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【458.jpg:5人できていたお客さんとは記念写真を】

Lovrenc na Pohorju ロヴレンツェ・ナ・ポホリュ村-1
はじめての国での、はじめての宿。言葉は通じないし、ヒゲもじゃのおじさんは出てくるし、どうなることか?

このフレンドリーな国・村・ペンションのことは、一生僕たちの心の中に残るでしょう。
[北村 峠一]      


<2003.6.10(火)>
 今、そこで道を聞いた散歩中の老夫婦は、ちょっとシックな雰囲気でした。

「ペンションはこの道でいいんですよ。自分達も・・」(この先の言葉、理解できなかったけれど)
「あの夫婦も同じ宿なのか、だったら話も出来るしちょっと安心」と思うほど、彼らはインテリ風でした。結局この2人にその後会うことはありませんでしたが、以降顔を合わせた人たちほとんどは、林業にドップリの労働者とその家族の雰囲気でした。


lovrenc-map  細い道を入って行ったそのペンションは、高い木立と大きな前庭をもった敷地にあり、2-3台の車も駐まっていたのですぐにわかりました。
「よかったー」 泊まれるかを聞きに入口に近づいたとき、今まで見たこともないほどのヒゲもじゃの顔が。そして戸惑って話し出すのが一瞬遅れた私に、握手を求めてきて。
「あー、ここは大丈夫だ」とさらに安心します。   【●旅の絵本へ

 はじめての地方に旅し、特に田舎の宿に行くと、出だしはいつもたどたどしいというか、「英語」対「現地語」での会話はたいてい通じないものです。でもこちらの「泊まりたい」という意思は通じているし、単語・ジェスチャ・筆談などで、「夕食込みのハーフボードが一人あたり6300Sitトラール」(まだこの通貨単位、はっきり覚えられず「ターラー」などと言って笑われますが)二人で7千円程度、やっぱりスロベニアは安い。そのあと、宿の親戚の英語の出来る子と電話で話し、2食付きの値段であることなどを再確認し僕たちも安心します。


 夕食・朝食の時間を聞いて部屋に荷物を運び込みます。1つ星のペンション、日本のペンションと同じく、風呂・トイレが共同なのですが、いい部屋です。バスタブに湯を張りスロベニア最初の日の、運転と宿確保の気持ちの疲れを取ります。

 夕食の少し前、早めに庭に出てみます。村の名前は「Lovrenc na Pohorju」後で読み方を教えてもらい「ロヴレンツェ・ナ・ポホリュ」、宿の名前は「PENZION JURI」ペンション・ユリ。広い庭の一角にある掲示板には、村の催し物らしい民族衣装の男女の絵、数日前の日付、FOLK・・とあるので、先週末、民謡か踊りの催しがあったのでしょう。

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【232.jpg:村の名前】 【213.jpg:ペンション・ユリ】 【214.jpg:村の掲示板には、6/6に行われた催し物、民族衣装のチラシが。PETEK,6.JUNIJ2003,OB19.00URIとあるのは、2003/6/6 19時から始まるという意味でしょう。】

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【1e4.jpg:広大な前庭にはバラが。周囲には高い木立が】

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【1e8.jpg:村のほうを見る】

 夕方7時を過ぎた木漏れ日は、暑かった太陽を忘れるほど涼しい風を運んできます。が、やっぱビールでしょう。日中の暑さは、体が水分を欲しがっています。おいしいですね、ここのテラスで飲むビールは。

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【224.jpg:3人家族と宿の奥さん】
 隣の席に子供を連れた夫婦がいます。ビール、ワイン、アイスクリームで涼みに来ているのです。鼻が曲がったご主人、子供のほうも腕に刺青のようなものをしています。一瞬ヤバイ人たちかなと思いましたが、チラチラとこちらを見ているので話しかけます。
「いくつですか?」「えー3歳?大きいですね。可愛いですね」誉められて喜ばない親はいないですね。そのうち子供のタトー(刺青)はシールだとわかって、何かの時にと持ってきた浮世絵のシールをあげます。単語だけのチンプンカンの会話が、食事が運ばれて来るまで続きます。


 さらに入れ違いに入ってきた5人家族、老夫婦・お父さん・男の子2人。このおじさん、最後に握手して別れる時、指が何本か無いことに気づきました。先ほどの人もそうですが、林業のこの村、チェーンソーなどの機械でケガをした可能性が大きいですね。子供は3歳と5歳。大人の背は日本人とそれほど変わらず小柄ですが、子供はかなり大きく感じます。特に3歳の子、お兄ちゃんより大きいような気がするんです。最近の栄養事情がいいのでしょうか。

「どこからどんなルートで走ってきたのか」「あの山の峠に行くのか、一度村のセンターに戻って、左に。ポストイナ、アドリア海・・・うん、うん、いいところだ。」このおじさんと会話するころには、もうかなり異国語の変換理解がスムーズになってきて、互いに知っている単語で話していても通じてくるのです。

 途中で話に入ってきた宿の主人が、このおじさんに
「お!、あんた英語でしゃべっているのかい?」このおじさんもまんざらでないようで、
「うん?まー」と言っていましたが、単語で地名などをしゃべっているぶんには、理解しようという気持ちさえあれば通じるんですね。そしてますますフレンドリーに。
「記念写真は、この宿宛に送るので」などと。


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【228.jpg:ディナー:まるでしょうゆ味かと思うような卵とグリーンの入ったスープ。豚のちょっと濃い味と、ジャガイモ・米・そしてイチゴのさっぱりした味はいい取り合わせです。】

 まだこの国では、パスポートでの宿への記録が義務づけられているようで、用紙に書き込みます。さらに分厚い宿のノートにも。このノート、住所や氏名以外にe-mailやURLなど今風の項目があり、ちょっとした落書きをする欄に、「ミュンヘンからオーストリアを経て、このスロベニアの国の、あちこちの高い峠などを通過し、イタリアに抜ける」などと書いて、奥さんと話します。
この話のなかで、「今日が僕たちの30年目の結婚記念日」と話したら、食事の終わりころ「おめでとう」と、2輪の大きな赤いバラを頂きました。

 初めての国・はじめての宿・言葉もよくわからない不安状態から、この宿・村の人たちのフレンドリーさ・やさしい気持ちに大感激します。ペンションのご夫妻は「自分達は46歳43歳、結婚23年」と紙に書いて教えてくれます。何枚も撮ったこの村での記念写真、妻が今描いているスケッチを沿えて近いうちに郵送しようと思っています。

●Lovrenc na Pohorju のPenzion Juliペンション・ユリの情報

・住所など:
 Penzion-Juri (ペンション・ユリ:1つ星)
 Miki-Dara-Savic (Mikiさん,Daraさん夫妻経営)
 Ob Radoljni 89
 2344 Lovrenc na Pohorju, Slovenija
・URLなど:
 http://www.lovrenc.si/slo/gostinci/juli.html
 telefon: 02 675 14 01
 e-mail: julija20@usa.net

・宿(2人2食付):12,600sit(≒7600\)
・喉にすっきりの生ビール1杯:250sit(150\)
・地元のおいしいグラスワイン1杯:320sit(190\)
  (1Eur=@140\=@231Sitトラールで換算:2003.6現在)
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【459.jpg:ペンションの夫婦:Miki-Dara-Juliさん】

  ★10年後の2013.6.13、「PENZION JURI」ペンション・ユリは閉鎖されていた・・引っ越されたとのことだった>


<スロベニアでの最初の夜がふけ・・・さわやかな朝がやってきます。・・・・>
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