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ウィーン水道源泉
【r913.jpg:ウィーン水道の源泉はアルプスの雪どけ水】

ウィーン水道の源泉:Vienna's Water:アルプスからの取水

あのおばあさんは、深夜電話をかけまくった?

オーストリア:シュタイアーマルク州】[北村 峠一].(Kitamura)      

viennas-water-bridge

●源泉と水道橋


ウィーン市の水道」は、Ennsエンス川流域とMurムーア川流域の分水嶺、Hochschwabホッホシュヴァーフのアルプスから、2つのルートを使って供給されていることが日本を出発する際にわかっていたので、その水源や水道橋を実際に見たいと。
alps-east-end
【流域と分水嶺:ウィーンは右上。クリックで拡大】

 初日、マリアツェルへの途中の道は、その水道のパイプラインのルートと重なるので、探そうとしたのです。
ウィーン水道源泉
【s173.jpg:途中で見た水路】

 途中の当たりをつけた村で、近くの人に聞きますが単語が通じず、地図を見せても「ウィーン水道」の話が通じません。Neubruck村では、水道ルートにそって川の水をせきとめ、分水しているところがありましたが、考えてみると、牧草地の牛糞で汚れた水が流れ込む水であるはずはないのです。

 その先の分岐をちょっと戻った瞬間、目の前に思ったとおりの立派な石橋が現れました。そして当時の工事の写真が表示されています。橋の高さ22m、長さ271m、1905年完成の総延長170kmの水道管を運ぶ橋です。これは2nd Viennese High-Spring Pipelineウィーン第2高山水道で、200kmかけてウィーンまでみずが運ばれているのです。ローマ時代から水道用の橋は建設されていますが、アルプスから直接大都会に運んでいる、現役の橋はないのでは?

ウィーン水道源泉
【r813.jpg:Ybbsから南下しNeubruckの南で】

ウィーン水道源泉 ウィーン水道源泉
【r814e.jpg:すばらしいアーチ橋:高さ22m、長さ271m】 【s177.jpg:当時の枠工事の写真が展示されている】

ウィーン水道源泉
【s176.jpg:工事写真:水道橋、1905年完成、総延長170km、橋の高さ22m、長さ271m】


大きな地図で見る 【ウィーン水道源泉:Wildalpen周辺】
ウィーン水道源泉
【s179.jpg:】
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●ガストフ・ディートルのおばあさんは・・


 マリアツェル巡礼教会に行った夕食時、日本でプリントした水道橋のインターネットのページの写真を若い奥さんに見せ、源流はどこに行ったらいいのかと聞きます。しかし、調理場のほうにも持っていったのですが、どうも判らないようです。まあ明日は地図を頼りに、適当に走ってみようと思っていたのです。

 ところが翌朝食時、あのおいしい料理のおばあさんが、地図とメモを持ってテーブルへ説明に来ます。そして若い奥さんと一緒に話してくれたことは・・
「ウィーン水道Wiena-Wasauのことは、ここから40kmほど離れたWildalpenにあるミュージアムに行くと教えてくれる。開館時間は9-12時、13-15時。そこでは映画説明を英語でしてくれる。彼女がいろいろ具体的に・・」と。

 昨夕食の8時以降、今朝8時まで、当然博物館には連絡は取れないはずです。多分夜中じゅう、電話などで知り合いを追いかけて調べ、その説明員の女性の自宅にたどり着き、教えてもらった可能性が大きいのです。

 大変申し訳なく思って名刺を渡し、専門ではないが峠や分水嶺などに興味をもって旅行しているのでと、2人の女将さんたちにお礼を言います。そして時間の関係から午前中Erlaufseeエルフラウ湖へハイキングをし、その足で水道ミュージアムとSeeberg峠へ行くことにしました。

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●Wildalpenの水道博物館


 約40km、Ennsエンス川の支流Salzaザルツァ渓谷に沿った道を、途中になにか水道に関連したものが見えないか、ときょろきょろとわき見運転しながら走っていくと、Hochschwabホッホシュヴァーフの雪山が見えてきます。

ウィーン水道源泉 ウィーン水道源泉
【hd64/hd67.jpg:マリアツェルの数km先のGusswerkで分岐。右に38kmでWilalpen。そこにミュジアムがある】

ウィーン水道源泉
【hd78.jpg:Greithの道。正面の山の手前の渓谷に沿ってパイプラインがあるはず】

ウィーン水道源泉 ウィーン水道源泉 ウィーン水道源泉
【hd79.jpg:Greithの西はずれに、地図上にはHalspass峠(830m)がある】 【s279.jpg:Salzaザルツァ渓谷の林道】 【s280.jpg:ホッホシュヴァーフ山系】

