【r867.jpg：Lac Noir(2450m)とラ・メージュ。紅葉が一部始まっている】

プラトーPlateau d'Emparis ～ヌワール湖Lac Noir(2450m)ハイキング

贅沢な貸切の眺め・・欲張りすぎて雪目に・・【●峠DB】

【フランス：(05)オート・アルプ県】 [北村峠一].(Kitamura)

　le Lac Lerieレリー湖(2380m)を11:45発。この南はRomanche渓谷が見下ろせ、その川の標高約1200mからここ2400mまでの垂直の岩場は、高所恐怖症の克服には最適の場所？　垂直に感じますが、地図上では約1km離れているので実は50-60度くらいの傾斜なのでしょう。

　一方対岸は、ラ・メージュで海抜差1600mあるのですが、こちらは7-8km離れているためそれほどの高さは感じません。

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【0074/r553.jpg：ここは海抜2400m、Romanche渓谷(約1200m)は1200m見下し、ラ・メージュ(3983m)は1600m見上げる】

　今登ってきた東の眺めです。左端がAiguilles-d'Arves(3514m)、Aiguille-du-Goleon(3427m)の連山、ラ・グラーブの渓谷は隠れて見えませんが、右にラ・メイジュがそびえています。あのマッターホルン初登攀のウィンパーは、1864.6.22-23にこの二つの山を通過したのです。（右の図の点線は1864.6.20-22のルート）

　22日Aiguille-de-la-Saussazエギーユ・ド・ラ・ソウスの頂上(C付近)で、ラ・メイジュのルートを観察後ラグラーブに宿泊。翌朝ラ・メイジュの右の裂け目Breche-de-la-Meije(3357m)ブレーシュ・ド・ラ・メイジュの登路ルートを初制覇し、エタンソンの谷La-Berardeラ・ベラルドへ向かったのです。
（『アルプス登攀記-上：p240-263』岩波文庫エドワードウィンパー著による）

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【r382.jpg：Lac Noirへ向かう道：左端がAiguilles-d'Arves(3514m)、Aiguille-du-Goleon(3427m)の連山。ウィンパーは1864.6.22にこのエギーユ・ド・ラ・ソウスを越えラグラーブに泊。翌朝ラ・メイジュの右の裂け目Breche-de-la-Meije(3357m)ブレーシュ・ド・ラ・メイジュを初通過し、エタンソンの谷へ向かった】

　12：20頃、この付近で一番見晴らしのきく場所に登ってきました。Lac-Noirヌワール湖が下に見え、360度の展望です。北～東の眺めです。Pic-du-Mas-dela-Grave(3021m)、Aiguilles-d'Arves(3514m)、Aiguille-du-Goleon(3427m)、Pic-des-Trois-Eveches(3118m)の左下にシャズレ村が、右下のRomanche渓谷にラ・グラーブがあるのです。

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【va90.jpg：Lac Noirから見る北～東：Lac-Noir湖、Pic-du-Mas-dela-Grave(3021m)、Aiguilles-d'Arves(3514m)、Aiguille-du-Goleon(3427m)、Pic-des-Trois-Eveches(3118m)、Romanche渓谷】

　南は谷を隔てて数kmにLa-Meijeラ・メージュ(3983m)の山群がそびえます。Breche-de-la-Meije(3357m)裂け目、その西の高く見えるのはLe-Rateau(3809m)でしょう。さらに西にGlacier-de-la-Girose、Mantel、Mt.de-Lansと氷河が続きます。

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【va91.jpg：Lac Noirから見る南：La-Meijeラ・メージュ(3983m)、Breche-de-la-Meije(3357m)裂け目、西にGlacier-de-la-Girose、Mantel、Mt.de-Lansと氷河が続く】

【va36.jpg：Les-Deux-Alpesからのリフト・展望台の建物、Glacier-du-Mont-de-Lansだろう】

　Glacier-du-Mont-de-Lans氷河の終わるあたりの山頂に建物が見えます。Les-Deux-Alpesからのリフト・展望台があるようです。氷河の淵を下に続く足跡のようなものは、Mont-de-Lansへ続く登山道でしょうか。

