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Althofenアルトーフェンの見事な壁絵

Althofenアルトーフェン
 丘の上、城、教会の見えるこの広場に面した3つの宿は、すべてお休み。

 親切な宿、Pilzピルツ(きのこ)が、困っている僕たちを泊めてくれたのです。Fritzさん、やさしい恋人さん。本当にありがとう。
[北村 峠一].(eu-alps)      


<2003.6.9(月)>
 フリーザッハから次の峠方向に向かうには、Althofenアルトーフェン付近で東に向かうのです。どうやらあの丘の上に、城と高い教会の塔の見えるあたりと、それを目指して走ります。

 ちょっとした町を抜け、城の前の広場まで登って来ました。広場の回りには何軒かの宿のカンバンが見え、まずラッパのマークのガストフへ。薄暗い店の中で泊まれるかと聞くと、「今日は祝日で閉まっている。ベッドはない」・・残念

 2軒目は、あの正面に見える白い建物、店の前でお茶をしている人影が見えたので、これは大丈夫だろうと思ったのです。
が、「今日は閉まっているんだよ」「さて困った、どこも休みなんです」
「あのガストフはあいているはずなんだが」「今行ったんですが、休みなんですよ」
「そうなのか、ちょっと待っていろよ、電話してみるから」
そのガストフの人は奥で電話をしている風です。やはりだめだらしいというのを確認してか、次に電話しているようです。
althofen-map
 もし駄目だったらどうしましょうか。4時でまだ日も高いのでフリーザッハまで戻って、あの高い4つ☆に泊まるか、さらに峠を越え30kmほど先に町らしいところまで行くか?

「あのガストフで泊めてくれるよ。さっきのガストフの横の宿。ドアは閉まっているけど、あの扉を開けて中に入るといいよ」「ありがとうございます。」

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【448b.jpg:ラッパの宿は休みと断られ、正面の白い建物の宿も休みでしたが、電話問い合わせで宿を紹介して貰いました】

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【1c2.jpg:このガストフPilz(きのこ)に泊めてもらえることになりました。マスターのガールフレンドとの旅の会話は、実に楽しいものでした。ビールも一杯飲んだし】

 先ほどのカフェからの連絡で迎えに出てくれた、若いダンディーな主人は、僕たちを広ーーい、内装の素晴らしい部屋に案内してくれます。テラスでお茶が飲めるというので、建物の西斜面の庭に出ると、そこからは町全体を見下ろせるすばらしい場所。まさにカフェテラスです。英語が話せるお相手になのか、出てきてくれたのはこの美人、マスターのガールフレンドでした。ビールをお代わりしながら旅の話などで盛り上がります。連休であちこちが休みになっているとき、彼女も、宿のマスターのところに遊びに来ていたのでしょう。休みを返上して泊めてくれるなんて、本当に大感謝です。

 広場からは見えなかったのですが、このテラスには入れ替わりで次々と若いカップルが来て、お茶をし、だべっています。この地元の人しか知らない、町を見下ろす絶好のレストラン、店のウェイターたちも忙しそうです。

 一度部屋に戻り、風呂でさっぱりしたあと、夕食のためにまたこのテラスに戻ってきたのです。スパゲティやピザを食べながら、爽やかな西からの風や、フィラッハ方面の眺めを見ていると、遠くから黒い雲が急に押し寄せてくるのが見えます。そうこうしているうちに、あたり一面が急に霧の中にように煙ったと思った直後に大雨。下の町からも、テントの隙間からも猛烈な雨が吹き込んできます。

 ワイングラスを片手にレストランの室内に逃げ込み、回りの若いお客さんたちの会話を聞きながら食事を終えるころまでも、この激しい雨は続きます。部屋に帰り、いつ寝たのかも定かではありませんでしたが、深夜、若者たちが下の広場で、いつまでも話している声を夢の中で聞いたような気がします。
−−−−−−−
<2003.6.10(火)>
 そして朝、昨夜の雨で洗われ、透き通った東の空を見て、朝食の前の散歩に、城や教会などに出かけます。

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【198.jpg:広場に面した窓からの眺め。ずっと東、南はこれから行く峠とスロベニアの方向だろう】

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【209.jpg:城の近くの展望台からの西の眺め。
 左のmap:遠くにHochobir山(2142m)などスロベニア国境の山並。その手前にHochosterwitzホッホオスタヴィッツ城(ここから約15km)が見えると書いてあるが・・・小さくてわからない。
 右のmap:右の小山の向こう側にフリーザッハがある。この城も戦いの見張り台として有効な場所にある。拡大


