ヨーロッパ アルプス 峠ドライブ紀行 TOPに戻る この旅のtopへ戻る 前ページに戻る 次のページへ count

Maggia-Moghegno
【g816:モゲーニョ村の唯一のレストランでくつろぐ、宿の夫婦(右)と隣人達】

Valle-Maggiaマッジャ谷 Moghegnoモゲーニョ村

B&Bを経営するには、これくらいのことが出来ないと・・

スイス・ティチーノ州】[北村 峠一].(Kitamura)      


●Valle-Maggiaマッジャの谷とは・・


Maggia-Moghegno
【マッジャ谷周辺の地形:3000mクラスの山で囲まれ、湖で入口が塞がれた辺境の地:クリックで拡大】 Googleマップを見る

 今年の旅から高い峠と同時に、行止まりの谷も選んだので、目標範囲がかなり広がりました。ここスイス南部のValle-Maggiaマッジャ渓谷とその周辺には、行くべき渓谷がたくさんあって、そこを廻るための基地をどこにするかが悩みです。

 地図でも判るように、周囲を3000mクラスの高い山で囲まれ、谷全体への狭い入口も、マッジョレー湖で塞がれているので、昔から僻地・秘境と呼ばれる地です。そして一番大きな川がMaggiaマッジャ川、名前からもMaggioreマッジョーレ湖の主な源流だと判ります。西にイタリアに抜ける小さな谷が「Centovalliセントヴァリ」、イタリア語で「百の谷」を意味していますから、この付近全体では千の谷、「Millevalliミッレヴァリ」と呼ぶのが相応しいかもしれません。
 そして中心の町Maggiaマッジャのインフォメーションで紹介された宿が、ここMoghegnoモゲーニョ村のB&Bなのです。

−−−

●B&Bを経営する必須条件・・


 もしあなたが、自宅の空き室を旅行客に貸す「B&B、ベッド・アンド・ブレックファースト、プライベートルーム、民宿・・」をやってみようと思っているのなら、次のようなことが条件になるでしょう。

・空き部屋、または古い家を買って改造する。
・ベットルーム以外に、トイレ・風呂・洗濯などのサニタリー設備を客専用に、フロア毎に追加する。
・朝食時の食事スペースを作る。
・駐車スペースは収容部屋数分必要ですが、場合によっては村の共有地が使えるよう、交渉をしておきましょう。

 さらに、
・1週間の滞在客が、日帰りできる観光として、山・川・町・田舎が10ヶ所以上あること。
・村・町の観光協会へ登録し、インフォメーションに勤める職員、特に窓口の女性と仲良くすること。
・いつでも、空き室問合せなどの連絡が取れるように、どこに出歩くときも携帯電話は離さないこと。
・インターネットでの予約も多いので、パソコンも使え、メールチェックなども頻繁にすること。
・年間で都合の悪い日・期間は、事前にインフォメーションなどに連絡しておくこと。

 つまり、かなり時間が拘束されますから、暇なおばさん=有閑マダム(?)だからといって、やれる訳ではないのです。

Casa Leemann
【Casa Leemannのホームページ:クリックでサイトへ】
 そして経済力も必須です。例えば、
・ご主人は別に仕事を持っていて、奥さんが趣味で経営する。
・平日ご主人は単身赴任、遠隔地に住んでいても、週末は手伝いに来ること。
・部屋の内外装は複数の人が使い、汚れ、痛みが激しいので、2−3年ごとに手入れすること。
・センスのよい部屋・調度品でないと客も喜ばないので、若干高めの材料を使うこと。

 利用する旅行者は気持ちいい部屋で、のんびりゆっくりしたいのです。

 絶対必要な条件が、まだありました。
・元気なこと ・人が好きなこと ・きれい好きだが、客の行動(汚す/騒音など)をほおっておけること
・早起きできること ・複数言語が片言でいいから話せること ・色々な事に興味があって、お客さんとの会話についていけること
・お客さんが知りたい観光地や天気などを調べて教えられること ・お金の管理が出来ること・・

 大変なことです!! ・・そんな条件をクリアしたのが、このご夫婦です。

Maggia-Moghegno
【g4682:B&B Casa Leemannカーサ・リーマンの建物】

−−−
 マダムに話を聞きましょう。

 この村周辺は20年ほど前から住む人が増えて来ました、観光客が増えてきたからです。この宿「カーサ・リーマン」も数年前、かなり古い石造りの2軒の家を買い取って改造し、B&Bを始めたのです。自宅は車で2時間ほどのルガーノなのですが、私だけがここにペットの犬と住み、週末に主人が来るのです。

