドイツ系の団体客が次々とホテルに入っていきます。日に焼け、太り気味、エネルギッシュな50-60歳台のおばさん、おじさんたちです。どうやら少し前からここに滞在し、毎日周囲の観光地などに出かけるような、そんなスタイルの旅をしているようです。

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【138.jpg:Hotel-Zlatorog。右の林の中にVila-Zlatorogがある】

 夕食は、珍しくセルフサービス(日本でいうバイキング・スタイル)。あの団体さんたちもディナータイムの7時にはレストランに入り、我れ先にと料理の前に並び、皿に盛り上げ、テーブルに運んでいきます。そして会話もせずにすごいペース、よく食うよなーとあきれるほどです。若い頃のあのほっそりした身体も、40歳くらいからの猛烈な太り方ですから、食べる量もすごいのです。そして次々とお代わりに並び、うまそうな料理はさっさと終わってしまいます。

 こんな状況で、体重のそれほど無い僕たちは、その混雑から弾き飛ばされてしまいそう。さらに食い散らかしを食べているような気持にも。 そこに来て僕たちの席は壁に沿った2人掛けのテーブル、あまりゆったり出来ない席、長期滞在の人たちのゆったりした席とは段違いです。

 こんな風に居心地も良くなく、食欲もあまり湧きません。頼んだビールが来てやっと料理を食べ始めた頃、早い人たちはすでに部屋に帰る支度です。セルフサービスの場合は、いつまでも会話したりせずさっさと席を立つのですね。

どうもこの食事スタイルは好きになれません。峠付近の安宿の夕食、お婆さんが作る田舎料理、何が出てくるのかワクワクしながら待って、形や味にも驚きながら、飲みながらゆっくり食べるスタイル。1時間半くらいはかかるように思うのですが、やっぱり旅の楽しみの一つなのです。
−−−−−
 食後、疲れたと言う妻を部屋に残し、このホテルからは木がじゃまして見えないボヒニ湖に散歩に出ます。水辺はオートキャンプ場、トレーラーやワンボックスのキャンピングカーが一杯です。湖に近い場所は人気があって、トレーラーに引き込む電源ケーブルは、タコ足状態に分岐し芝の上にうねっています。

 いいですねー、いずれはこんな風に車にキャンプ道具積んで、夏シーズンの3カ月〜半年をのんびりと旅行するのが夢なんですよ。 (ただし、これは僕個人の希望、妻はホテルでないと嫌だと言います。「こんなところまで来ても毎日料理作っていたら、家と同じ」と。)

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【224.jpg:ボヒニ湖の水辺は、オートキャンプ場・・・海抜523m】

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【208.jpg:夕暮れ時の湖は、いいですね】

 すでに8時半を回り、キャンパーの皆さんの食事も終わっています。日本のキャンプ地と違い大きな声でしゃべったり、音楽流したり、花火をしたりしません。たそがれ時のボヒニ湖の水面に、墨絵のようになった山が写って。

 本当はやんちゃそうな、でもおとなしくしなければならない坊やが、水辺に暇つぶしにブラブラとやって来ました。大人も暇なのですから、子供なんかどうやって時間つぶしたらいいんでしょう。僕のビデオカメラを見ています。ちょっと手を振ると知らないふりをしてむこうを向いてしまいます、でも見ないふりをしながら足の間からこっちを見たり・・・・

<坊やとの無言の会話>
・僕はどこからきたの?−−−ドイツの方から。お父さんがキャンプ好きなので、あの車で来て3日目なんだ。でも遊ぶとこ無いからつまらないんだ。
・おじさんはキャンピンクカーで旅行するほうが、楽しい思っているんだけどなー?−−−家にいたほうがまわりの家や、幼稚園の友達と遊べるから、ずっと楽しいよ。
・僕は女の子にもてるだろう?−−−幼稚園の女のともだちも一杯いるよ。家の近くにもね。
・あ、カモの親子が泳いできたよ。−−−うん、さっきも来てたんだ。でもお母さんが食べ物あげちゃいけないって言うし、つまんないんだ。

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【255.jpg:ビデオを見て、可愛い坊やがこちらをチラチラ。でも恥ずかしくなって、足の間から見てみたり、カモの子供達を見たり。ほんとに可愛いですね。】
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【262.jpg:お母さんに連れられた女の子たちの家族、パンなどを投げ与えて】

夜が来て−−−−−−−−朝が来て

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【300.jpg:食卓のプレートに「JAP(日本人)」と書いてある。
 319号室だけでわかるのに?】


 当初、この湖で2泊を予定していたのですが、宿探しでほとんどの場所を見てしまったし、食事もどうも合わないし。持ってきたガイドブックによると、下流にあるブレッド湖を絶賛しています。でここは1泊で切り上げ、もう1泊はその湖にしようと決めました。

 朝の食堂に行くと、食卓のプレートに「JAP(日本人)」と書いてありました。319号室だけでわかるのに?どうしてでしょう、はじめてのことです。

 昨日の観光案内所の女性の態度、この食堂での席の場所やプレートなど、もしかすると東洋人に対して、蔑視感のようなものがあるのかな?と感じたのです。このスロベニアの国に入って初めて、他のアルプスエリアの国などでも感じたことの無いことでした。あるいは、急に国際的になったこのボヒニ湖という観光地の人の持つ、有色人種に対するプライドのようなものなのかもしれません。

●Hotel-Zlatorogのこと

・住所:Ukanc65.SI-4265 Bohinjsko Jezero
・tel-+386-4-572-3381
http://www.bohinj.si/alpinum/zlatorog/
・ハーフボード:2食付きで8900Sit≒5300\/人
 7900Sitの Vila-Zlatorog(7900Sit)が
 すぐ脇にあったので、そちらのほうが
 お徳?。(食堂は同じ)
・宿の設備はなかなか良い。当時3★だったが、
 最近のWebでは4★に変わっている。
・料理はボリュームあるが、団体客向き?

 この湖の名産「黄金のマス」は、ナチス・ドイツが第二次大戦中に持ち込んだといいます。彼らの人種に対する差別は異常でしたが、もしかするとそんなカゲもこの地に残ったのかも知れません。さらに憶測をすれば、昼のレストランの注文や料理の遅いこと、ホテルのフロントの笑顔のない態度・・・


 暗い憶測を考えるのは止め、今日も空はまっ晴れ、楽しい旅に出発しましょう。

 9時に車に荷物を積み込むとき、あのドイツの団体さんたちのバスも出発でした。今日はどこに向かうのでしょう?

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【315.jpg:東側のテラスから見るHotel-Zlatorog】


<ボヒニ湖に沿って途中の二つの教会に寄ってみます。そしてブレッド湖へ・・・・>
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