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【235.jpg:Pfarre Althofen教会】 【240.jpg:Auter von Welsbach博物館】

<この周辺のWeb-Site-1>
 ○http://www.althofen.at/【Althofen:Auter von Welsbach博物館は、Dr.Carl Freiherr Auter von Welsbach(1858-1929)は、オーストリアが生んだ有名な科学者であり産業界の偉人だった。彼はネオジム、プラセオジム、イッテルビウム、ルテチウムの4つの要素を発見し、使い捨てライターの中でフリントとして使用される、フェロセリウムを開発た。さらに金属フィラメント電球の発明も行った。

 ○Pfarre Althofen教会

 ○Sgraffitoスグラフィットなどの壁画【スイス・エンガディンのスグラフィットが有名です】

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【215.jpg:見事なSgraffitoスグラフィットの外壁画】 【拡大図

 城、教会を回り、広場まで戻ってさらに南へ散策します。この見事なSgraffitoスグラフィットの外壁画を見てください。デジカメなどでしっかり撮るべきでしたが、見とれてしまい今になって後悔しています。ギリシャ神話か、地元の伝説などを描いた壁画なのかもしれません。

 スイス、エンガディンの谷でいくつか見たことはありましたが、これだけ立派な絵は初めてでした。(町の観光のWebサイトにこのことは書かれていないので、いずれ問い合わせしましょう)

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【370.jpg:215.jpgは左奥の壁に、大きな面にもその絵が続いている】 【拡大図

 僕たちの泊まったガストフPilzピルツ(きのこ)は正面のオレンジ・黄色の建物。この西側の斜面に、あの眺めのいいテラスがあるのです。左のドアから通り抜けられるのですが、いずれにしろ地元の人にしか知られていないドアなのです。

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【3d0.jpg:正面がガストフ・きのこ】

 用意してもらった朝食はこのとおり、見事な陶器、タペストリー、家具に囲まれて、食べきれないほどの量と味です。朝から満足と感謝の気分になることが出来ます。

 出発時、あの窓からFritzさんとガールフレンドのあの美人が、手を振って見送ってくれました。ありがとう、いい思い出がこの町にできました。

<この周辺のWeb-Site-2>

 ○http://www.althofen-treibach.at/【Althofenの町、観光情報】
 ○http://www.althofen-treibach.at/Tourismus/unterkuenfte.htm
【Terrassen-cafe und Gastehaus Pilz.
  Fritz-Pilz,Salzburger-Platz2 A-9330 Althofen
  Tel:04262-29218/Fax:04262-292188】
(ツインで1泊2食、ビール・ワインを思う存分飲んで85Eur≒11k\、おまけしてくれたのかもしれません)

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【361.jpg:朝食も調度も、なんと贅沢な。Gastehaus Pilzの名刺】

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【449.jpg:この東の方向が、僕たちの向かう峠〜スロベニアの国境です】

<聖霊降誕祭/聖霊降臨祭(Pfingsten)について>

 2003.6.8(日曜)、6.9(月曜)はキリスト教の祝日、聖霊降誕祭(Pfingsten:聖霊の姿で降臨された日:他の国の言葉を話し出した日)でした。復活祭の50日後の日で、さらにその翌日も連休なのです。
 この連休、復活祭と連動している関連で、毎年同じ日ではなく、5月から6月に大幅に変化します。
 クリスマスとイースターと聖霊降誕祭は三大祭りで、学校、商店、美術館などが休み、このようなガストフやペンション、田舎のホテルまでもが閉めているところが多いのです。

●参考:復活祭(Easter:イエス・キリスト受難の聖金曜日から3日目の日曜日に復活)は、春分(3/21)後の最初の満月のあとの日曜日(イースター・サンデー)。毎年日付が変わる。
 ☆復活祭日付対照表[1997-2030]【キリスト教は西方教会(3/22-4/25の間)、東方教会(4/11-5/5)。ユダヤ教(3/26-5/1)と宗派により変わる】


<アルトーフェンの郵便局ではがきを出し、次のKlippitztörlクリッピッツトール峠(1642m)に向かいます。快晴、朝からもう暑くなってきます・・・>
●ご意見・お問い合わせ・情報・何でも・・・「峠の茶屋・掲示板」(eu-alps)でお待ちしています。EU-ALPS.com  旅のGET旅のGET

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