　そして西の眺め、Les-Deux-Alpesはしわのある山の向こうでしょうか。Romanche渓谷(Oisans)の上にあるのはLe-Grand-Renaud(2776m)、Le-Taillefer(2857m)、Bourg-d'Oisansル・ブール・ドワザンの町もこの方向です。右に雪山が見えるのはLes-Grandes-Roussesグランデ・ルーセ。

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【va92.jpg：Lac Noirから見る西～北：Les-Deux-Alpes方面、Romanche渓谷(Oisans)の上にあるのはLe-Grand-Renaud(2776m)、Le-Taillefer(2857m)。右：Les-Grandes-RoussesのPic-Blanc(3327m)、Pic-Bayle(3466m)、Pic-de-l'Etendard(3468m)】

　一部を拡大してみました。つやつやした、しわの山肌は動物の背のようにも見えますが、その向こう側にツール・ド・フランスのゴールに時々なるLes-Deux-Alpesデュー・アルペがあるはずです。その右はLe-Grand-Renaud山(2776m)でしょう。　右図、渓谷沿いに見下ろせる建物群は、Mont-de-Lans村あたり、氷河の登山道がこの村につながっているのでしょう。
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【va23.jpg：Lac Noirから見る西：すばらしい山肌の向こうあたりがLes-Deux-Alpes、その右はLe-Grand-Renaud(2776m)か】　【va53.jpg：渓谷沿いに見下ろせる建物は、Montde-Lansあたりだろうか？】

　Les-Grandes-Roussesグランデ・ルーセの雪山群を拡大した画面も再掲します。左からPic-Blanc(3327m)、Pic-Bayle(3466m)、Pic-de-l'Etendard(3468m)と残雪に美しい形を見せています。この雪山の向こう側に、これから旅で向かうGlandon峠、Croix-de-Fer峠があり、そこから見るGrandes-Roussesの山の形も楽しみですね。

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【v974.jpg：Les-Grandes-RoussesのPic-Blanc(3327m)、Pic-Bayle(3466m)、Pic-de-l'Etendard(3468m)】

　12:40、Lac Noirヌワール湖(2450m)・・黒い湖に到着です。周囲の山を見ながら一周。そろそろ夜露が冷たくなるせいでしょう、コケモモのような葉も一部紅葉しはじめています。あたりに牛は見えないのですが、多分牛の糞でしょう、大きな塊が湖の周りに一杯で、ちょっと雰囲気を壊しますが、彼らにとっても水は必需、登山者は当然足元に注意です。

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【r209.jpg：Lac Noirヌワール湖(2450m)・・黒い湖】

【ラ・グラーブ～プラトー周辺】

　ヌワール湖の北の道を回って帰ろうかと、ちょっと行ってみますが、それほど眺めは良さそうもありません。それに、手元のパンフレットの地図だけでは、貸切の山歩きではちょっと心配・・やはり眺めの良い、来た道を引き返すことにします。

　無人の山を心配することはありませんでした。次々と登山客が登ってきます、そして下のLerie湖付近では、ワインを飲みながらの昼食や休憩の人たちがたくさん。僕たちの時間帯が早かっただけのようです。

　でも、ワインの飲みっぷりから、もう上の湖まで歩く予定がない雰囲気の人もたくさん。途中、羊の群れの間も突っ切ることになりますが、「知らない人には近づくな」の教育どおり(?)・・彼のほうから逃げました。

【va58.jpg：羊の中を歩くのはちょっと怖い・・が、相手が逃げた・・14:26】

【r467.jpg：ヌワール湖に向かうおじさんたち】　

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【r060.jpg：Col-du-Souchet(2308m)の間】

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【r385.jpg：約束どおりエーデルワイスを再度見て・・】

　急な下りは妻の足・ひざに来て、16:20頃スティックに頼りながらやっと車に戻ります。出発したのが朝９時ですから７時間以上も歩いたのです。安直に想定していた「２時間ほどの往復」を大幅に超えたハイキングは、素晴らしすぎる眺め、強烈な日差しのせいもあったのでしょう・・妻の頭痛を引き起こしました。雪目です。

　山歩きの後の冷えた生ビール、ゆったりと入った風呂の効果もあったのかもしれません。

＜関連するサイト＞

　○http://guy.allain.chez-alice.fr/【Les Aiguilles d'Arves depuis le Mont Thabor・・Mont Thabor山からのすばらしい写真】
　○http://moncho.free.fr/【Aiguille du Goleon・・写真】