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Como
【g401:Comoコモの昨今:旧市街・ドウモ】

Comoコモ(1):1973年/2009年

あなたはきっと、まだ生まれていない(?)・・
36年前(1973年6月19〜20日)のアルバムから・・そして今は・・

イタリア:ロンバルディア州・コモ県】[北村 峠一].(Kitamura)      


<36年前と対比してみました・・>


 2009年の旅の途中、36年前(1973年6月19〜20日)新婚旅行で立寄ったコモの町に行ってみることにしました。昔歩いたところを懐かしもうなどと考えるのは、きっと細胞の劣化がかなり進んでいるせいでしょうが、まあ時間もある事なので。

 そして当時の記録として残っているアルバム、そこに書かれたコメント、お金などのメモから転記し、今の写真などを比較として載せてみました。

<枠内の写真と文字は、その旅アルバムのコピーです>

●スイス・ルガノからイタリア・コモへの移動のこと・・


「ルガノは苦労した!! AVISの営業所がいくら聞いてもわからない。
・・・市内を汗流しながら走り回った」


 スイスの南、国境の町ルガノでレンタカーを返却するのですが、営業所の住所「Riva Paradiso」を見せ、通りかかる何人にもに聞いたのですが、誰も知らず・・
 たしかお巡りさんに聞いてやっとわかったような気がします。場所はかなりの郊外、ルガノ湖の縁でした。今なら日本で市街地図も売っているし、Googleマップなら建物までも判るのですが。

19730619-Lugano
【1973.6.19:AVISレンタカー返却後、ルガノの駅から】

【Aが営業所の場所】
 ルガノの市街は、傾斜面に湖にそって何本もの狭い道がくねくねと。信号、一方通行も多く、駐車スペースも少ないのです。

 よくもまあこの市街を、道を聞きながら走ったものです。

Lugano
【v280:2009年の市街】

 レシートに残っている車の返却時間は15:40。朝9:25にアンデルマットを出て、ゴッタード峠を越え南下、ロカルノの西アスコナで1時間半ばかりお昼とみやげ物を買っただけで、13:50には出発のメモがあります。多分1時間近く、ルガノの旧市街をグルグル探していたようです。

 2日間で走った距離はたった255km、レンタカー代11,055円は、帰国後クレジット払いでした。当時クレジットカードはまだ珍しく、今は「みずほ銀行」になっている「第一銀行」時代の勧誘員が美人だったので、国際ブランドMasterCardが使える「ユニオンクレジット(今のユーシーカード)」を作った覚えがあります。そしてこのレンタカーの時が、カードを使った最初でした。

 ガソリン代は17.8スイスフランでしたが、1スイスフランが82.33円なので、約1466円。ここで気づいたのですが、スイスフランの為替レートは今(約83円/フラン)とほとんど一緒ですね。

 ところが持参したUSドルはその時代266.5円、今が約89円ですから3倍近く強かったのです。当時の私の月給が月7-8万円で、最近の日本の若者が3倍位貰っているとすると・・今の日本は、スイスに対して3倍位収入が上がった。一方アメリカに対しては、収入が3倍上がり、円が3倍強くなったわけで、合計3×3=9倍くらい強くなったということでしょうか。別の見方では、この36年間でアメリカはスイスに対して1/3弱く、日本に対しては1/9にもなってしまった事になります。

19730619-Lugano
【1973.6.19-52:列車は@5.20スイスフラン。30US$を17,700イタリアリラに両替】
 疲れきった顔の後ろにルガノ市内が写っていますが、ここから電車で約20km南、イタリアのコモに向かいました。切符が一人5.20スイスフラン(約430円)、コンパートメントの車内で、おばあさんと話したような気がしますが、何を話したか覚えていません。

 すぐにイタリア国境になり、列車内で検問があり、直後にコモの駅到着のはずです。駅の付近で換金していますが、30$が17,700イタリア・リラ(約8000円)。1円が0.45リラの為替レートは、今ではユーロに変わってしまったので比較が出来ません。



19730619-Como
【1973.6.19-59:3,850リラ+チップ500リラと感想など】

●コモでの食事のこと・・


 ホテルに荷を置き、夕食を旧市街のドウモの前の広場で食べたのです。


二人で3850リラ+チップ500リラ(計約2000円)のレシートと、

「夕食は教会前のレストラン(カフェテラス風)でとった。
イタリアのスパゲティーはスープ代わりだ。ステーキは小さくて、うまくなかったよ。ビールもあまり。
総じてあまりイタリア人の味覚はさえているとは思えない。
イタリアはヨーロッパ内の後進国、やはりゆとりがない感じがしたよ。でも良い人はどこへ行っても居るけど」


