Passo S.Antonioサン・アントニオ峠
/Pso del Zovoゾーヴォ峠(1489m)
峠の道は整備され、なだらか・・・【
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聖アントニオとは、中世ヨーロッパの黒死病・ペスト流行時に尽力した司教? 聖者Anton、Antoni、Antoine、Antonien、Antonin、Antonino、Antonioの名が各地に残っています。
[北村 峠一].(eu-alps)
ヴィーゴ・ディ・カドーレを出発し北に向かいます。まず宿の奥さんに聞いた「サン・アントニオ峠」、その先の「モンテ・クローチェ・ディ・コメリコ峠」。サン・ステファーノ経由で一度戻り、トレチメ・ディ・ラバレードのルートを急ぎます。
【ヴィーゴ・ディ・カドーレ→アウロンツォ→サン・アントニオ峠→モンテ・クローチェ・ディ・コメリコ峠
→サン・ステファーノ→アウロンツォ→ミズリーナ湖→トレチメ・デ・ラバレード】
Auronzo-di-Cadoreアウロンツォ・ディ・カドーレの標識が出て来ました。「アウロンツォ」って、トレチメの山小屋の名前にありましたね。この谷をずーっと逆のぼったところ・・・あの先の雲が晴れると、険しい山の輪郭がくっきりと見えるはずなのですが。
【00.jpg:Auronzo-di-Cadoreアウロンツォ・ディ・カドーレの町に入る】
【10.jpg:入り口にある教会】
【21.jpg:Lago-di-S.Caterina聖カテリナのダム湖が見えてくる。この湖の正面方面にトレチメ・デ・ラバレードがあるはず。】
「Zovoゾーヴォ峠」と書いた標識や、分岐点を探しますがなかなか出てきません。交差点ごとに車を停め、なにか表示が無いかを探しやっと見つけます。それはイタリア語の「S.Antonioサン・アントニオ」。主要な地名はイタリア語と、ドイツ語(オーストリア名)が併記されているのですが、ローカルな峠名だったので書いてなかったのです。
やっと分岐し山道を登りだします。教えてもらったように舗装された、なだらかな快適な道が峠まで続きますが、若干曇っていて、展望はそれほど良くありません。
【23.jpg:「左にアウロンツォ、右にコメリコ」の標識が現れる。この付近が峠のはず】
【35.jpg:峠に到着。1489m】
<関連Web-Site>
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ヨーロッパ・アルプスの峠名・地名などに出現する聖人・聖者・・・アントニオ
・☆
「Laudateラウダーテ」
【女子パウロ会:聖人カレンダーなど】
・☆
「ペスト」
【海外渡航者のための感染症情報】
S.Antonioサン・アントニオ峠(1489m)に間もなく到着しました。【
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】周囲はあまり見晴らしの利かない場所・・・
この峠名
「アントニオ」に類する名前(「アントワーヌ」、「アントン」など)
の地名を、アルプスエリアの地図帳で調べてみると、
Saint-Antoine(フランス6ヶ所)、Saint-Antonin(フランス3)、San-Antonio(スイス1)、Sankt-Antonien(スイス3)、 Sankt-Anton(オーストリア3)、Sankt-Antoni(スイス1)、San't-Antonino(イタリア5)、San't-Antonio(スイス3・イタリア23)
と50ヶ所ほどもの場所が見つかります。
(なお、Zovoゾーヴォの地名もイタリア内に3箇所ありました)
複数の聖人からこれらの地名が付いたのでしょうが、特に23ヶ所もあるイタリアのSan't-Antonio聖アントニオは、<聖アントニーノ大司教(1389年-1459年:イタリアのフィレンツェ生まれ、ペスト流行時に援助を尽くした)>ではないかと思われます。
当時のペストへの知識、対処は現在のSARSの比ではなく、中世ヨーロッパ(1346〜1351年)の「黒死病」の大流行では、ヨーロッパの全人口の1/4、2,500万人もの人が亡くなったといいます。大司教はその後に生まれていますが、 ペスト菌のノミやネズミに対する駆除・予防などにも尽力した方なのでしょう。
このように点在する聖人の名前をプロットし、それをたどる旅(?)・・・充実した旅になるかもしれません・・・が、かなり大変そうですね。
峠の北側のAlberoo(ホテル)は、もうすぐ来る観光シーズンに向けて、庭の工事などをしています。
【40.jpg:峠のホテルは外装やイクステリアの工事などもしている】
なだらかな北側に下る峠道、林のためにあまり展望がいい道でもありません。そしてPadolaパドラ渓谷のPadolaパドラの村で、モンテ・クローチェ・ディ・コメリコ峠に向かうR52号線に合流します。
【51.jpg:峠道はPadolaの村でR52の主要道路に着く】
<北西に、モンテ・クローチェ・ディ・コメリコ峠に向かいます・・・>
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