【s479.jpg:Dörnbachデルンバッハの朝、窓から見る牧場】 |
パッサウの町を出てすぐ、国境のマークも気が付かないうちにオーストリー側に入ります。そして水量の多いドナウ川に沿った南側の道を約40km。ドナウ下りで想定していたような岩の迫る景観はこの付近にはなく、道も川からせいぜい10m位の高さ。
その先、船着場が見えたドナウのカーブで道は川から別れ、周囲はジャガイモやニンジンなどの野菜畑、時々牧草地のような平坦な台地を行きます。
午後4時過ぎ、そろそろ宿を探さないといけません。リンツに10kmほど、Ottensheimという地名の標識が出て来ました。
【552.jpg:ドナウの平野。左の教会の向こうあたりにドナウ川が流れている】
【554.jpg:Aschachで東に分岐するとドナウの北に。Linzまで32km】
【Wilhering-Dornbach-Rufling-Linz周辺】
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大修道院があるというWilheringヴィルヘリングのインフォは、水曜日のため午後は休み。少し過ぎた道路脇のガストフの前で車を止め、ここはどうだろう? 駐車場に車もないし、外観や花の飾り方などあまり良さそうじゃないなー。 などと考えていると、細い道から出て来たおじさんの車が止まり、窓から顔を出して「何か質問あるのか」という顔です。
「このあたりにいいガストフはないですか」「そこを左に行ったところ(さっき走ってきた道)にあるよ」
「あそこは、ちょっと」 道路わきに建っていたガストフは、道路の騒音が大きそうだったのです。
「この先には?」「余りないなー」 「このガストフはどうなんですか」「良くない!」
おじさんは車を降りてきました。こちらも地図を持って教えてもらいにいきます。
「Ruflingにいいところがある」「どの付近ですか」かなりはなれたところを指差します。そして、
「俺の車に付いてこい」と走り始めたのです。
こんな風に親切な先導をしてもらうのは2回目でしょうか。2002年のフランス・Chamberyシャンベリの町を横切り、次の峠への道路がわからず道を聞いたとき以来。前の車は比較的ゆっくりと、特にロータリーの交差点では曲がるコーナー付近で特にゆっくりとしてくれたりと親切。田舎道を、けっこうな距離を走り・・
走ること約10km。Rufling村の何気ない道路ぎわのガストフに車を停めます。
「ありがとうございます、泊まれるか聞いてみます」「一緒に行って聞いてやるよ」
実質的にこのおじさんが店の人と話してくれたのですが、残念ながら今晩から休みなのだそうです。きっとおいしいところなのでしょう、ただこの後2日この前の道を2回走ったのですが両方とも車がなかったので、数日休みだったようです。
【hv66.jpg:ここのRuflingのGasthofガストフホフは都合が悪くNG・・・「Gasthof Hummer」 Ruflingerstr. 206 ,4060 Leonding.】
このおじさん、責任を感じて「だったらさっき走ってきた教会の脇」 とさっさと車を出し、戻っていきます。申し訳ないですね、でもこの田舎道、普通の観光客は来ない、おじさんの案内がなければ走れないような道です。そして来たのが立派な教会脇の、先程より大きなガストフ。宿に入って行き、宿の人との交渉もしてくれたのです。
「部屋はOKだよ」「ありがとうございます」ちょっとしたお礼にと持ってきた、つまようじ入れの折紙人形を固辞するおじさんに渡します。本当に優しいおじさん、ありがとうございます。
【r178.jpg:Dornbachの教会(1755年構築)の横にあるガストフへ】 【r179.jpg:教会の脇には5月祭(春の到来を祝う祭り)の5月柱が立っている】 【r181.jpg:お礼につまよう枝入れの折紙人形を】
Gasthof Fischer【pa63.jpg:Gasthof Fischer:宿のパンフにも、自慢の内庭と階段塔が】
Gasthof Fischer
・Topfentorte(Potting cake)の紹介に宿の若女将が登場 |
【s481.jpg:内庭には石柱や大理石の像なども】
比較的大きなスーパーが教会前にあり、飛行機の旅では携帯できないヘアスプレーや、2-3日分の水、果物、ナッツなどを買い込んで長旅の準備も完了です。
実質2日ぶりの風呂上り、ディナー時間の18:30にレストランに入ります。やはり初日はメニューが読めません。
例年のことですが最初読めないのです。そして2日目あたりから徐々に感覚的に判ってきて、1週間ほどするとほとんど苦労しなくなるのです。ドイツ語、フランス語、イタリア語と言葉は違うのですが大体同じパターン。チェコ、スロベニア、ポルトガルでも同じでしたから、多分これは度胸と慣れが出来てきて、さらに感が強く働くようになるのでしょう。不思議ですが毎年のことです。結局シュニッツェルとハム盛り合わせ、それにビールの夕食です。
【r177.jpg:旅の初日の夕食はうまかった。ウィンナーシュニツェル(6eur)、ハム盛り合わせ(5.5eur)】
それにしてもここのレストランのにぎわいは、田舎なのにすごいのです、客が次々と来ます。最初のガストフが休みだったせいもあるのでしょうか、木曜日の夕方なのに家族連れや、会社帰り風の4-5人のグループ、工事現場帰りの作業員風のグループなどが次々と入ってきます。そのレストランの大忙しさは、見ていて気の毒なほど。マダムや娘さんは厨房から一歩も出てくる暇もなく、僕たちの食事が終わった20時過ぎ、注文を取り料理を運ぶマスターの「フゥー」と疲れきった息が聞こえました。
【hv68.jpg:牧牛の毎年のトロフーや賞が壁一杯に】
食後まだ明るい宿周辺を、おしゃべりな小鳥たちのさえずりを聞きながらちょっと散歩。部屋に戻り、成田空港で気づいた電池切れの腕時計の裏蓋を開けながら、ドライバーを2度も床に落とし、ハッとします。時差解消のためにもなるべく遅くまで起きていたほうがいいのですが、22時、日本なら朝5時、我慢できず寝ることにします。
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早朝の窓から見る霧の牧場、数頭の草を食べる馬、真っ白な一頭はペット的な家族の一員でしょうか。納屋のほうから歩いてきたのは、多分ここのおじいさんおばあさん、落ち葉などを燃やしながら紅茶のようなものを飲んでいます。牧歌的なオーバエスタライヒ(上オーストリー)州の朝です。
【s478.jpg:早朝の牧場、霧の中の白馬】 【s480.jpg::宿にあった航空写真。上(南)に牧場があり、内庭と階段塔が見える】
【hv62.jpg:この宿をベースにリンツやシュタイヤーを回ったが、周囲はなだらかな農地が続くドナウの平原】
<関連サイト>○Wilhering○Stift Wilhering ○wikipedia.Wilhering |
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