 とあり、味覚オンチの私としてはかなり手厳しい感想です。その理由は、日本人をはじめて見て(?)、
「スパゲティの食べ方を知らないんじゃないか」と思ったらしいここのレストランのボーイが、
「こうやって食べるんです」と私のスプーンとフォークを取って、クルクル巻きつけての実演をして見せたのです。この程度のマナーは知っていた私ですが、周りの客たちの目線を感じながら黙っていました。

 やはり東洋人に対して、格下の感覚があったと思います。私の方もまた、ベルギー、フランス、スイスと旅行してきた雰囲気から、イタリアの水準を低く見ていたような気がします。

 でも36年後、同じ東洋人でも日本人だと判ると、あまり低くは見られなくなりました。車、家電、子供向けアニメなどから日本の評価が高くなったのでしょう。ただし、お金持ち風のおばあさんで、かなり偏見を持った人に会った事があります。メードに東洋人を使っているのかもしれません。

 今回も同じレストランで昼にしたのですが、パスタとワインで20ユーロ(約2700円)でした。前回のステーキ定食(約2000円)とは比較は出来ませんが、感覚的にはこの36年間で倍くらい、価格が上がったような感じがします。特にユーロが流通しだしてからの、イタリアの物価は上がりました。

19730619-Como
【1973.6.19-58:ドウモの前のレストランで夕食】


Como
【g406:ドウモ広場:1215年建造の白・灰・赤色大理石の縞模様の政庁舎、Duomoドゥオーモは1396年〜17世紀に建造】

Como
【g410:ドウモ前の広場のレストランで昼食】




19730619-Como
【1973.6.19-72:3人連ればかり】

●3人連れのこと・・



不思議なことがあった。写真をよく見よ!!
→ イタリアは3人連れで道を歩くのだろうか

男+男+男 女+女+女 女+男+女 家族連れ。
男+女 女 には会わなかった。


 確かにあの時、イタリアでは3人で歩いている人たちを実に多く見かけました、コモでもミラノでも。ところが今回、写真に写っている人たちを分析したところ、
1人=3組、2人=7組、3人=2組(+赤ちゃん連れ1組)、4人=赤ちゃん連れ1組、5人=2組・・
 と、2人組が圧倒的に多いのです。3人連れは「男+女+女」がたった2組しか見かけません。
 昔イタリアの男は、一人歩きの女性には必ず声をかける、それがマナーだと聞いた事があります。女性たちは、そんな事に対する防衛に、ボディーガードとしての男性と連れ添って、または女友達複数人で歩いていたのではないでしょうか。最近ではイタリアの男性も、日本と同じで忙しく(?)生活が苦しく(?)・・声をかける余裕がないのかも知れません。

Como
【h118:今回は3人連れはほとんど見ない】



19730620-Como
【1973.6.20-62:ホテル:宿代9,330リラ(約4226円)、朝食1,500リラ(680円)】

●ホテルのこと・・



イタリアの一流(高級の下)ホテル。
窓はつぶれ、冷房はなし、一見病院風、
ボーイは無愛想 100リラのチップではダメ、人々の目が冷たかった。


 このHotel Continentalホテル・コンチネンタル、宿代9,330リラ(約4230円)、朝食1,500リラ(680円)は、当時のイタリアとしては高級なホテルだったのでしょう。でも設備はひどかったのです、涼しいスイスから来たのでエアコンが欲しかったのでしょう。

 チップは一瞬の判断で出す必要があります。慣れていない私は、何のお礼に出したのでしょう? 100リラ(45円)は確かに安そうですね。

 今回このホテルの外観だけを見に行きましたが、ベストウエスタン・チェーンに加盟の4つ星。最近の価格を調べてみると、6月中旬、平日でツイン・朝食つき1万4-5千円/室でした。かつての3倍くらいになっていますが、駅も近く、観光地ですから妥当な額かもしれません。

Como
【g463:Hotel Continentalベストウエスタン4つ星】


●飛行機の搭乗確認をしたら・・


19730620-Como
【1973.6.20-67:航空券と乗り替えたタイムテーブル】

 6月20日 Comoのホテルから一応確認のためにTelしてみた。(JTBの藤木さんがそう言ったため)。ホテルの人に頼んだが、番号しか教えてくれない。

 Milano 02-798241 たどたどしい英語で話したところでは、21:40発の便は今日はない!
 15:55に乗れるよう交渉した。電話で話したことがはじめてであったため、はたしてうまく行くかわからなかったが・・
 何とか通じて助かった! もしこれがだめだったら、明日帰る事になっていたろう。


