【197.jpg:カッチュベルクヘーエ峠は、左ケルンテン州、右ザルツブルク州の境。
州の紋章が掲げられている】
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Katschberghoheカッチュベルクヘーエ峠(1641m)、Innerkremsインナークレムス村 この峠はザルツブルク州とケルンテン州の境【●峠のDBへ】。こんな村に泊まりたかったんです。
今は州境として自由に行き来できますが、19世紀の初めまでは、片や教会領・トスカーナ領・フランス領・バイエルン領、もう一方はハプスブルク領と、厳重な国境だったのです。[北村 峠一].(eu-alps)
<2003.6.9(月)>
ザンクト・マルチン村からザンクト・ミヒャエルを経由し、Villachフィラッハへの一般道を行くと、ほんのわずかの小高い場所に、スキー客用の橋が道路の上に見えてきます。
【197.jpg:峠の真上には、スキー客用の橋が道路をまたいでかけらている】
【210.jpg:いろいろな種類の道標が設置されている。古代ローマの道標も円柱が多いが、少し違うかも】 【1b5.jpg:峠を見下ろす位置にはキリスト像が】
カッチュベルク峠(1641m)に到着。【●峠のDBへ】 車を停め付近を少し散策します。道の両側に比較的大きなホテルとレストランが建っていますが、次々と来るツーリングのバイク客はちょっと車を停めるだけ。ハイキングに来たらしい親子も、車を駐車してすぐに山に向かいます。きっとスキーシーズンと、真夏のピ−ク以外は宿もがらがらなのでしょう。
道標がいくつか見えます。カラフルなデザインの、ザルツブルク州とケルンテン州の紋章が付いたブロンズのモニュメント。これは多分最近作られたものでしょうが、このふたつの州は歴史がかなり違うのに、紋章はライオンの数が違うだけですね。
ザルツブルク州は長く教会領、ハルシュタット・ザルツブルクの岩塩での利益を固守し独立していたのですが、1802年にトスカーナ領に、1805年オーストリア領に、1809年ナポレオン統治のフランス領、1818年返還。
片やケルンテン州は1335年からハプスブルク領で、ずっとオーストリア領だったのです。この峠もその変化の都度閉鎖され、旅する人たちは厳しい検問を受け、高額な通過税や物品税を取られたのでしょう。
道の反対側に、円柱、角錐、墓標型の道路標識が見えます。ローマ時代のマイルストーンや、中世の道路標識でしょう。距離が表示されているはずですが、古いものは風化して文字も読めません。
さらに丘の上にはキリスト像。今のように車で安全な旅が出来ない時代、大雪・暴風雨などで数多くの旅人が命を落とし、埋葬されたのでしょう。
【212.jpg:ツーリングのメンバーが北に向かって走り出す。遠くに見えるのは、オーバタウエルンの2800-2600mクラスの山】
【1c7.jpg:左にカラフルな州の境のカンバン、正面は北方向・タウエルン方面】
【199.jpg:道の反対側から・・左(南)がフィラッハ方面に下る】
【map:Katschberg峠から南下し、国立公園の縁に沿って東に】
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峠を南に下ります。急激な下り道はしばらく行くと、なだらかに。さらに下ると、高速道路がV字型の谷の上空100m以上もありそうな橋脚の上に作られているような、谷底の道を行くのです。
【219.jpg:Liesertalは開らけたところと、急な谷が次々と現われる】
Kremsbruckeという地名の場所が分岐点なのです。高速道路が見上げるように高いところを走る、日中も日の当たらないような村。ちょっと交差点を行き過ぎましたが、無事戻って東の方向に。国立公園に沿った、のどかな谷を行きます。
【22.jpg:木の柵の向うに黄色の花が咲き、牧歌的な風景の先にInnerkremsインナークレムス村が現われる】
【62.jpg:この村いい雰囲気です。思わず泊まりたくなります。次回は是非】
素晴らしい村です。Innerkremsインナークレムス村です。牧場全体が黄色に輝き、山の濃い緑をバックに教会や村の建物が浮き出て見えます。
「こんなところに泊まりたい」そうは思ってもまだ午前中、この先Schonfeldシェーンフェルト(美しい平原)の峠に往復するので、ここに戻ってきたときにどうするか決めましょう。でも、絶対いいところです。いつか機会があったら絶対。・・・皆さんにもお奨めします。
【75.jpg:右にNokalmstrase、国立公園。左はSchonfeldシェーンフェルト(美しい平原)、Thomatalトマタール・・・昨日走ったところ】
【71.jpg:僕たちは一度左へ】 【63.jpg:右・・NockalmStrase ノックアルム自然公園道路へ】
<左のシェーンフェルトに峠があるはず、往復してきます・・・>
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