 そして雪解け水が滝のように落ちる場所があり、さらにその先に目的のMuseum Wildalpenに到着です。車を留め、ミュージアムへ着くとすぐ、女の人が迎えに出、声をかけてくれます。

 Kino映画館と書かれた、大スクリーンの100人以上が入れる部屋で、僕たち2人だけで見たその映画は英語でカラフルなもの。ウィーン水道の歴史や構造など、判りやすいものでした。その後、2階の水道関係、1階・地下の民族歴史などの展示、隣のクマの博物館など、他に誰も見学者の居ないところを見て回ったのです。

 やはりあのおばあさんの事前電話で、すべての段取りがされていたわけです。本当に感謝です。

ウィーン水道源泉 ウィーン水道源泉
【r910.jpg:Museum Wildalpen全景】 【r911.jpg:Museum Wildalpen】


【右上ウィーンへのパイプライン】

 第一高山水道のパイプラインは120kmを24時間でウィーン市に流れる。第二パイプラインは200kmあり36時間で到達する。

http://www.wien.gv.at/【ウィーン水道の解説】
http://www.wirtschaftsmuseum.at/【水道博物館】
ウィーン水道源泉
【jpg:Wasser fur Wien】

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●アルプスの取水ポイント


 帰り道、例のアルプスの水がまさに流れ落ち、取水される場所で車を停めます。そこは金網で囲まれ、入れないようになっていたのですが、先ほどミュージアムへの行きには見えなかった人たちが数人 中に居ます。

 見学させて欲しいと、ミュージアムの領収書を見せながら頼むと、責任者と連絡取った後「10分間のみ」の許可を貰います。またもラッキーなタイミングでした。

 その滝の下に行ってみますが、なるほどすばらしい眺め。日本の「日光竜頭の滝」をはるかに越える景観。取水直後の水道の蛇口から飲んだその水の味は格別、ウィーンの人は実においしい水を飲んでいるのです。

ウィーン水道源泉 ウィーン水道源泉
【r975/r973.jpg:源泉の滝】

ウィーン水道源泉
【s286.jpg:取水以外されない水が渓谷に流れていく】
ウィーン水道源泉
【s292.jpg:】

ウィーン水道源泉
【s291.jpg:】

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●お礼に・・


 宿に帰り、出あった若女将には礼を言いましたが、あのおばあさんは夕食時も見かけませんでした。昨夜、深夜までずっとかけた電話の疲れで寝込んでいないか心配です。

 3日目の朝、チェコの疲れもすっかり取れ、目覚めも体調も良好。朝食前にあのおばあさんへのお礼を用意しました。「東海道53次の絵葉書」に礼の文章をドイツ語で「感謝」と。さらに英語で「ミュージアムと取水の滝が見学できた」と書いたものです。

Gasthof Dietl-Bartelbauer
ガストフのHPの家族写真
はちょっと前のもの。でもおばあさん若い。
 元気も回復(?)し、朝食の対応に出てきたおばあさんは、 「この山の名は?」・・富士山。「高さは?」・・3776m。・・
 おばあさんは同席している何組もの人たちへ、自慢げに、喜び一杯にその絵葉書を見せて回っていました。

 チェックアウト。3泊もし、朝食もディナーもビールも飲み、おいしいスープ・メインディッシュ・スイートの食事がぜーんぶ込みの額が、2人で212.4Eur(一日約71eur≒9.8千円)。ケーキもビールも入ってですからそれはもう日本では信じられない額でしょう。

 宿を出るとき、手持ちの土産をもう少し探して・・この2-3歳の子供へのプレゼントに「ワニの形をした指圧の道具」を。ちょっと見は、おもちゃだから面白いのではと。
 日本語で書かれた「指圧のツボ」説明の紙は漢字なので当然読めないはず。
「1のツボ、小指の先は目や風邪やアレルギーに。2は・・」
 日本人だってすぐに忘れることなのですが。感謝感謝のうれしい顔で、若女将もおばあさんも喜んでくれました。

 さようなら、またいつかここに来たいですね。

<関連するサイト>

http://www.wien.gv.at/【ウィーン水道の解説】
http://www.wirtschaftsmuseum.at/【水道博物館】
ウィーン市の水道【オーストリア大使館/ニュースとイヴェント】

<関連書籍・地図>

 本:『ウィーンとオーストリア―地球の歩き方』 :  
 本:『「うたかたの恋」の真実―ハプスブルク皇太子心中事件』 :  
 本:オーストリア ハプスブルクに関する書籍
 DVD:『世界遺産 オーストリア編出演: 緒形直人 』 
ドナウに関する書籍・音楽など

<オーストリア・ワイン>

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<関連HOTELなど>

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