 フライトチケットの注意書きに、「ヨーロッパ内に終始するフライトの場合は、リコンファームは不要だが、一応確認電話を勧めます」とあり、JTBの人に言われた事を思いだしての電話は正解でした。ただし、英語で電話するのがはじめてで、今考えるとよくまあ通じたものだと思いました。

 その後、あわてて列車でミラノに向かおうとしたのです。
 大変でしたね・・ひとごとのように書いていますが、我ながらよくやったと思っています。

 数年前まで帰国のフライト便は、必ず3日前にリコンファーム(搭乗確認)の電話を現地の営業所にかけていました。しかし携帯のない時代、公衆電話に大量のコインを積み上げての、悪戦苦闘でした。テレホンカードの時代でも、公衆電話荒らしは世界共通。壊れた電話ボックスの中で苦労していました。最近はリコンファーム不要になったので、かなり気が楽です。


19730620-Como
【1973.6.20-58:駅前のカフェの店の人たちとの雑談】

●3時間に一本の列車・・



 ミラノに行く列車に乗るためにコモ駅に着いたのが9時前。ところが何と次の列車は11時51分発!
 3時間をつぶすため駅近くのカフェテラスに座る。通りかかった女の子を切手でつって、話をしはじめた。乗ってくるに従って、何枚もの切手と、日本からの人形、日本紹介のパンフレットを渡した。そのうちお母さんが出てきて、その友達が出てきて、僕らの話に加わった。

ELENA:11才の女の子、左利きです。(絶対男の子だと僕は思ったのですが!)
コーラをおごってもらった。
ユーゴスラビア出身のお母さん。祖父母達がまだ生きているという。



 あのときのELENA:11歳の可愛い女の子、今は47歳!! もしかすると喫茶店をやっているかもしれない・・と期待して、コモの駅前で、かつてのカフェテラスを見つけようとしたのですが、広い公園になっていてそれらしい建物はありませんでした。駅周辺の改造をしたのでしょうか。

 最近の列車時刻を調べると、9時から11時までに列車は3本走って、便利になっています。価格も2等車が3.6ユーロ(約470円)と、当時の列車代900リラ(約410円)とほとんど変わりません。

Como
【g464:Como駅前、周辺に当時のカフェテラスは見つからない】


19730620-Como
【1973.6.20-61:コモ駅で会った新婚さん】

●灰色のヒトミの新婚さん・・



コモ駅で会った新婚さん。
メッシナに住んでいて・・イタリア各地と、スイス、フランスを10日程で廻っていた。
・・奥さんは写真のようにとても美人、灰色のヒトミというのは不思議な魅力がある。


 懐かしいプラットホームを見渡しました。ここはイタリアから北のスイス、ドイツなどへの幹線輸送ルート。アルプスをトンネルで抜け、おいしい果物などの農産物などが、大量にEU各国に輸出され、イタリア経済を支えているのでしょう。

Como
【h111:Como駅のプラットホーム:ミラノ方面】

Como
【h116:Como駅のプラットホーム:スイス方面】

 あの日、僕たちはミラノの街の中で、大きなトランクを転がしながら、やっとエールフランスの事務所を見つけ、便変更の手続きを終えたのです。

 英語の通じないレストランで、なんとかミックスサラダ、ビール、パンの昼食(3000リラ≒1360円)をとり、タクシー(2020リラ≒915円)を捕まえ、ミラノ観光として唯一ドオモの写真を撮っただけ。代替のエールフランス機には、ぎらぎらのメークをした40歳近い日本人スチュワーデスがいて、驚いた思い出が残っています。


<関連するサイト>

http://maps.google.com/【Comoコモの画像・ポイント】
http://en.wikipedia.org/【wiki/Como】
http://www.comune.como.it/【Comoガイド】
http://como-lake.arounder.com/【Como:パノラマ画像cathedral-of-como】
http://www.booking.com/【Comoのホテル】
Booking.com

<関連書籍・地図>

ヨーロッパアルプスのハイキング地図、ガイド洋書  山渓など:日本語編

<ヨーロッパ・旅・・・>



●スイスのワイン検索

<旧市内を散策して見ましょう・・>

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