Maggia-Moghegno Maggia-Moghegno
【g826:B&B Casa Leemannカーサ・リーマンのマダム】 【g932:B&Bのマダムのペット犬】

Maggia-Moghegno Maggia-Moghegno
【g480/g825:B&Bの内庭と朝食】
 室は6室、10人まで泊まれますが、シーズン以外は1〜2組だけです。そして最近は不況のせいもあり、また都会のOLさんが多いので、週末に1泊だけし、ハイキングしてそのまま帰るような、忙しい人も多くなりました。

 部屋代は季節にもよりますが、2人で84+税4.1chfスイスフラン/泊(約7.5千円)、朝食が16chf/2人(約1.4千円)。

 朝食は毎朝8時に、基礎階(日本の1階)の食堂室に用意しておきます。パン2-3種、チーズ2-3種、ジャム2-3種、ジュース、ミルク、時にハム、フルーツ、シリアルなども。お客さんの希望を聞いて熱いコーヒーか紅茶を出しますが、天気と気分がよければ、ほとんどのお客さんはテラスに出て食べますね。

−−−

●田舎の村では、夜や昼食はどうするの?・・


 1週間単位で滞在するお客さんの場合、朝車で出かけ午後には帰ってきます。夕食、ときには昼食も宿の近くで食べたいものです。以前は近くの町まで車で行って食事し、当然ワインを1-2杯は飲んで帰ってきたのですが、最近飲酒運転チェックもかなり厳しくなってきていますから、村のレストランが大流行りです。

 マッジャの町まで歩いても15分ほどなので、そこで食べたり、大きなスーパーで食材を買い込んできて、部屋食する人も多いですよ。

Maggia-Moghegno
【モゲーニョ村の地図:クリックで拡大】 Googleマップを見る
Maggia-Moghegno
【g934:モゲーニョ村のレストラン】

Maggia-Moghegno
【g470:村のレストランの定食は毎日2種】

Maggia-Moghegno
【g471:レストランで隣席した家族】

 村のレストランは地元の人、宿まり客ばかりでなく、近くの山へのハイキングなどの人たちもたくさん来ます。

 泊まった方が、そんな方たちとも楽しい時間が持てるように、私たちも、時々ビールやお茶をしに行き、お話のパイプ役もします。地元のおいしい料理を説明したり、週末のイベントを教えたりと、いろんな情報や気配りがお客さんには嬉しいようですね。

−−−

●このモゲーニョ村は、どんなところ?・・


 この村には、スイスのティチーノ州独特の、不ぞろいな石で壁や屋根を葺いた石造りの家、外階段や渡り廊下がある古い民家などがいくつも残っています。30-40分もあれば廻ってこれますから、是非全部の狭い路地を歩いて見てください。

Maggia-Moghegno
【g817:モゲーニョ村のシンボル、教会の塔と狭い道】
Maggia-Moghegno
【g473:モゲーニョ村全景:北から見る】

Maggia-Moghegno
【g479:石造りの家の外階段や渡り廊下】

 石積みの細長い教会の塔があったり、窓辺に大きな花瓶を置いたりと、日本から来た方には怖くて近づけないような建物と生活スタイルですが、ここには地震がないので安心していいです。

Maggia-Moghegno Maggia-Moghegno
【g477:モゲーニョ村の石造りの家】 【g818:モゲーニョ村の家並み】

Maggia-Moghegno Maggia-Moghegno
【g582:モゲーニョ村の歴史的な建物:穀物小屋で、高床のネズミ返しの花崗岩(御影石)板が特徴で、1460年頃の木材が使われている】

Maggia-Moghegno Maggia-Moghegno
【g820:モゲーニョ村の家:典型的なテチーノの建築様式Tessinerbauten】 【g822:モゲーニョ村の歴史的な建造物・回廊】

Maggia-Moghegno
【g581:古い石壁に壁絵が残っている】

Maggia-Moghegno
【g823:路地で見上げると宗教画が壁に。CAPELLA-PER VOTO-GIACOMO聖ヤコブへの誓願礼拝堂。MINETTI l'ANNO 1807.左:S.Pietro、右:S.Paolo】

 車も入ってこれないほど古い建物が隣接しているので、電気や電話線のために、地中を掘ったり電柱を立てる場所がありません。そこで家の壁に高い金具をつけ、家同士をつないで中継しているのです。

Maggia-Moghegno
【g827:モゲーニョ村の電線は屋根伝いに】

−−−

●マッジャの町に行けば水遊びも、バス停も・・


 歩いて隣のマッジャの町に行くなら、吊り橋がいいです。アルプスの氷河から流れ出すマッジャ川の水は緑色で、天気がよければ水遊びしている人たちも見えます。あなたたちも川原で若い人たちと一緒に、日光浴してきたらどうですか。

Maggia-Moghegno
【g474:マッジャ川にかかるつり橋と、川遊び風景】

 もうひとつの太い道路の脇を通れば、1500年頃に作られた礼拝堂があるので、鍵穴から中を覗いて見てください、古いフレスコ画が描かれていますよ。

Maggia-Moghegno
【g918:礼拝堂と内部外部の壁画】

 インフォメーションのあったマッジャは、この谷で1番大きな町。2台連結のバスも頻繁に走っていますから、便利です。カルメーロ聖母教会が小高いところにあって、町の景色も見渡せますから、是非行ってみてください。

Maggia-Moghegno Maggia-Moghegno
【r671:辺りで1番大きな町マッジャ、連結のバスも走っています】 【g810:マッジャのMadonna del Carmeloカルメーロ聖母教会】

「ところで、Michael Jacksonマイケルジャクソンが、今日亡くなったのを知っている?」「えー、本当ですか!!」
2009年6月25日の事でした。

−−−
 マダムのオールマイティさに驚きました。そして、モゲーニョに5泊滞在した僕達は、マダムの勧めに従って村のほとんどの路地を散策しました。数百年前に積まれた石の家並み、その路地の狭さのため、村の外の駐車場から歩かなければいけません。でも、この古さを守って生活しているからこそ、観光客が増え、住人も増えているのです。

宿情報 ●:スイス: ティチーノ州(TI)
Moghegnoモゲーニョ(Valle Maggiaマッジャ渓谷)
<Casa Leemannカーサ・リーマン(プライベートルーム:個人提供)>


【宿のマダムFrau Uschi Lienertさん】
・2009年6/25(木)-6/29(月):-30日朝出発、5泊利用。
・渓谷の中心Maggiaマッジャ村の隣にあり、渓谷各地を回る基地に
・家族経営。
・古い建物、新しい建物から部屋を選べる。
・トイレ、バスは建物で共有。
・ツインルーム:84+税4.1chf(約7.5千円/部屋)、朝食16chf(約1.4千円/2人)
・朝食、なかなか種類多くうまい
・古い建物の2階、西面の部屋で窓小さい。
・村の中の道は狭く、車は村指定の駐車場に。

私のお勧め度:4.0

http://www.casa-leemann.ch/

・住所など:CH-6677 Moghegno
  TEL +41 (0)91 753 20 10/FAX +41 (0)91 753 20 10
・Email: info@casa-leemann.ch

Google地図

Moghegno

Booking.com
スイス:ティチーノ州で利用した宿

<関連するサイト>

http://www.ticino.ch/【Moghegnoモゲーニョの観光パンフレット】
http://www.vallemaggia.ch/【vallemaggiaガイド】
http://www.gps-tracks.com/【マウンテンバイクの旅:Vallemaggia】
http://en.wikipedia.org/【wiki/Moghegno】
http://en.wikipedia.org/【wiki/Maggia】
http://www.maggia.ch/【マッジャ町ガイド:】
http://www.ascovam.ch/【マッジャ渓谷の自治体連合】
http://www.patriziatomaggia.ch/【Maggiaの歴史的な写真】
http://rivella49.wordpress.com/【マッジャ周辺紹介のBlog】
「ほぼ世界最北 スイスの稲作」【ティチーノ米のこと】
「おすすめハイキングコース」【マッジャ谷の周辺】
「日記でスイス旅行−ティチーノ」【マッジャ谷も紹介】
Booking.com

<関連書籍・地図>

ヨーロッパアルプスのハイキング地図、ガイド洋書  山渓など:日本語編

<ヨーロッパ・旅・・・>



●スイスのワイン検索

<マッジャ渓谷のあちこちも、見所が多いです・・>

ヨーロッパ アルプス 峠ドライブ紀行 TOPに戻る この旅のtopへ戻る 前ページに戻る 次のページへ

EU-Alps 峠の茶屋・掲示板:
EU-ALPS.com


質問などありましたら eualps@gmail.comへどうぞ。
★本サイト内を、地名などのキーワードで検索できます★

eu-alps.com内検索 WWW検索